反日署名活動中

 現在日本の常任理事国入りに反対するネットによる署名活動が、全世界の中国人を対象に行われています。当初の100万人を突破し、400万人を超えているそうです。フランスのシラク大統領の発言内容がかなり効いたのか、昨日辺りからニュースサイトのトップは日本関連のニュースが増えています。

 とりあえず、新浪網の署名サイトを見てみると、重複が多いですねえ。毛沢東や劉少奇、江沢民、や小泉純一郎など日中の現役指導者の名前も見られたりして。ええ、何人分集まろうが重みがないんですよね。そういったソフトを使えば自動で署名できるでしょうし、日本でもどこかで田代まさしを「Time」誌の表紙にしようとしてましたけど。これだから署名は直筆でないと意味が無いわけです。

 そんな実情を全く無視して、もしくはせっかくのいい機会を台無しにされて怒りながらなのかは本人に聞かないと分かりませんが、外交部報道官の劉建超が今となっては恥ずかしい声明を発表してました。

 
ネットユーザーの署名は日本が歴史を正視する事を要求
http://news.sina.com.cn/c/2005-03-24/23305455750s.shtml

 発言の時期は前後するので、あるいは真剣に言っていたんでしょうが、日を追うごとに連れてその署名の内容がお粗末なものだと発覚してきています。日本国の首相が国連で常任理事国入りを希望する発言をしながら、ネットでは一転して反日活動に興じているとは知りませんでした。我が国の総理は二重人格だったのです。今頃自民党は小泉更迭で大慌てでしょう。

外交部は別の会見で「反日活動ではない」とも発言していましたが、ちびまるこちゃんやクレヨンしんちゃんなどが署名しておりなど明らかに娯楽である事を考えると、娯楽=反日活動(NYタイムズ)なので、やっぱり反日活動です。

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新浪網 データを国連、日本大使館に提出
http://news.sina.com.cn/c/2005-03-28/14466218564.shtml

 その署名データを国連と日本大使館にもって行こうとしてるそうです。こんなもん公の場に提出したら、末代まで笑われますよ。というかデータをそのまま提出したら、数人でやってるのがばれるじゃないですか。

 清華大学の日本問題専門家、劉江永教授も大真面目に署名の効果を説明しています。「データは民意を反映しており、国連加盟国の心理に作用し、間接的に決定に影響を与える」。あーあ、言っちゃった。民意って言うか民度。

 各地で署名活動も実際に行われていました。

 全国各地で日本の常任理事入りに反対する署名活動
http://news.sina.com.cn/c/2005-03-28/01216210291.shtml


 「全国」なのに、写真は一枚。広州と鄭州で1万人だそうですが、肝心の写真は深圳のもの。しかも深圳特集の使い回しでした。おかしいですねえ。インド人留学生が署名したとありますが、韓国が留学生に「竹島は我が国のもの」と書かせたアレと同じ発想ですかね。

 お待ちかねの深圳での活動を収めた写真ですが、たったの2枚…。1枚は上で紹介したものの原版ですから、目新しいのは2枚目の小さなスローガンを掲げているのだけですね。こいつももっと大きいのを作って、もっと怒り溢れる顔でもすればいいのに。1枚目は「日本の妄想を粉砕!」ですからいいとして、2枚目の「釣魚島の死守を誓う」なんて関係ないし。


 日本人留学生にもどう思うか聞いたみたいですね。何か刺激的な発言を期待していたんでしょうが、3人に聞いて3人とも関心が無いか知らないか。学生の時代は程度の差こそあれ、普通はそんなもんです。
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小泉批判するならブッシュ批判もするよな

刺激的なタイトルですが、扶桑社の教科書や台湾大行進はよそのblogで扱われているので、とりあえず靖国問題の打開策でも提起してみようかと思いました。私は人とネタがかぶるのを極端に嫌います。同じネタだと自分の見識の浅さがもろにバレますから。

「靖国神社にA級戦犯が合祀されている」これが中国と朝鮮が政治家、特に首相の靖国参拝を非難する理由となっています。首相、外相、幹事長以外はまあOK、A級戦犯の分祀でもOKという基準もあるらしいのですが、その条件を呑んだらまた何か言ってくるのは明白。所詮は因縁付けてるだけですから、うだうだ言わせないために何かないかとない知恵を絞ってみました。

おおそうだ、中共は朝鮮戦争をアメリカの中国侵略に対抗するものと位置づけていたはず。例の教科書閲覧サイトで確認してみました。今回参考にするのは高校生の教科書です。

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http://www.pep.com.cn/200406/ca501601.htm

抗美援朝祖国防衛 新中国成立後は、まもなく外部からの侵略という脅威に晒された。1950年夏、アメリカは迅速に朝鮮の内政に軍事介入し、また米軍を主力とした「国連軍」として朝鮮を侵略した。国連軍は38度線を越え、その戦火は中朝国境まで押し寄せた。同時に米軍第7艦隊を台湾海峡に出動させ、中国の内政に干渉した。朝鮮情勢と中国の安全が危機に晒された。

厳しい情勢の中、朝鮮民主主義人民共和国政府は中国政府に出兵を要請。抗美援朝、国家防衛のため、1950年10月、澎徳懐を司令官とした中国人民義勇軍が朝鮮に派遣され、朝鮮軍人民と肩を並べてアメリカに抵抗、反撃し、アメリカ軍を38度線付近まで押し戻した。

その後、中朝軍民とアメリカ侵略軍は一進一退を続けたが、中朝軍民の激しい抵抗を受け、1953年夏、アメリカは挑戦停戦協定に署名せざるを得ず、抗美援朝戦争はアメリカの失敗で幕を閉じ、中国人民義勇軍は凱旋した。


アメリカの国連を無視した行動も誉められませんが、「唇滅びて歯寒し」「アメリカのアジア侵略に対抗」なんて御託を並べながら、中国への侵略戦争として教えてるわけです。朝鮮の問題に介入した時点でお互い様なんですよね。

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アメリカの朝鮮戦争も日本の侵略戦争と同じと捉えてるわけですから、温家宝か呉邦国が誰が来るかまだ出し惜しみしてますが、どっちでもいいから愛知万博にノコノコやってきたときに「朝鮮戦争はアメリカの中国侵略と思うか」と聞けばいいんですよ。建前論からそうだとしか答えられませんから。言葉を濁せば国内で反発を食らいますし。

「そうだ」と言質を取ればこちらのもの。「次にブッシュ大統領がアーリントン墓地へ訪れたら絶対抗議するよな」とイヤミをかますのもよし、アメリカにチクってブッシュやライスから直接聞いてもらうのもよし。ダブルスタンダードを世界中に宣伝して、中国のいちゃもんがいかに不当なものかを知らしめることが出来ます。

問題にしないのであれば靖国参拝も問題なし。お墨付きをもらえます。だって中国を侵略したのは日本もアメリカも同じです。違うと言うのであれば、どう違うのか説明が聞きたいところですが、答えなんか出せないですよ。

どちらにせよ中国にとっては失点。歴史教育は叩かれかねないし、国是の反日も暴露されます。

町村さん、頼みます。4月に中国行きますよね。李肇星に尋問してみてください。


【余談】台湾の100万人デモをショーと呼ぶ中共、北京の30人デモは茶番ですか。

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追記(03/28/13:56):教科書の「歪曲」箇所を丁寧に反論している記事があったのですが、朝日元記者の暴露発言に気を奪われ、すっかり忘れていました。何度も紹介させていただいている、元祖うぷぷさんのblog【中国反日情報】で丁寧に翻訳されていますので、関心をお持ちの方はこちらで内容をご確認ください。こちらの仕事は実に丁寧です。中国からも監視対象になっているようですね。
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