海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

資料:5・28緊急市民集会での名護市長あいさつ

2010-05-29 14:35:32 | 米軍・自衛隊・基地問題
 5月28日に名護市で行われた「辺野古合意」を認めない緊急市民集会での稲嶺進名護市長のあいさつを以下に載せる。会場からの反応は(  )内で示し、聞き取れなかった部分は(一部不明)とした。

 皆さん、こんにちは。時間から言うと、こんばんは、かもしれませんが、いま十五夜の日を暮れさせてはいけないんです。明るいうちにですね、我々はみんなの気持ちを一つにし、それを確認するためにもですね、このティーダはいましばらく残しておかないといけない。
 今日、私たちは屈辱の日を迎えた。ほんとにそういう気持ち、思いであります.先ほど祐一議員からもありましたが、昨年の衆議院選挙以来、約8ヶ月間、私たち県民は期待と希望を持って8月、9月前半を過ごしてきました。しかし、そのあと外務大臣や、官房長官や、防衛大臣は、県民の民意はまったくないがしろにするような発言が相次ぎました。そのことで私たちは不安の毎日を過ごすはめになりました。その不安を私たちはかすかな望みでもって、自分自身に言い聞かせながら耐えて、そして、明るい方向、答えを待ち望んでおりましたけれども、去る5月4日の鳩山総理の来県時の発言でもって、これまでの不安が、それこそ失望に打ち変わりました。
 いったい、何だったのかと。県民一人ひとりが、そのことを実感を、あるいはそのことを思い、そして、今日は新たに「合意」発表という日を迎え、私たちの思い、心はもう、怒り頂点であります(そうだ、そうだの声)。いま、爆発の状況にあります(そう、その通りの声)。ほんとに沖縄はまたしても切り捨てられた。そんな思いがする今日の日であります。
 しかし、この共同発表、先ほどから申し上げていますように、まったく地元への説明もなく、市民・県民の民意を無視、ないがしろにし、それこそ地元の頭越しにこのようなことが行われていく。まったく許されるものではない(そうだ、そうだの声)。これは地方自治に対する侵害である。そして、暴挙であります(そうだ、許しちゃいかんぞ、の声)。基地を押し付けるなど(一部不明)もってのほかです。
 この共同発表への、私たちの思いは、地元を無視しただけでなく、三党連立政権、その三党の合意もなく、こんな大切なことを閣議決定もせず、まったく民主主義を否定する形で物事が進められる。民主主義を否定する蛮行そのものであります(そうだ、許しちゃいかん、の声)。まったく許されざる行為であります。この国に民主主義はあるんですか、皆さん(ない、ない、の声多数)。
 私、稲嶺進は、この普天間移設問題に終止符を打つ、決着をつける、そういう約束をして選挙に臨み、それを皆さんの支持によって当選を勝ち取ったのです(そうだ、そうだ、民主党も支持したんだよの声)。それは13年前の市民投票と答えを一つにするものであり、そのことは市民の民意を改めて示した答えであります。それは名護市民が自ら導き出した答えなんです。
 そして、これまで頑張ってきた辺野古のおじー、おばーたちに、これ以上もうあんな思いをさせたくない。早く解放させてあげたい。このことが私たちの、みんなの思いではなかったですか、皆さん(そうだの声)。
 このようにして、終止符を打ちたいと言ったにもかかわらず、まだ基地問題に翻弄される。あるいは、市民の心を二分にする、こんな状況が続くならば、私たちは未来に向かって新しい名護市を、豊かな名護市の街作りをするということは、とうてい望めません。早くこのことから脱却し、私たちが思う願いを一つにする街作りに、早く手を着けなければなりません。今日もこんなにたくさんの、メディアの皆さんがいらっしゃいますけども、こんな基地の街で、こんな不名誉なことで日本一にはなりたくありません。
 我々がたたかっているいま、このたたかい、これに勝利することが、真の地方自治、地方主権、そして、日本に民主主義を取り戻すたたかいだということを、私たちはこの場からたたかいを始めましょう(拍手、指笛)。辺野古の地に新しい基地はいらない。名護市辺野古移設は、断固反対しよう(反対しようの声)。辺野古合意撤回まで、頑張ろう!(頑張ろう、の声、拍手、指笛)。
 その思いを今日また、お集まりの皆さんで確認することと、その思いを名護市みんなに広げ、それに沖縄県全域にその思いを広げ、日本政府に対して、叩きつけていきましょう(拍手、指笛、市長頑張ろうの声)。そのことをみんなで今日、確認したいと思います。
 ほんとに、雨の中ご苦労さんです(頑張ろう、の声)。皆さんが健康でないと、このたたかいは続けられません。皆さん、健康に気をつけられて、最後までたたかう姿勢と意思を示していきましょう。今日はほんとにご苦労さんです。みんなでともに頑張りましょう(はい、頑張ろう、よし、たたかうぞ、などの声、大きな拍手、指笛)。

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