集団的自衛権行使容認の閣議決定に抗議し、撤回を求める声明
安倍政権は7月1日、臨時閣議で歴代内閣が継承してきた憲法解釈を投げ捨て、集団的自衛権行使を容認すると決定しました。「密接な関係にある他国に武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある」と政府が判断すれば、海外での武力行使ができるというものです。戦後日本の安全保障政策の大転換であり、平和憲法を根底から覆すもので、一内閣でこれを決定することは、民主主義を破壊する暴挙です。この日は、自衛隊発足60年目に当たり、日本は新たな戦前になったことを「屈辱の日」として歴史に刻み込まれることでしょう。
安倍首相は記者会見で「他に手段がないときに限られ、必要最小限度でなければならない」と強調しました。しかしその判断をするのは内閣であり、「必要最小限」の明確な基準があるわけでもありません。首相判断で限りなく拡大される危険性があり、歯止めがかかる保障は全くありません。
大多数の有権者、憲法学者、自民党の内部からさえ反対の声があるにもかかわらず、安倍政権は、なぜ集団的自衛権行使容認を急ぐのでしょうか。かねてから「戦後レジームからの脱却」を標榜する安倍首相は、昨年末、国家安全保障会議(日本版NSC)設置法と「特定秘密保護法」を成立させました。その狙いは、アメリカとともに戦争ができる国づくりのため、あらゆる情報と戦争遂行の決定権を首相が一手に掌握できる体制づくりにあります。今年中に改定される日米新ガイドラインにそれを反映させるためです。辺野古新基地建設、高江オスプレイパッド建設をあらゆる国家権力を使い強引に推し進めようとするのもそのためです。
尖閣諸島をめぐり緊張関係が高まる中、いざ有事になれば沖縄が真っ先に「標的」にされることは明らかです。集団的自衛権行使容認は、この沖縄にとって戦争に巻き込まれる危険性を一層高めるものにほかなりません。私たちは、この沖縄がふたたび戦場になることを許しません。集団的自衛権行使容認の閣議決定に抗議し、その撤回を強く求めます。
2014年7月2日
住基ネットに反対する市民ネットワーク沖縄
内閣総理大臣 安倍晋三様