海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

高江のフェンス設置作業

2010-02-25 23:40:10 | 米軍・自衛隊・基地問題
 沖縄は今週は晴れの日が続き、早春の季節を迎えている。やんばるの森は新緑が美しい。





 この森を破壊して米軍のヘリパッド建設が行われようとしている。今日も朝8時から沖縄防衛局は警備員を雇って抗議する住民を排除し、フェンスの設置作業を行っている。







 25日は午後の遅くからしか高江に行けなくて、何の役にも立てなかった。26日は週末で工事も大詰めを迎える。総括集会では、早朝からの工事が予想されるので多くの人が少しでも早い時間に高江に来てほしい、という呼びかけがあった。



 こういう森の緑を眺めていると、コーマック・マッカーシー『ザ・ロード』の最後の一節を思い出す。

〈かつて山の渓流には川鱒が棲んでいた。琥珀色の流れの中で縁の白いひれを柔らかく波打たせている姿を見ることができた。手でつかむと苔の匂いがした。艶やかで筋肉質でぴちぴち身をひねった。背中には複雑な模様があったがそれは生成しつつある世界の地図だった。地図であり迷路であった。二度ともとには戻せないものの。ふたたび同じようには作れないものの。川鱒が棲んでいた深い谷間ではすべてのものが人間より古い存在でありそれらは神秘の歌を静かに口ずさんでいたのだった〉(コーマック・マッカーシー/黒原敏行訳『ザ・ロード』早川書房 261ページ)

 沖縄の山には川鱒は棲んでいないが、この森にも〈二度ともとには戻せないもの〉〈ふたたび同じようには作れないもの〉が満ちている。それを米軍の訓練の場とするために破壊させてはならない。


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2 コメント

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沖縄と在日 (tajitaji)
2010-02-27 10:39:20
 いつも力強い日記を有難うございます。


 昨日の日記で触れられていた「死ぬ気で・・・」という首相官邸高官のせりふもさることながら、朝鮮高校を無償化から除外するという件も、「この国」は幾度同じことを繰り返すのかという思いです。


 「腐れヤマトゥが!」と、毎日、連れ合いと連呼しておりますが。


 沖縄人も在日朝鮮人も、先住民アイヌも、ずっと「捨て石」にされてきていますね。


 この問題は「マイノリティ」を生み出す「マジョリティ」としての「日本人」の問題でもあります。


 
 「日本国籍」を持つ「国民」の一人である以上、あくまで抵抗と闘争を続けるよりないと思っております。
この森を破壊してはいけません。 (関口 修)
2010-02-28 07:41:37
この森を絶対破壊しては なりません。民主党政権は 何をしているのでしょうか?
私も愛知県とトヨタ自動車の660Haにわたる 広葉樹の森の破壊を阻止するために がんばっています。(トヨタテストコース問題)何か できることがあれば言ってください。

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