第8話~偽装~

小百合は蕭漢生の回顧録を創太に送ってきた。指していた囲碁の事も忘れ、読みふける。

周は岡田を通じて赤十字に捕虜の名簿を渡すよう要求していた。自分たちが倉津島におり、従事している工事が軍事目的と知っていることを明かした上で、帰国の確約を取り付けようというのだ。お互いがお互いの命運を握っている。捕虜の命は岡田の手中にある、しかし岡田たちの運命は工期内に仕上げられるかにかかっており、熟練した捕虜は殺せない。岡田は怒り、焦る。主導権は周が握っていた。

創太は回顧録を読み続けている。中には岡田の手に渡ったはずの捕虜名簿があった。

夏は李が朝鮮人であると気付き、脱出を持ちかける。彼をその李を落盤事故で死んだ事にして逃がす。蕭と夏は死体の火葬を命令されるが、劉家正がもう一目だけと戻ってきた時に、6体のはずの死体が5体に減っている事に気付く。

創太はここまで読んで、ある男の名を口にする。林山好、彼は食事係を務めていた。

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【登場人物】
劉家正(王偉光):入所の際に自ら焼印を両腕に当てたマッチョ。アツい

【解説】
今回は現在と過去(回想)の行ったり来たりでまとめにくいのですが、ここまで来てこの色は現在ですよとお伝えするのを忘れていました。

私が歪んだフィルターを通して見ているからかもしれませんが、日本軍兵士の残虐さよりも、中国人の醜い性質みたいなものが目に付きます。ドラマの展開上争うシーンが増えましたが、現在の街中でもよく見られる場面です。

それは岡田にも「マントウ1つで煽られやがって」と指摘されていますし、このドラマの監督は自虐趣味があるのかも。それとも当たり前で騒ぐ必要もないのでしょうかね。

今回も脱走に朝鮮人が狩り出されますが、李「なぜおまえがいかない」夏「俺はまだ任務がある」のやり取りに、中国人らしさがにじみ出ています。次回もっとその辺が出てくるのではないでしょうか。
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対日関係に配慮してみた

昨日圧倒的多数で成立した反国家分裂法をもって、全人代も閉会しました。棄権に2票入りましたが、それよりも胡錦濤の軍事委主席就任に反対を入れた命知らずはどこの誰か知りたいところです。温家宝が閉会後に記者会見を行いました。

 中日関係は政治に障害あり
http://www.thebeijingnews.com/news/2005/0315/08@040049.html

朝日新聞記者「日中間の人的交流、貿易額は増加の一途だが、日中関係を『政冷経熱』と呼ぶ人もいる。現在は経済も冷たくなりつつあるが、総理はどう見ているか」

温家宝総理「中日関係は需要だ。国交正常化以来、両国関係は大きな発展を見せた。貿易額は1700億ドル、人的交流は400万人を超える。中日間の主な障害は政治にあり、根本的には日本が歴史問題をどう見るかだ。中日関係の発展と改善のためには、中日間で交わされた三原則を遵守することだ。

「1:歴史を鑑とし、未来に向かう。今年は中国の抗日戦争勝利60周年であり、これを記念する事は中国人民、アジアと日本の国民に苦難を思い起こさせ、歴史の悲劇を二度と起こさせないとするものだ。日本側もこの機会を踏まえ、中日友好の促進を望む」

「2:一つの中国の原則を堅持する。中国が懸念するのは日米安保が台湾問題に干渉する点である。台湾問題は中国の内政であり、いかなる国家の干渉を許さない」

「3:経済協力、共同発展を強化する。日中友好には大きな潜在力があり、特に経済貿易の面における我々の目標は両国の共同発展である」

「ここでさらに提案がある。中日首脳の相互訪問に向けた環境作り、外交部門による中日友好強化の戦略的研究、歴史問題の適切な処理、の3点である」


朝日の記者が聞いたんですね。宗主国との打ち合わせは万全なようです。

「歴史を鑑に」「一つの中国」は、もう枕詞化してるので気にしなくてもいいです。3点目に挙げられた共同発展から、中国も現状はあまり望ましくないのだと分かります。国益重視の観点から、経済や先端技術の分野で、日本との関係が欠かせないからとの指摘もあり、「靖国」などNGワードの使用は避けられました。中国精一杯の譲歩のつもりでしょう。台湾によく使っている、『最大限の誠意』と呼ぶべきでしょうか。器が小さい事には変わりありませんけど。

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今回は温家宝が言及できなかった点を、中国・国際関係研究員日本研究所副所長が代弁してくれていました。聞きたい事を産経が代わりに聞いてくれています。(産経新聞3月15日朝刊 回答:胡継平)

―沖ノ鳥島について
中国は沖ノ鳥島を日本のEEZ設定を認めない。

―ガス田のデータ提供
日本が主張する中間線の中国側で義務は無い。中国の主張する日本側で日本が掘っても問題ないが、中間線と中国の主張する境界の間では認めない。将来的な軍事的対立の可能性はなんともいえない。

―国防費の2桁増大など
原潜の領海進入は故意の可能性は低い。軍事費は人口、国土など考えれば多くなく、日本は島国で侵略を受けにくくコストは低くて済むはず。実際の軍事費が公表の2倍以上とする指摘は、国家予算規模からしてありえない。

―靖国、尖閣
A級戦犯が祭られていても首相、外相、官房長官の3人が参拝しなければいい。釣魚島は共同管理の手もある。対立事項は話し合いで解決すべき。

―愛国主義教育
歴史の事実は回避すべきではない。中国も行き過ぎと極端なナショナリズムには注意を払い、バランスを求めていくだろう。


注目は軍事費。李肇星と同程度の詭弁。軍事費全体を公表せず、公表されている部分も10年以上二桁成長を続けている点を聞いているのであって、「日本の方が多い」と言われてもねえ。GDPの4%を軍事に使ってる国に多いのなんのと非難されたくないです。日本が同じように使ったら動揺するでしょうねえ。

いまどき島国だから侵略を受けにくいってのもおかしいでしょ。人民解放軍には陸軍しか存在しないなら別ですが。

靖国については、首脳と発言の内容が違うのでスルーで。参拝問題は対日外交カードではないとも発言していますが、そう、もうカードとしては使えないんです。彼の言いたいところは別にあるでしょうけどね。昨年秋の日中首脳会談では「A級戦犯」分祀なら参拝OK、小泉が参拝しなければいい、と言ってましたので逆に範囲が拡大してますし。

とりあえず愛知万博に温家宝が来てからかな。
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