海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

米軍基地の全面撤去以外にない。

2016-05-19 23:34:18 | 米軍・自衛隊・基地問題

 講演のため横浜に来ているのだが、沖縄を発つ前から気になっていたうるま市の女性行方不明事件は、最悪の結果となってしまった。容疑者の元海兵隊員の米軍属は、嘉手納基地に勤めているという。米軍基地がなければ、このような犯罪は最初から起りはしない。基地あるが故の犯罪がいつまでくり返されるのか。

 今年3月にもキャンプ・シュワーブ所属の海軍兵によるレイプ事件が起こっている。辺野古新基地建設が中断したと思ったら、米軍関係者による凶悪事件が連続して起こっている。沖縄戦から71年が経っても、沖縄に米軍基地が集中し、米軍犯罪の被害者が生み出され続けている。

 辺野古新基地建設、高江ヘリパッド建設への阻止だけではない。沖縄の全米軍基地の撤去をめざして沖縄県民は全力を尽くす時だ。怒りを行動として示さなければ、日本政府は事件をもみ消して、見せかけの謝罪で終わらせようとする。それではいつまでも米軍犯罪から抜けだせない。

 大手メディアの報道を見ていると、オバマ大統領の訪日への影響を強調し、この事件の影響が拡大するのを食い止めようという動きが早くからみられる。事件の凶悪さだけではない。なぜこのような米軍犯罪が沖縄で連続するのか。沖縄に米軍基地を押しつけて成り立っている日本の安全保障体制を根本から問わずに、メディアは何の役割を果たすのか。


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