海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

市民の命を危険にさらして新基地建設強行を支える海上保安庁

2015-01-18 00:47:45 | 米軍・自衛隊・基地問題

 17日は3隻の船に曳航されてカヌーチームが松田ぬ浜を出発するとすぐに、待ちかまえていたように海上保安庁のゴムボートが集まって併走し始めた。浮き桟橋付近まで来たときには海保の船やゴムボートなど30隻ほどがまわりを囲んでいた。新基地建設を強行しようとする安倍政権の意思を示した形だろうが、海保の職員たちは目の前の海を埋め立てて破壊することに、何の痛みも感じないのだろうか。

 県知事選挙や衆議院選挙の結果にも目を閉ざし、上からの命令だから…と思考停止することで自我を守る。そうやって米軍基地を押しつけて自らも沖縄差別者となる。全国から集まった海上保安官たちは、いま沖縄で辺野古の海を埋め立てるために頑張っている、と肉親に語っているのだろうか。人命や災害の救助という本来の任務を行えば、いくらでも市民に感謝されるだろうに、辺野古の海で暴力的弾圧をくり返し、「海の破壊者」の汚名をかぶるわけだ。

https://www.youtube.com/watch?v=UcTCATeG_40&feature=youtu.be

 米軍のプライベートビーチに並べられているオイルフェンスの設置を警戒しながら海上で待機していたが、辺野古崎の方で動きがあるということで6艇のカヌーがそこに移動した。すぐに海上保安庁のゴムボートが後を追ってきて、カヌーや曳航する船につきまとう。その対応が示すとおり、辺野古崎付近の浜に置かれていた旧来のフロートの引き出し作業が始まっていた。

https://www.youtube.com/watch?v=6uzFl1OLT70&feature=youtu.be

 現場に着くと作業船が浜に並べられていたフロートを引き出し、舳先にクレーンのついた作業船が浮き桟橋近くに置かれたアンカーを運んで、フロートの設置作業を行っているところだった。曳航ロープを解いて、フロートを引っ張っている作業船に向かった。波が荒いうえに走り回る海保のゴムボートが立てる波も加わり、前後左右にカヌーが大きく揺れるなか、作業船に追いついてそばまで行ったカヌーは海保のゴムゴートにつかまれり沖まで運ばれた。

 言うまでもなくカヌーを漕いでいるときに写真は撮れない。パドルを置いて波に揺られているわずかな時間にしかカメラを持てないので、カヌーの行動はなかなか写真では伝えられないが、作業船に近づこうとするカヌーやゴムボートに対し、例によって海保の暴力的弾圧がくり返された。

 態勢を立て直して移動しようとしたカヌーチームを曳航する市民船に海保が乗り込んで航行を妨害する。曳航を解いてカヌーが自力で漕ぎ出すと、ゴムボートの上から身を乗り出して金属の棒で引っかけようとする。うまくすり抜けてつかまえることができなかったカヌーには、保安官が海に飛び込んでカヌーを転覆させ、ライフジャケットの首部分を後ろからつかんで海に引きずり込み、わざと海水を飲ませていた。そうやって苦しめれば怯えてカヌーに乗らなくなると考えているのだろう。

https://www.youtube.com/watch?v=s_4g5snNKjM&feature=youtu.be 

 ゴムボートに引き上げたあとも、マスメディアのカメラが向けられていないのをいいことに、カヌーメンバーのカメラを力尽くで奪い取ろうとし、止めようとしたメンバーに暴力をふるっていた。前日16日には、ゴムボートに引き上げられたカヌーメンバーが、海保に押さえられてもみ合うなかで肋骨を骨折し、全治3週間の怪我を負っている。

 カヌーメンバーの多くがデジカメやスマホを持っているのは、記録を取るだけでなく自らの身を守るためでもある。自分たちは常時カヌーメンバーを撮影しているくせに、カヌーメンバーのカメラを奪い取ろうとするのは、撮られてはまずい実態があるからだ。「安全確保」という名の不当拘束のやり方のひどさを知られたくないのだ。しかし、どんなに隠そうとしても海保の暴力の実態は必ず広く知られる。

 瀬嵩の浜で昼食をとったあと、カヌーを漕いで辺野古の浜に戻ろうとしたのだが、辺野古崎と長島の間をフロートでふさいだうえ、海上保安庁は長島の間もゴムボートでふさいで通そうとせず、長島と平島の北側の危険なコースを遠回りして辺野古に戻れと指示した。カヌーメンバーを拘束するときには「安全確保」を理由に挙げるくせに、平気で危険な嫌がらせをやる。海保の言う「安全確保」が弾圧の方便でしかないことがよく分かる。

https://www.youtube.com/watch?v=X8Bqr4WyaQA

 長島の間を抜けようとしたカヌーチームに対し、海上保安庁は恐るべき対応を行った。現場は長島の断崖や岩場の近くで、波も荒い。ふだん練習のときも気を使う場所だが、海保は近づいたカヌーの不当拘束をはじめ、意図的にカヌーを転覆させ始めた。動画にはひっくり返ったカヌーが映っている。さらに海に投げ出されて海保のゴムボートにすがりついているメンバーを引きずって進行させることまでした。

 もし流されて岩場に叩きつけられたら、大けがをするどころではすまない。命に関わる問題だ。何が「安全確保」か。海保がやっていることは殺人未遂ではないか。海保の狙いは危険な場所でわざとカヌーを転覆させ、肉体的苦痛と恐怖心を与えて、カヌーチームを萎縮させ、行動を制限し、メンバーを減らそうというのだろう。それにしてもやり方が悪質すぎる。また、カヌーチームがこういう暴力や脅し、嫌がらせに屈することはない。

 さらに海保は、自分からゴムボートに移らなかったということで、女性メンバーの1人をゴムボートで引きずり回し、抗議しても止めようとしなかった。止まっていても体が冷える冬の海で、ゴムボートを走らせて風にさらし、波に揺らせて転覆の恐怖を与える。これも実に悪質な脅しである。「安全確保」をいうなら、そばにいる市民の船に乗せればいいだけのことだ。

 引きずり回しているゴムボートの様子を撮っている海保のカメラマンは、抗議する船にずっと薄笑いを浮かべていた。海上作業再開に反対する市民への海上保安庁のあからさまな暴力と嫌がらせを許してはいけない。安倍政権の意を呈したそれは沖縄県民への挑戦であり、選挙で示された民意を踏みにじって進められている新基地建設強行を支えるものです。抗議と怒りの声を上げましょう。

 

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