12月31日の小ネタ

それではみなさん、よいお年を。

と、挨拶をした側から、来年に持ち越すには惜しい記事をいくつか。

 我々はみな"華流"の一人
http://www.hsm.com.cn/news/2005/1226/68/10690.shtml

今は亡き王毅が「華流」という単語を、大使館の在日芸術家招待パーティの席で披露。華は中華の華で、中華人民共和国の華で、中華民族の華で、中華文明の華ですと中華を連呼。捏造韓流に対抗したようだが、実際に中国で流行っているのは台湾や香港、マレーシアやシンガポールといった中国人には簡単に行けない土地発のもの。中華圏かも知れないが中国じゃない。政治体制がこのままなら、永遠に大陸発の「華流」は生まれないでしょう。女子十二楽坊なんて、もう流行ってないし。

 日本の中国のイメージを貶める行為に強烈な憤慨を表明
http://news.xinhuanet.com/world/2005-12/31/content_3992389.htm(新華網12月30日)

記者:日本外務省の報道官が、上海総領事館員の自殺事件について「背後にいた中国公安の関係者が、ウィーン条約」に違反した遺憾な行為だ」「日本は中国側に事件発生直後から事実関係の究明、また抗議を行っている」と発言したが、これについて。

秦剛:その件についてだが、これは自殺事件である。中日双方はこの件について既に結論を出している。1年半もたった現在、日本側が古い事件を持ち出して、自殺と中国政府の人間を関連付けているが、これは下心があってのことだ。我々は日本政府にこの様な中国のイメージを損なう行為に対し、強烈な憤慨を覚える。

この会見を受けての反論。誰がどう見ても逆ギレです。だから勝手に結論を出さないように。60年前のことをグダグダ言ってる国が、1年半前の事件でガタガタ言わない。元寇について謝罪と賠償をしてもらおうか。


追記(20:15):駐日中国大使館から非難声明出ました。

 2004年の駐上海日本総領事館員自殺事件について
http://www.china-embassy.or.jp/jpn/xwdt/t228889.htm

 2004年5月、駐上海日本総領事館で館員の自殺事件が起きた。事件後、中日双方は外交ルートを通じて、何度も意思疎通をはかった。日本側は、館員は職務の重圧のために自殺したと表明、遺族の意思に基づいて、中国側に事件を公表しないよう求めた。中国は人道主義の立場から、日本側と遺族に協力して適切な善後処置をとった。

 このような事実経過については、日本側もよくわかっている。中国は事件について真剣に調査し、この事件は中国政府関係者といかなる関係もないことを確認した。中国側はこうしたことを日本側に説明した。

 ところが最近、日本のメディアが突然この事件を盛んに取り上げ、日本政府は事実を顧みず、自殺事件の責任を中国側に押しつけようと企てた。これについて中国外交部報道官はこのほど、「これは自殺事件である。中日双方はこの事件の性格についてつとに結論を出している。1年半たったいま、日本側が古いことを改めて持ち出し、さらに館員の自殺を中国側関係者と結びつけているのは、完全に下心をもったものだ。われわれは、なんとかして中国のイメージを落とそうとする日本政府のこうした悪質な行為に強い憤りを表明する」と厳しく指摘した。

 中国は責任ある国だ。中国政府は一貫して「ウィーン外交関係条約」、「ウィーン領事関係条約」を順守し、日本を含め中国に駐在する各国外交官の合法的権益を守っている。

ウィーン条約といえば在外公館の保護。

 在日華人の10大ニュース
http://news.sina.com.cn/w/2005-12-29/10187849437s.shtml

1 中日政治関係の悪化で在日華人の生活を直撃、居心地が悪くなる。

中国人排斥デモとか起こってないし。民度の差ですよ。

2 人民元の切り上げで円安となり、生活に影響

そうか。日本と関係ないけどな。これも関係ないけど、この前何の予備知識も無いラーメン屋に入ったらコックから出前持ちまで全員中国人でした。レタスチャーハンが美味かった。あと神戸の中華街行ったら、やけに愛想の良い中国人留学生が呼び込みしてました。こんなのもいますので。

3 入管の不法滞在取締りや留学生の管理が厳しくなり、在日華人の増加傾向が止まる。2005年初めは62万4588人。

良いことなのに、日本のせいっぽく書くのはやめろ。

以下この調子で続きまして、「6 萩国際大学が民事再生法を申請、中国人留学生は日本少子化の犠牲となる」とか「8 4月1日から個人情報保護法がスタートし、中国人留学生がネット上で52万人の個人情報を盗んで身をもって示した。日本史上最大の情報漏れ」とか、知らねーよ的なのがランクイン。それでも日本のせいっぽい書き方はやめません。

極めつけは「9 福岡の一家惨殺事件で被告の留学生にそれぞれ死刑、無期懲役が下され、留学生犯罪の凶悪化、知能犯化が関心を呼ぶ」。これにいたっては、完全に他人事。もうね、アホかと。

 汪道涵同志の遺体が上海で火葬 江沢民、曾慶紅らが参列
http://news.xinhuanet.com/tai_gang_ao/2005-12/30/content_3990764.htm

江沢民の前の上海市長汪道涵が先ごろ死亡。依然として政治局でナンバー2の序列を確保してます。昨日のニュースにもよろよろした江沢民が出てましたね。あ、まだ江沢民の自伝読んでないや。日本語版も出たことだし。

 
2005年 日本のアジア外交失敗の年
http://gb.chinabroadcast.cn/8606/2005/12/26/401@835406.htm

"A級戦犯の罪"、"国会議員の集団靖国参拝"、"東京都が歴史歪曲の教科書採用"、"自衛軍建軍"、"日米安保声明"、"保釣、日本政府の魚釣島灯台接収に抗議"に"日韓竹島騒動"と、どうみても中国と韓国と関係する話題しかありません。本当にありがとうございました。

 温家宝、元旦の前日に九江地震災害地区の民衆を慰問
http://news.xinhuanet.com/photo/2005-12/31/content_3995050.htm

九江市第一人民医院が災害地域に医療所を設け、温家宝は民衆に医療状態をたずねた。「寒いし、テント生活は病気になりやすい。医療服務工作をしっかり行い、流行病の発生を食い止めよ」

温家宝「何か困った事はありませんか」
何金桂「政府が米や油を送ってくれたし、水道も通してくれました。特に問題はありません」
温家宝「あなた方の健康や生活の安定を見て、私は安心しました」

視察ポイントカードがたまりますね。
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私的2005中国10大ニュース

今年はまだ終わってませんのでちょっと気が早いのですが、10大ニュースを搾り出してみました。新華社や共同のよりは偏ってないと思います。また、勝手に賞を設けてみました。

第一位 乱開発による農民に対する徴用が多発。農民暴動に発展したり逆に武装警察が農民を襲うなど、救いようの無い事件が明るみに
(短評:上海や広東に続けとばかり、地方でも各地で工場や電力所の建設が流行。当局の有無を言わさない土地徴用と、本来支払われるべき補償金までガメるその姿勢を評価しました。また環境破壊を続けながら知らん顔の企業と、企業が落とす莫大な税収で黙ってしまう当局、当局がアテにならないので団結する農民という構図が泣けます)

第二位 民主的手段による汚職村長の弾劾が当局の介入で潰される
(短評:言うまでも無く、9月に広東省の片田舎で発生した一連の民主化弾圧。人民日報が一瞬だけこの行動を評価したように見えたのは、きっと目の錯覚でしょう)

第三位 長年の援助が身を結び、UAは日本などG4の共同提出案に賛成せず
(短評:来年は単独で頑張りますのでよろしく)

第四位 中国が関係悪化の原因を全て日本に押し付け、「責任」の定義が変わる
(短評:中国の幼稚園で自分のやった事を認めず、他人のせいにする遊びが大流行。全員が行ったため空気が悪くなりました)

第五位 武装警察の発砲、炭鉱事故の頻発など、中国人の値段が依然として安値を維持していると確認される
(短評:車でひき殺したら6万元だっけ?航空券の裏にもそんな一文があったような)

第六位 江沢民が党内第二位の序列確保、軍部の基地外を抑えられないなど、胡錦濤政権が磐石でないと露呈
(短評:基地外朱成虎をようやく昇進停止処分にできたものの、昇進の安売りは続きそうです)

第七位 小泉が靖国神社に参拝するも、デモ参加者はプロ市民のみで傷ついていない事を世界に示す
(短評:当日、北京大使館前では保釣聯合会の皆様十数名がデモりました)

第八位 日本公館破壊も謝罪なし。逆ギレ後渋々原状回復を申し出るが、"現状破壊"の定義でも揉める
(短評:円明園みたいに、謝っても永遠に晒しておくと良いと思います)

第九位 日本の"妥協案"である中間線を律儀に守り、ガス田開発を進める
(短評:なぜだ)

第十位 日本の軍国主義回帰を心配する記事を書き続けるなど、日中間に60年ほど時差がある事が発覚
(短評:何度か行き来していた際には時計を戻すよう言われなかったのですが、、みなさんはそんな経験ありますか。)

参考消息 軍国主義の未清算が日中関係を困難にしているという専門家。やはり時差があるようで: 
 http://news.sohu.com/20051228/n241164444.shtml

次点:呉儀が小泉との会談から逃亡、大国の風采を見せ付けたと勘違い。ドタキャンを意味する造語「呉儀る」は全く定着せず
(短評:温家宝にかなり似てます。視察好きな所とか、変なつくり笑顔とか)

次点:連戦訪中、キモい踊りを見せられて感極まる
(短評:たっぷり仕込まれたガキに「おじいさん、帰ってこられたのですね」と言われて思わず落涙。あんなのを許容できるあんたはやはり"中華民族"です)

【最優秀政治局常務委員賞】 温家宝(国務院総理) 視察回数で胡錦濤の3倍に当たる18回をマークし、香港紙に嘘泣きと書かれながらも親民宰相をこれでもかとアピール。小泉との格の違いは埋められないが、中共党員の中なら党中央主席に一番近い男かも

参考消息1 政治局常務委員の訪問回数。温家宝が飛びぬけてます:
 http://news.xinhuanet.com/politics/2005-12/19/content_3939864.htm
参考消息2 蝶ネクタイと北京で会見。「香港の民主発展は中央の一貫した立場」だってさ。蝶ネクタイは中央の許可がないと当選も無効なのに、民主?心なしか胡錦濤より扱いも写真も大きいような:
 http://news.sina.com.cn/c/2005-12-28/11367840535s.shtml
参考消息3 その胡錦濤は2枚とも同じ顔にしか見えず、キモい。温家宝も笑顔は一種類しかありませんが、それにしてもキモい:
 http://news.xinhuanet.com/tai_gang_ao/2005-12/28/content_3979552.htm

【優秀下っ端賞】 孔泉(外交部報道司司長) 他人をいらいらさせ、生理的に受け付けないキャラを演じ切るなど、確実に成長を見せた。当ブログの管理者などファンも急増

【最優秀報道賞】 新京報(北京の地方紙) 定州虐殺をいち早く報道、松花江汚染でも暗躍し当局に目をつけられ、同じ光明日報傘下である南方都市報系列の威力を見せ付ける。当初ネックとされていた1元という価格も、営業努力と記事で上昇気流。来年も期待される

参考消息 公式サイト。紙面もpdfで見られますが、やはり実際に紙面を手にとって読みたいです。広告多すぎで読むところは少ないんですが、北京青年報みたいにカラー写真の使いすぎはないので、目がチカチカしません(私見):
 http://news.thebeijingnews.com/

【特別賞】 武装警察 農民に掃射するなど、弱いものにはとことん強い点を評価された。定州で農民を襲った武装集団を運んだバスが、WJナンバーとの説も(嘘)

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反国家分裂法がランクインしませんでしたが、こういうのはその日によってコロコロ変わるらしいので気にしないで下さい。どうせ一人でやってますし。皆さんもお好きな人物、団体などに賞をあげてみてください。
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1つの報道を鵜呑みにしてはいけません

このブログの「日本に入ってこない中国のニュース記事を、勝手に訳して適当なコメントをつけてネットで晒す」という趣旨から大きく外れ、本来はやるべきではないのですが、大本営発表しか読まない人間はどうなるかを理解できるかもしれない貴重な機会ですし、今回も五十嵐くんのブログからネタを拝借します。

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昨日の"我喜歓中国歴史"ブログのエントリーは、"明仁天皇はこの様に歴史を「正確に理解」している?"という、新華網の見出しそのままのタイトル。12月23日に72歳の誕生日を迎えられた陛下が、前日の取材でされたご発言を、切り貼りしたナイスな記事を訳しています。陛下のご発言とされる部分(""でくくってある箇所)を少し訳しましょう。

日本が投降する1945年までの20年間、ほとんど平和な時期がなかった。私は日本国民が正確にあの時代の歴史を理解する事を信じている。

意訳しましたが大きくはいじっていません。少なくとも新華網のような書き換えはしていません。それにしてもなかなか悪意に満ちた訳です。っていうか訳じゃないなこれ。陛下のご発言は産経によれば、

日本は昭和の初めから、昭和二十年の終戦までほとんど平和な時がありませんでした。この過去の歴史を、その後の時代とともに正しく理解しようと努めることは、日本人自身にとって、また、日本人が世界の人々と交わっていく上にも、極めて大切なことと思います。

 戦後六十年にあたって、過去のさまざまな事実が取り上げられ、人々に知られるようになりました。今後とも多くの人々の努力により、過去の事実についての知識が正しく継承され、将来にいかされることを願っています。

降伏した1945年までに、などとはおっしゃられておりません。言わせているのはもちろん新華網、言わせたいのも新華網。新華網と人民網しか読まない人には一生わからないでしょう。

61年前の戦争を思うと、私の心は重い。

これはサイパンを訪問されてのご感想をいじっています。この直前にあるサイパン訪問に関するご発言をバッサリとなかったことに。そもそもサイパン訪問など一字も触れられていない。こういうのを何と言うんでしたっけ。偏向?それかな。

ご発言を自分の良いように切り貼りし、さらに言及が曖昧だという結論で陛下をなじる記事に仕上げています。それに気付いていないのが五十嵐くん、と人民。人民との違いは産経の全文に当たれるかですが、その利点を生かせていません。これはデジタルディバイドって呼ぶんだっけ?違うな、メディアリテラシー、たぶんこれでしょ。

そもそも談話に「強調」など修辞を入れる必要はなく、淡々とテキストに起こせば良いものを、余計なバイアスをかけて陛下の意図を曲げる悪質な記事です。

つい先ごろも麻生外相が発表した「わたくしのアジア戦略」で、日本はアジアの実践的先駆者であるという発言を「アジアのリーダー」に勝手に修正(「実践的先駆者(リーダー)」と付け足した記事もあり)したばかり。自分勝手な発言を作る新華網や人民網だけに目を通していては、永遠に分かりません。新浪網などポータルサイトや雅虎で引っかかる記事もこれらの転載なので同様です。

とか書いてたら、新華網でサイパン訪問の際に「心を痛められた」というご発言に言及している記事がありました。ただ、※1"厳しい"を"残虐"と訳すのはおかしい。過酷な、が妥当でしょう。新華網はいつから陛下のお言葉をいじっているのでしょう。やはり新華網だけで用を済ませるのはダメですね。(ソース:新華網

ですから、訳しただけで他のメディアに当たらず手抜きをかましてる五十嵐君は、まんまと中共の手のひらで躍らされているのです。「しんりゃくせんそうについてかんがえていかなければいけないとおもいます」などと他人に問題提起をする前に、自分を心配してください。でないと偏った情報しか入ってきてませんよ。

この件に関しては、我々も同じようなミスを犯す場合があります。特に共同の記事はなかなか偏向してますから、国際面を買っている地方紙などは危ないですしTBSも同様の手口で発言を改竄してました。記者が革命的に少ない産経も共同の記事が多いですし、気をつけたいところです。彼を笑うのではなく、彼のミスを活かさなければなりません。

今は読み比べのしやすいツールもありますし、このブログがその一助となれれば良いなあ、なんて思ってやってます。

カッコつけすぎましたね。褒められると付け上がる子なんで。

あ、五十嵐くん。今回のエントリーや、あなたのブログにつけた私のコメントを削除しないように。


反論されるのが嫌なら口を噤めばいいのに。
削除しても自分のバカさ加減が露呈するだけでいいことないのに。
(論理的反証ができないことの証明)

・自分に都合の悪い意見は聞かない
・自分に都合の悪い事実は見ない
・論理的に反論できないと話題を逸らす(掲示板などだと削除してなかったことにする)
・レッテル貼り大好き(自分より下のレッテルを好む)
・論理的思考が出来ない(仮定→証明→考察→結論の手順を踏めない)
(ソース:mumurブログ)

結構当てはまってますよ、あなた。左翼かどうかは知らんけど。


参考消息1:五十嵐くんが引っ張ってきた記事(安徽在線
参考消息2:陛下が第二次世界大戦に言及された箇所(産経新聞
(質問一)
この一年、国内外でさまざまなことがありました。陛下は病の治療を続けられながら、戦後六十年にあたってサイパンを慰霊訪問されるなど、数多くの公務に取り組まれました。初めての海外での慰霊についてのお気持ちや、かの地で感じたこと、今後の慰霊のあり方、次世代への継承などについて陛下のお考えをお聞かせください。

 天皇陛下
 先の大戦では非常に多くの日本人が亡くなりました。全体の戦没者三百十万人のなかで、外地で亡くなった人は二百四十万人に達しています。戦後六十年にあたって、私どもはこのように大勢の人が亡くなった外地での慰霊を考え、多くの人々の協力を得て、米国の自治領である北マリアナ諸島のサイパン島を訪問しました。

 そこにはこの地域で亡くなった戦没者のために、国が建てた中部太平洋戦没者の碑があります。

 ドイツ領であったサイパン島は第一次世界大戦後、国際連盟により日本の委任統治領となり、多くの日本人が移住し、砂糖産業や農業、漁業に携わっていました。

 昭和十九年六月十五日、米軍がサイパン島へ上陸してきたときには、日本軍はすでに制海権、制空権を失っており、大勢の在留邦人は引き揚げられない状態になっていました。このような状況下で戦闘が行われたため、七月七日に日本軍が玉砕するまでに陸海軍の約四万三千人と在留邦人の一万二千人の命が失われました。

 軍人をはじめ、当時、島に在住していた人々の苦しみや島で家族を亡くした人々の悲しみはいかばかりであったかと計り知れないものがあります。この戦闘では米軍にも三千五百人近い戦死者があり、また、九百人を超えるサイパン島民が戦闘の犠牲になりました。また、この戦闘では、朝鮮半島出身の人々も命を落としています。このたびの訪問においては、それぞれの慰霊碑にお参りし、多くの人々が身を投じたスーサイド・クリフとバンザイ・クリフを訪れ、先の大戦において命を落とした人々を追悼し、遺族の悲しみに思いをいたしました。

 ※1六十一年前の厳しい戦争のことを思い、心の重い旅でした。ただ、高齢のサイパン島民には、かつて日本の移住者が島民のために尽くしたことを今も大切に思っている人がいることはうれしいことでした。私どもが島民から温かく迎えられた陰には、かつての移住者の努力があったことと思われます。

 このたびのサイパン島訪問に携わった日本側の関係者をはじめ、米国側ならびに北マリアナ諸島側の関係者に深く感謝しています。

 日本は昭和の初めから、昭和二十年の終戦までほとんど平和な時がありませんでした。この過去の歴史を、その後の時代とともに正しく理解しようと努めることは、日本人自身にとって、また、日本人が世界の人々と交わっていく上にも、極めて大切なことと思います。

 戦後六十年にあたって、過去のさまざまな事実が取り上げられ、人々に知られるようになりました。今後とも多くの人々の努力により、過去の事実についての知識が正しく継承され、将来にいかされることを願っています。
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駐日大使は北京で工作活動中か

全国4億8000万の王毅大使閣下ファンの皆さん、お待たせしました。今月の王毅動向です。何と極秘に帰国しておりました。

昨年の今頃は李登輝訪日に際し「戦争メーカー」などと口にしてしまい、空気の読めなさを露呈し、せっかく貰った"知日派"の肩書きをいきなりドブに捨ててしまった閣下ですが、思えばあの頃が彼のピークだったのでしょうか。"流暢な日本語"もいっぱい聞けたのになあ。

記者:中国の王毅駐日大使が昨日(12日)東京を離れ北京へ戻ったが、今回北京にはどのくらい滞在するのか。帰国の主要な目的とは。

秦剛:大使の帰国は定例報告だ。(ソース:外交部

最初に王毅の帰国が明かされたのは、12月13日の外交部定例記者会見の席でした。「報道によると」という一文がありませんので、この記者は中国大使館筋からでも仕入れたんでしょう。定例なのに駐日中国大使館のサイトでは何のアナウンスもありませんが、中共の公式見解など信用度ゼロなのでそこはそれで。大使の席は空席なんですかね。

その報告ですが、今のところしている様子が全く発見できず、帰国した週は18日に河北省で行われたスキー大会の開会式に出たのが確認できるのみでした。ローカルニュースなのか、ほとんど転載されていません。(ソース:河北日報

20日には、中国の官僚や日本外交の専門家を交えて、会議を開いたとの情報が入ってきました。

中共中央外事弁公室主任戴秉国、王毅駐日大使、外交部の高級官僚ら、数名の日本外交研究者が一堂に会した。情報筋によれば、会議は「日中指導者による会談は互いに利するが、もし今後も日本の指導者が靖国神社を参拝するならば、中国はこの問題で妥協や譲歩をする事はありえず、ハイレベルでの相互訪問を中断しつつ、野党や民間との交流を深める必要がある」という認識に達したと言う。

ある外交官は「中国はアメリカによる対日政策支持を取り付けているところだ。例えば、胡錦濤主席はブッシュ大統領の訪中に際して、第二次大戦における日本の中国侵略の歴史を直接話題に出し、右翼勢力の台頭に憂慮を表明している。ブッシュは日本訪問の際に、小泉に中国などアジア隣国との関係改善を警告したと伝えられている」と発言した。(ソース:太陽報 東方日報

揃いも揃ってこんな結論しか出てこないのかあ。ブッシュ発言も脳内フィルターで都合よく書き換えられてるし、こんな"専門家"を使ってるようではあかんわ。そもそも"右翼の台頭"を前提にしてる時点でだめなんですけど。

ところで野党って、民主党党首にも「中国脅威論」を出されて必死に攻撃していたばかりなのに、どこの野党と交流をしていくんでしょう。社民党、共産党とはこれ以上深めようがないくらい交流してるだろうし。変化球では日本新党とか。

で、22日に急に出てきたのが「王毅緊急帰国の謎」的記事。

 中国駐日大使王毅の繰上げ帰国 様々な噂が飛ぶ(太陽網)
http://china.dayoo.com/gb/content/2005-12/22/content_2348864.htm
 駐日大使の繰上げ帰国に関心集まる(重慶日報)
http://www.cqwb.com.cn/webnews/htm/2005/12/22/176329.shtml
 王毅大使、突然の帰国(光明網)
http://www.gmw.cn/content/2005-12/21/content_349485.htm

中国の外交は対日を除いて全部上手くいってるんだってさ。それも小泉が今年も靖国を参拝して関係を破壊したせいで、それまでは閣下の工作もあり上手くいってたんだそうですよ。

今回の緊急帰国は、「右傾化する」日本の政界や日中関係などを北京に報告するためである、と説明しています。さっきの会議もその一環でしょうか。しかしこんなブレーンを使ってるようでは永遠にダメでしょう。「日本の対中政策の変化は工作の失敗だ」とか指摘できる専門家がいてもよさそうなのに。こちらとしては、そのまま使い続けてくれて一向に構わないんですが。

観測筋からは昨夏に腫瘍の切除手術を行い、その休養のためではないか、または事実上の大使召還であり、日本への強い警告ではないか、などの見解があります。前者はともかく、後者はありえないでしょう。内外、特に外国に知らしめる必要があるのに、こっそり帰ったのでは何の警告にもなりませんよね。ペルーがビシッと大使召還を行ったので、靖国参拝に対する王毅の"最高レベルの猛抗議"も色あせましたし。

これだけでは王毅の去就は計りかねますが、とりあえず「挙動が若い頃の周恩来を思い起こさせる」とか書くのはどうかと思うよ、『太陽報』。そんなに持ち上げると、王毅が詰め腹を切らされたときに恥をかく。
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広東省でも河川が汚染。これは国内問題なので隠蔽上等

バカの相手をしていてすっかり時間を食ってしまいました。私も人が良いですね。と自分で言ってみる。

それはともかく、最近は目に見えた手抜きエントリー、しかも内容激薄なのが多くなってました。申し訳ありません。たった今改心しましたのでご勘弁を。

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松花江汚染に続いて河川の汚染が来ました。今度は広東省。下流には香港とかがありますが何か。

まずは位置関係をご確認ください。(地図1

広東省の中央を流れる北江の上流にある韶関市で、15日に環境当局が基準値の10倍弱のカドミウムを検出。同市にある中金煉南企業傘下の韶関精錬工場(公式サイト)が、設備の検査修理期間中に汚水を排出してしまったのが原因でした。そもそも当局が何で検査したかが謎なんですが、以前から汚染はあったようです。

問題なのは、これが汚染が発覚した15日から、5日後の20日に初めて報じられた点です。またですよ。しかも現地環境当局が、この汚染源となった工場や同業の精錬工場の停産を命令したのが21日。昨日ですよ。少なくとも6日は放置プレイです。

これに対し、北江から取水している下流の英徳市は、市民10万人以上の飲料水を確保するため全長1,4キロの送水管を敷設し、消防車など給水車15台を用意、貯水池から7000万トンを放水して濃度を低くするなど、直近の教訓を活かしております。最後のは薄めてごまかしただけのような気もしますが。

しかし、送水管の施設完了にはまだ1日(22日12時時点)必要と水道局員が話しており、また、昨日に断水も行われたのが影響しているのか、市民は水を買いに走っています。飲料水は無料で供給しているものの、量が限られているんでしょう。

英徳市付近の一部村、鎮ではすでに断水が始まっており、給水車が村々を駆け回っていますが、断水は先週末(一部では16日)から始まったという村もあり、その理由も明かされないまま、給水がいつ再開するかも不明。仕方なく桶をそこらじゅうに置いて雨乞い、汚染された北江から水を断水の理由を知らない村民はえっちらおっちらと運んで飲んでたというオチ付き。村民は汚染の件を昨日の新聞で知ったとか。そりゃ怒るわな。

さらに下流にある広州、佛山市は飲用水を確保するよう、広東省から通知が出されました。汚水はもう目の前、両市も断水が視野に入っているようですが、両市を含む沿岸の住民は1300万人を超えます。

香港水務署も声明を出しています。「大陸から輸入している飲用水は東江のものであり、この事故は香港の飲料水事情には影響しない」。全てを大陸に依存している香港は、何かと大変ですね。

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と、ざっとまとめてみましたが、早くなったのは汚染後の対処だけで、隠蔽体質は直ってませんね。汚染を隠しつつ給水していたので、良心が全く無い訳ではないのでしょうけど。

国家安全生産監督総局長李毅中の地方ドサ周り、まだまだ続きそうです。

参考消息:
http://the-sun.orisun.com/channels/news/20051222/20051222022036_0000.html
http://hk.news.yahoo.com/051221/12/1js4f.html
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