海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

自衛隊内の暴力を放置してはいけない

2012-04-22 17:51:39 | 米軍・自衛隊・基地問題

 4月21日に沖縄市で〈「命の雫」裁判を支援する会 沖縄〉の結成総会があったので参加してきた。
 2011年11月21日に自衛隊真駒内基地内で、沖縄県出身の自衛官・島袋英吉さん(享年20歳)が負傷し、意識不明の状態で病院に運ばれ、翌22日に死亡した。自衛隊は遺族に、徒手格闘訓練中の事故による死と説明したが、英吉さんは8箇所におよぶ脳挫傷、肋骨3本骨折、内臓破裂、歯の折損など、ただの事故とは考えられない状態であった。
 遺族は訓練に名を借りた集団暴行やいじめがあったとして、2010年8月3日に国家賠償請求訴訟を起こし、札幌地方裁判所で係争中である。21日は原告の島袋さん家族を支援するために、沖縄市産業交流センターに役員・弁護士・支援者など200人余が集まり、裁判の傍聴や署名活動などを取り組んでいくことが確認された。結成総会のあとには、各地で自衛官人権訴訟をになっている弁護士の皆さんの講演と発言があった。
 結成総会の前には、TBSの報道特集NEXTや北海道放送が制作した、同事件を扱った番組のビデオ上映もあった。この事件は知れば知るほど、たんなる訓練中の事故ではなく、リンチに等しい凄惨な暴力が加えられた結果の死であり、自衛隊が組織ぐるみでその事実を隠蔽しようとしているとしか思えない。札幌検察審査会も、徒手格闘訓練を行った上官3名の不起訴処分を不当とする判断を下している。
 裁判は多くの人が関心を持ち、社会的に注目をされることが大切です。ぜひ下記のサイトをご覧になってください。

http://inochinoshizuku.blog25.fc2.com/ 

 沖縄において自衛隊が強化・拡大されようとしている今、自衛隊の組織内ではびこる暴力は、私たちの生活ともかかわってきます。他の国家公務員と比較して、自殺率が2倍にのぼり、いじめや暴力による死亡、自殺が後を絶たない自衛隊の組織としての有り様を、放置してはいけません。

 


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