海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

キャンプ・シュワブにおける枯葉剤使用の実態解明を求める申し入れ

2011-09-29 00:13:53 | 米軍・自衛隊・基地問題



 新基地建設問題を考える辺野古有志の会とティダの会が、9月28日に沖縄防衛局名護事務所に提出した枯れ葉剤についての申し入れ文を以下に紹介したい。

          キャンプ・シュワブにおける枯れ葉剤使用の実態解明を求める申し入れ

 1970年12月から翌年11月までキャンプ・シュワブに配置された元米海兵隊員が、同基地内で誤って枯れ葉剤に触れ、その後、前立腺癌などを患っていることがジャーナリストの調査で明らかになった、と県内紙で報道されました。
 この元米海兵隊員は2011年7月8日付のメールで、「私たちは、雑草を刈り取るのを手伝うための、作業班として送られました。除草剤を散布する背負い型の機材を使用している人たちがいて、私たちの内、数人は、誤って除草剤を浴びてしまいました」と証言しています。
 さらに、「兵站用のバラック(兵舎)の中には…(中略)…ドラム缶は、約50缶、あるいはおそらくそれ以上あって、それを隠すために大きな防水シートで覆われていて、その地帯は、兵員は立ち入り禁止になっていた」とも証言しています。
 作業時の様子を撮った写真から、元海兵隊員が枯れ葉剤に触れたのは、辺野古弾薬庫付近の北側ビーチであることが推定されます。当時、キャンプ・シュワブで枯れ葉剤がどのように使用され、ドラム缶50缶以上とされる枯れ葉剤はその後どう処理されたのか。キャンプ・シュワブ及びその周辺の自然環境、住民生活に枯れ葉剤がどのような影響を及ぼしたのか。その実態は不明であり、私たちは大きな不安を抱かずにいられません。
 ベトナム戦争で米軍が使用した枯れ葉剤には、猛毒のダイオキシンが含まれ、枯れ葉剤を浴びたベトナムの人々に死傷者が出たばかりか、帰還した米兵も含めて、その後も健康被害をもたらしています。また、心身に障がいを持った子どもが生まれるなど、その被害は次世代にまで及んでいます。
 ダイオキシンは水に溶けにくく、化学的分解作用も受けにくい毒物であり、そのために長く地表や地中に残留することが指摘されています。キャンプ・シュワブをはじめ県内各地の米軍基地で枯れ葉剤が使用され、埋められた、という元米兵たちの証言は、過去の問題として片付けられません。
 私たち新基地建設問題を考える辺野古有志の会・ティダの会は、自らが生活する地域の問題として、この問題を深刻にとらえています。キャンプ・シュワブと隣り合って生活することを強いられている私たちにとって、自らの生命と健康に関わる問題です。子や孫のことを考えても、この問題を放置することは許されません。
 日本政府及び沖縄防衛局は、キャンプ・シュワブ内外の環境調査を速やかに行い、枯れ葉剤使用の実態について真相を究明した上で、すべての情報を市民に公開してください。 以上、申し入れます。

 

  枯れ葉剤に触れた元米兵が作業をしていたときの写真。右側にある三つのドラム缶の真ん中、赤い帯のドラム缶に枯れ葉剤が入っていたという。背景の森や海岸の様子から、辺野古弾薬庫北側の砂浜付近と推定される。場所については名護防衛事務所の職員も同じ認識を持っていた。

 県道329号線から撮った現在の様子。背景の森の金網は同じ位置にある。場所を特定できるのだから、日本政府・沖縄防衛局は土壌や海水などを採取して環境調査を行うべきだ。きちんとした調査と情報公開、科学的検証に基づく説明がなされない限り、住民の不安は払拭されない。

 


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