海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

フロート再設置への抗議行動

2015-05-22 19:36:32 | 米軍・自衛隊・基地問題

 22日は午前7時過ぎに16艇のカヌーで松田ぬ浜を出発した。いつものようにキャンプ・シュワブの東岸沿いに北上し、辺野古崎まで来ると海保のゴムボートから保安官数名が泳いでやってきた。フロートの内側には折りたたまれたオイルフェンスが一定の間隔をおいて結びつけられている。前日の午後に作業が行われたようで、フロートを二重にする際に間を空けるためのものだ。その方がカヌーで越えにくいとの考えである。

 辺野古崎と長島の間に張られたフロートを二重にする作業が行われることを警戒し、フロートの近くで待機した。

 午前8時50分頃、作業船が辺野古崎方向に向かい、浜に上げてあったフロートの引き出し作業を行おうとした。現場に駆けつけたカヌーメンバーがフロートにすがりつくなどして抗議したため、作業船は途中で引き出し作業を止めて引きあげていった。

 この日は海上保安庁が作業船と打ち合わせをしながら作業を進めていた。作業船のそばに海保のゴムボートを寄せて話し合いを持ち、保安官が泳ぎながら作業船を誘導しただけではない。海保の保安官が作業船に乗り込んで作業の手助けを行っていた。現場の「安全確保」どころか、海底ボーリング調査に向けた作業の補助をしているのが、大浦湾での海保の実態である。

 前日は海保の暴力的弾圧がひどく、意図的にカヌーを転覆させ、海水を飲ませるなどの悪質な嫌がらせを行っている。

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=116485

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=116487

 沖縄県民がどうしていま辺野古新基地建設に反対しているかを、海保の保安官たちは少しは考えてみるがいい。沖縄戦から70年の節目の年に、自分たちが新たな基地の建設工事に手を貸し、海の破壊の前面に立っている。そういう自らの行為が浮き彫りになるのが嫌だから、海上抗議行動の担い手たちを痛めつけ、海に出られないようにしようという魂胆か。

 時折小雨がぱらつき天候が悪かったことや、午後は抗議船によるサポートが難しいということで、残念ながら抗議行動は午前中で切り上げねばならなかった。

 午後2時過ぎに辺野古弾薬庫近くのゲートから大浦湾を眺めると、作業船がフロートを引っ張って移動していた。午前中できなかった作業を進めたのだろう。フロートの再設置はスパッド台船を運び込むための準備作業だ。週末の動きが気になるが、できるかぎりのことをやるしかない。

 人間が対立しているそばでは、アジサシが自然の営みを行っている。海面近くを泳ぐ小魚めがけて急角度で突っ込み、見事にとらえていた。写真では分かりにくいが、くちばしに小魚をはさんでいる。いかにもスピードの出そうな体と羽で、飛び回る姿はもとより岩場で休んでいる姿も美しい。

 松田ぬ浜に咲くゆうなの花も梅雨の雨に濡れていた。今日は最高気温が24度で風もあり、濡れたあとの体感温度は20度以下だっただろう。寒さを訴える人もいたので、海上行動に参加する人はその日の天気を考えて、防暑、防寒対策に努めたい。

 


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