素晴らしい経済格差報告

 4年の学費は農村35年の純収入に匹敵
http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-03/05/content_2654217.htm

数字は無味乾燥なものだが、しかし社会問題の真実を反映している。全国政協委員会第十期三回で委員たちは数字を通して、教育を「見た」。

西部地区の大学生一人の平均支出は1年で7000元で、これは農民9人の純収入に相当する。本科生一人の4年間の学費は最低で2,8万元、これは貧困県の農民35年分の収入に相当する。1999年の一般的な高校生の学費平均は2769元で前年に比べて10,3%、2000年も高騰を続け、15%から20%となっている。

青海師範大学の2004年在校生7586人中、貧困学生は3414人で全校の45%を占める。特別貧困学生は1138人で、全体の15%。

これについて、鮑義志委員(青海省都・西寧副市長)は「高校の学費を厳しく抑え、学費についての公聴会制度を設け、学費納入の公開化と透明化させ、納入における教育腐敗を食い止めなければならない。政府は高校の学費納入に対する監視を強化し、奨学金を西部の省や自治区の進学予定者に対して優遇政策を与えなければならない」と提議した。


青海は四川の北にある貧乏省(西部は全部貧乏)ですが、振り当てられたODAを公用車購入費用に充てた素晴らしい省。貧乏なりに汚職はあります。

もとい。貧困学生は月の生活費が150元以下、特別貧困生は90元以下の事を指します。こういった貧乏学生の比率は青海に限らず全体の4割前後なので驚くにあたりませんが(もう感覚が麻痺してます)、学費は農村から見るとこんなに高いんですね。学費もとてつもない速度で高騰してますし、これじゃ格差はいつまでたっても縮まりません。

NHK特集で貧村から大学に合格した学生が出たが、当座の学費である7万円が払えないので、病気持ちの親父が牛を売って金を工面、それでも足りないので村長が村民に重要性を説いてやっと通わせる事が出来た、といった内容を放送していましたが、このデータはそれを裏付けるものとなりました。そりゃ払えなくて当たり前ですよ。日本だと医学部位くらいの衝撃はあるかと。

2001年の高校進学率は52,9%で、都市における教育は基本的に普及しているが、高校に進学できない中学生の大多数は農村出身である。

つまり残りの47,1%の大半が農村出身者。中学卒業後に都市に出てきて、小姐として働きながらステップアップを図るのもいます。しかしそれはごく少数で、基本的に学が無いと中国ではまともな仕事に就けません。

データでは、清華大や北京大など有名大学の学生に占める農村出身者の割合が減少していますが、先に挙げられているように、年々学費が年収の超える増え方をしていますので、ここで委員が挙げている奨学金の強化は、実家は貧しいままなので根本的な解決になっていません。学内に経済格差が生まれるのは、親元の間に圧倒的な収入差があるからです。

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http://www.21ccs.jp/china_watching/KeyNumber_NAKAMURA/Key_number_05.html

これを見ると、青海のある西部は都市部と比べると差は歴然、学費で年収など一気に飛んでしまう事が分かります。これから西部大開発が上手くいけば当地の経済事情も多少は改善されそうですが、中国全体の発展が予想より早く失速しそうなので、本当にこういった改革が出来るのか疑問に思います。

今年の全人代でもGDP8%成長が確認されました。でも、今年もその流れに取り残されてる人は大勢いますよね。
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