海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

2月17~19日の高江の様子

2014-02-20 06:19:26 | 米軍・自衛隊・基地問題

 今週は天気が不安定で、日差しが強くジャンバーを脱ぐほど暑くなったかと思えば、雨が降って体の芯まで冷えることもあり、風邪をひく人も出ている。高江に来られる皆さんは体調管理に気をつけてほしい。

 N4-2ヘリパッド建設現場では、連日砂利の搬入とバックホーやローラー車で転圧する作業が続いている。接地帯の工事を急ぐと同時に、周辺の無障害物帯の整地や植栽工事(チガヤの播種もしくは芝生の貼り付け)も行われているのでは、という観測もあるが、詳細はつかめない。

 ただ、二つ目のヘリパッド完成のために作業を急いでいるのは明らかで、18日には新たに3トンユニック車を現場に入れようという動きがあった。メインゲートにやってきた運転手は、丸政工務店のTさん、と連絡していて、道路脇に移動してもらい話をした。集落に一番近いN4にヘリパッドが完成したら住民の生活に大きな影響が出る、近くには学校もある、自分の子どもを守るためならあなたも親として反対するのではないか、と話したら運転手は、結局は国に負けるんですよ、と言い残して、10分ほどで帰っていった。

 「とぅー(唐)ぬゆー(世)からやまとぅ(日本)ぬゆー、やまとぅぬゆーからアメリカゆー/ひるまさ変わたるくぬうちなー(沖縄)」と嘉手苅林昌は「時代の流れ」で歌っている。中国、日本、アメリカという大国の狭間で翻弄されるなかで、強いものに逆らっては生きていけない、どうせ負けるなら利益を得た方がいい、という事大主義的発想が沖縄人に染みついてきた。その克服はずっと以前からいわれてきたが、口で言うほど簡単なことではない。

 高江でも辺野古でも、現場ではウチナンチュー同士が争わなければならない状況が作り出される。傍観者の高見からそれを嘆いたり批判しても、その現実は何も変わらない。新たな施設が完成すれば米軍に引き渡され、何十年にもわたって好き勝手に利用される。被害を受けて泣きを見るのは地域住民だ。N4のヘリパッドは着々と工事が進められている。まずは現場に来て行動してから、その先を考えなければならない。

  

 


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