第13話~拒否~

母親との面会を断られた二人だったが、慰霊碑を訪ねるよう勧められる。以前収容所だったそこは、動物園に様変わりし、慰霊碑も犬の墓だった。数年前に女性画家が立てたものだと聞く。中村の娘も画家だが、何か関係があるのだろうか。

歩くうちにもう一つ慰霊碑を見つけた。「殉難中国人慰霊」と書かれている。インターネットで中村の娘の消息を探し当てる。まだ存命している池田が当直日誌を保有していると知り、喜ぶ二人。だが池田は当直日誌など知らないと言う。

二人と萩村が落ち込んでいると、テレビのアナウンサーが「山花隆美」という83歳の男が、刃物を振り回したというニュースを伝えているのを聞く。あの山花なのか。翌日なぜか裁判にかけられていた山花を確認する3人。


岡田の前に熊谷という男が血書を持参して現れた。こんな退屈な土地を離れ特攻隊に志願し、華々しく散って靖国に祭られたいと嘆願する。岡田は要求をはねつけ、ここの管理に力を入れるよう叱責する。

山花は軽い精神病にかかっており裁判後に病院に入れられたのだが、裁判の翌日にはすでに誰かに向かえられ退院していた。山花は魚河岸で一日を過ごしているらしい。酒を飲みながら軍歌を歌う山花を尾行した二人は、彼の住むアパートにたどり着いた。

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【解説】
「靖国神社の慰霊碑に名を刻むのが夢」と語る熊谷のシーンは、前後の流れを全く無視してます。この辺りの繋ぎの荒さが中国ドラマのレベルですが、逆に突然このシーンを差し込むことで、靖国に対するイメージを植えつける狙いがあるのでしょう。色々な意味で、このシーンだけ13話から浮き上がってますからね。

同様に、山花が現代においても狂人として描かれているのは、そういう者の末路はああなる(精神に異常をきたす)との作り手からのメッセージ。こういう描かれ方は、日本遺族会に対する侮辱と受け取っておきます。成功している池田の娘との落差が酷い。翌日、即開かれた裁判で山花はかわいそうな軍国主義の亡霊扱いです。

ところで中村と池田の名は初出だと思います。捕虜入所時に焼印を嫌がった小石頭(女性)をかくまった新兵2人のことですが、端折ったため今まで出てきませんでした。すいません。
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