海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

スパッド台船の撤去作業が始まる。

2016-05-09 23:53:49 | 米軍・自衛隊・基地問題

 9日(月)はカヌー11艇で松田ぬ浜を出発した。前日は初心者練習と一緒にカヌーを漕ぎに行ったのだが、濃霧で練習することができなかった。狭い沖縄島でも西海岸と東海岸で気象が違うのに驚ろかされた。この日は陽が差して波も穏やかで天気に恵まれた。

 松田ぬ浜を出て間もなく、キャンプ・シュワーブ内でクレーン車のブームが上がっているのが見えた。フロートはまだ吊り下げていなかったが、お昼頃に戻ってきた時には2本に増えていたので、フロートやオイルフェンスの移動作業をしていたと思われる。

 いつものように映画館で作業をしていたので、肉声が届く距離まで近づいて抗議を行った。その後、長崎の岩場横を通って長島の近くまで移動した。

 長崎と長島の間の三重フロートはまだ手が付けられていない。台風や高波の際には、航路付近のオイルフェンスに続いて早々と撤去する場所なのだが、ぎりぎりまで撤去しないつもりだろうか。船のマイクをカヌーメンバーが交替で手にし、フロートや台船を早急に撤去し、臨時制限水域を撤廃するように抗議の声を上げた。

 同時に監視行動も行ったのだが、この日は午前中、スパッド台船に作業員が上り、グリーンネットを降ろす作業をしていた。スパッド台船の移動作業を始めていて、その様子を見ながら長島近くの海域で抗議やカヌー練習をつづけた。

 カヌーや抗議船が近づいたから撤去作業ができなかった。そのような口実をつけて撤去作業を引き延ばそうというのが沖縄防衛局のやり方だ。元より、カヌーチームは早急にフロート類の撤去を求めているのであり、妨害する理由はない。撤去作業が行われている間は、一定の距離を保って行動することにしている。

 この日は長島の間を抜けて大浦湾に出ると、作業現場とは反対方向の航路標識の方へカヌーを漕ぎ、平島に移動した。晴れた日の平島の眺めは素晴らしい。白い砂と青い海の景色を眺められるだけでもカヌーチームは恵まれている。工事が中断している今は、練習に適した時期なので、ぜひカヌーチームに参加するため初心者練習に挑戦してほしい。

 午前中で海上行動を終え、カヌーの片付けや昼食後に第3ゲートから大浦湾を見ると、スパッド台船を解体して青いクレーン付き台船に積み込んでいるところだった。国と沖縄県の和解が成立して2か月も経って、やっと台船の移動作業が始まった。

 問題はスパッド台船を積んでクレーン付き台船がどこに移動するかだ。昨年は5月に台風が来襲し、クレーン付き台船は羽地内海に避難していた。撤去というからには沖縄島の他の場所ではなく、県外に出るべきだ。各台船が本来の所在地に戻ってはじめて撤去と言える。

 辺野古新基地建設工事の一時中断ではなく、工事の断念を実現するためにカヌーチームの活動は続けられる。


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