海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

瀬嵩浜集会ーー粛々とことは進まず。

2015-03-21 22:47:32 | 米軍・自衛隊・基地問題

 21日は午後1時から瀬嵩の浜で、辺野古新基地建設に反対する県民集会が開かれた。主催者発表で3900人が集まり、翁長知事の中断要請を無視して進められている海底ボーリング調査を糾弾した。カヌーチーム「辺野古ブルー」は午前10時頃に瀬嵩の浜を17艇が出て、午前中は1時間ほどフロート付近で抗議行動を行った。

 昼食後、カヌーチームは再び海に出て海上から瀬嵩浜の集会に参加した。「辺野古ぶるー」や「船団ドリーム」の他に、海にはウミンチュ有志の皆さんや帆を立てたサバニ、ウインドサーフィンに乗って参加した男性などが集まってにぎわった。

 70羽の鳩が空に放たれて集会が始まった。海岸線の岩場付近に出てきてカヌーや船に声援を送る参加者の皆さんに、「辺野古ぶるー」もパドルを立てて応えた。

 午前、午後ともにフロートを越えて中に入ったカヌーが次々と拘束され、船にも海上保安庁の保安官が乗り込んできた。県民集会の会場からもその様子が見え、参加者は海保の弾圧の実態をその目で確かめた。カヌーチームにとって集会の成功はもとより、海保による弾圧の実態を多くの市民に知ってもらえた点でも大きな意義があった。

 現場はスパッド台船が海底ボーリング調査を行っている地点から遠く離れている。大浦湾に設定された臨時制限水域がどれだけ広大で、調査や工事に影響を及ぼすはずがない場所まで立ち入りが制限され、市民が排除されていること。そのことが集会参加者の皆さんにもよく分かったと思う。沖縄県民の海を分断し、占拠し、破壊する。日本政府・防衛省が大浦湾でいま行っている凶行を、県民の力でぜひとも止めましょう。

 カヌーや船のメンバーに暴力をふるって何名もケガをさせてきた自称「海保太郎」は、今日もゴムボートの上でチムワサワサーしているようだった。午前中は顔を出していたのに、午後になって県民集会が始まると、1人だけ黒覆面で顔を隠していた。ウミンチュの皆さんが、「海保太郎はどこだ」と探していたのだが、よほど県民に顔向けができなかったらしい。 

 21日付の琉球新報電子版に、海底ボーリング調査の期間が3ヶ月ほど延びるという記事が載っている。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-240648-storytopic-3.html

 選挙や台風の影響はもちろんある。同時にこれはキャンプ・シュワブのゲート前と海で取り組まれてきた運動がもたらした結果でもある。さらに、辺野古の現場だけでなく、全国各地で取り組まれている支援の活動が、政府・防衛省の思うとおりに作業を進ませない力となっている。

 即座に止めることはできなくても、作業を遅滞させることで状況の変化を生み出すこと。今の日本の政治状況を見れば、それさえ簡単なことではない。日本政府、防衛省は本来なら昨年11月の沖縄県知事選挙の前に海底ボーリング調査を終えたかったはずだ。しかし、彼らの思惑通りにはさせなかった。粛々とことは進んでいないのだ。

 21日の県民集会には翁長知事の代理で安慶田副知事が参加し、以下の発言をしている。

http://www.qab.co.jp/news/2015032164275.html

 翁長知事がひるまない姿勢で有言実行すれば、県民は圧倒的に支持する。安倍首相や菅官房長官の「粛々と進める」という言葉に、はらわたが煮えくり返っている県民は多い。特に自分が沖縄基地負担軽減担当大臣であることを忘れたかのような菅官房長官音の傲慢な態度は許せるものではない。沖縄県内で基地を「移設}=たらい回しにして、何が負担軽減か。

 


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