海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

次の段階に飛躍するために

2014-09-01 21:45:28 | 米軍・自衛隊・基地問題

 9月に入り、名護市では市議会議員選挙の真っ最中である。稲嶺進市長を支える与党が多数を維持できるかが焦点だが、日本政府、仲井真弘多知事、自民党中央と県連が、与党切り崩しのために奔走しているのは言うまでもない。辺野古新基地建設問題を争点からはずし、政府・県政と一体となって経済振興を、というのは、これまでもくり返されてきた手法だ。使い古された「アメとムチ」の手法にNO!を突きつけましょう。

 9月7日の投票日に向け、市内では宣伝カーが走り回っている。候補者名を連呼するスピーカー音は、時折浜まで聞こえてくる。1日のカヌー隊は、午前9時前に辺野古の浜を出発して、辺野古崎南側のスパッド台船に向かった。この日は海底ボーリング作業に抗議しながら、海上保安庁の動きを観察した。

 スパッド台船は二重のフロートに守られているが、先週8月30日の大行動の際には、フロート内に海保のボートが2隻入っていた。1日はそれが4隻に増えていた。30日に8隻のカヌーがフロートを越えてスパッド台船に向かったことに、海保も一定の危機感を抱いたのだろう、警戒が強まっている。

 刑事特別法をちらつかせて脅せば、フロートを越えることはない。沖縄防衛局や海保はそう考えていたかもしれない。しかし、カヌー隊やプカプカ隊に参加したい、フロートを越えてスパッド台船に登りたい、という希望者は毎日やって来る。辺野古の海を守りたい、これ以上の基地強化は許さない、という強い思いに脅しは通用しない。

 キャンプ・シュワブ内の浜に3隻のカヌーが並べられているので何かと思ったら、沖縄防衛局の旗が立っていた。カヌー隊が使っているのと同じ3種類をそろえている。これまで何度か確保された際に、カヌーを巡視船に運んでいたのだが、同じものを購入するためだったらしい。海保の保安官たちがこのカヌーを使って確保の練習をしていたが、素人相手にそこまでやるか。税金の無駄づかいはやめてほしいものだ。

 午前中、普天間爆音訴訟団の皆さんがやってきて、プカプカ隊に参加するため、カヌーから海に降り再び乗る練習を行った。高齢のAさんが初めてなのに軽々とカヌーに上がったのには驚いた。昼食後も続ける予定だったが、雷雲が空を覆って稲光と雷鳴が起こり、午後の海上行動は安全のため中止となった。

 

 カヌーの片づけを終えてから、久しぶりにゲート前の抗議行動に参加した。1日は月曜日で「沖縄建白書を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」が出したバス3台に180人が乗ってゲート前にやってきたとのこと。最後のデモしか参加できなかったが、ヘリ基地反対協代表委員の安次富浩さんのあいさつのあと、「沖縄を返せ」の合唱が起こった。

 大浦湾の深い場所で大型スパッド台船による海底ボーリング調査が迫っている。調査自体がサンゴを破壊する台船設置を許さないために、体を張ってさらに強い取り組みを進めようという意気込みが示された。陸でも海でも次の段階に飛躍するために、多くの県民が辺野古にやってきて、沖縄の自己決定権を自らの手で勝ち取ってほしい。

 


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