通っている整形へ行くと、
その人はこちらを向いて座っていました。
気づかぬ間に死角を探し、
背を向けて座りました。
その人は既に終えたようで、
タクシーを待っているようでしたが、
私の順番が来て名前を呼ばれたら万事休す。
狭い空間でスリリングな時間を過ごしました。
その数日後、
今度はスーパーで会いました。
この時も相手は気づかずにいましたが、
ワゴンを挟んでの向かい合わせ、
嫌でも気づくだろうと、
こちらから声をかけました。
その人は、懐かしそうで嬉しそうで、
足を折って整形へ通っている等近況を話し、
「遊びにおいで」と言いました。
私は、白々しく同じ整形へ行っていることを話し、
後はお愛想と社交辞令で別れました。
そして今日、
整形へ行くと看護士さんが、
「○○さんが来て、asagao007さんに会ったと、とても喜んでいました」
と言われました。
関わっていた頃は常に重い存在でしたから、
知らぬ存ぜぬを通したい気持ちですが、
「電話するね」と言った手前、
困りました、悩んでしまいます。