第15話~追憶~

家族と誕生日を祝う池田の元に、中村の娘(雅代)から軍人時代の池田と中村を描いた絵が届いた。添えられていた手紙には、中村が当時葉子という女性に書いた詩が書かれてあった。

兵器庫でその詩を読み上げる池田。"唐山"の襲撃地点となっていた兵器庫に2人がいる事で小石頭が「以前助けられた」と計画を邪魔し脱出は破綻、知らずに脱走を始めていた数人が縛り首に遭う。

事態を重く見た岡田は、服を脱がせて体を洗わせる間に何らかの証拠を探そうとする。小石頭が女性であることを恐れた夏は、「人間の尊厳」のために衣服を来たまま池まで行かせるよう頼むが、みんなは同意しない。ついに蕭漢生が女性であることを明かし、みな彼女を守るために服を着て池に向かう。蕭も「人間の尊厳」を口実に、岡田の追及を逃れる。

池田と話している美恵子。美恵子は最近昔の夢をよく見るらしい。美恵子の息子が『夕焼け小焼け』を歌いだす。美恵子は岡田と初めての出会いについて語り合っていた事を思い出す。その時も日本兵がこの歌を歌っていたのだ。小石頭は『送別』を歌いだし、故郷を思い出す。

劉は性欲で理性が吹っ飛び、小石頭を襲う。必死で抵抗しながら「死んでも鬼子とあんたに自分を犯させない」と叫び、劉は理性を取り戻す。「オレは獣と一緒だ。妹を鬼子に犯されたのに」。

山花と会うか会わないかで揉める小百合と憶。気分転換のデートも断られ、憶に見せ付けるために清治と食事に行く。いらだつ蕭憶。

レストラン。中国での過去を撮り続けている事を聞き、清治は「いつまでも日本人を責めるべきじゃない。南京大虐殺なんて」とポツリ。小百合「20万や10万なら大虐殺じゃないの?」清治「原爆を落とされたけどアメリカとは上手くやってる」。


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【解説】
小石頭は漢奸として縛り首にされるべきだと思うのですが。脱出計画を邪魔したせいで同胞が銃殺されたのに泣いて終わりだと、大李をメッタ突きにしたり脱走兵を吊るした、日本兵への怒りは何なのかと。「ごめんなさい」で済ませてるこのドラマは、以後何を言っても説得力ゼロになりました。元からあまりありませんけどね。

今回も煽られやすい中国人が目に付きます。服を着ろと夏に命令され「なんでなんで」と文句をたれるのに、が真相を明かすと「服を着る!」と態度がひっくり返ります。劉も「鬼子と同じよ」と言われて急に反省したり、気分で態度や行動がコロコロ変わるのは、中国人の特性です。

どうしても中国人の情けなさに目が行ってしまうのです。服を着たまま体を洗いに行くシーンなんかは、「中国人が鬼子から尊厳を勝ち取った」と泣くポイントなのでしょうが、その前のドタバタに目が向いてしまうのは、まだ私は毒されていないということで。

軽薄そうな清治を道化に仕立てることで、一般的日本人の無知を笑い憤慨するのが目的ですか。役者自身に試したのか、一般的な反応なのでしょうね。食事時に南京がどうこう切り出されたら、誰だっていい気はしないと思うのですが、小百合はその辺の空気が相変わらず読めませんね。関係ありませんが、「フン!」と声に出して怒る人を初めて見ました。

また、数字を持ち出して小百合に共産党の主張を代弁をさせていますが、大虐殺の定義を聞きたいのはこちらの方です。原爆で20万人、津波で20万人しか殺せない(しかとあえて書きます)のに、6週間で30万人以上を殺して埋めるだけ能力が当時日本にあったら、今頃大日本帝国は健在でしょう。

清治が原爆の話題で反論した後、「それとこれとは話が別」と小百合が言うのですが、どう別なのかも聞きたいところです。私はこう言われるのが嫌いです。

「月が出た出た」の裏で歌っている『送別』は、なぜか『夕焼け小焼け』と歌詞の内容が重なるんですが、お前らエスパーですか。元はJohn Pond Ordway作曲のアメリカ民謡らしいのですが、詳しい資料が見つかりませんでした。
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第14話~命令~

美恵子は夏を診ているが、夏は自分より重病の周を診るよう美恵子に頼む。岡田に河野将軍からの機密文書が送られてきた。7月15日までに工事を完成させ、捕虜たちを全員殺す事を命じてある。岡田はそれとなく周の治療の件でうかがいに来た美恵子の反応を探るが、返ってきた答えはいいものではなかった。

周は重度の肺結核だった。夏は何度も申請したが、岡田が首を縦に振らないからだという。ここでは最低限の医療保障も受けられない。日本人は最低だと言う。美恵子には信じられず、岡田に掛け合うが岡田は不在だった。岡田の机で捕虜全滅命令を記した機密文書を発見する夏と美恵子。

工期を遅らせれば軍法会議にかけられるため、周を手放したくない岡田、その事を暗にほのめかしてしまう。だがその後、周の入院を許可する。7月15日までは彼が必要だからだ。

夏も機密文書の内容を"唐山"メンバーに伝える。工期終了までに脱出経路を掘る計画で、熟練を集めることになる。慶子俊も参加を表明した。夏との折り合いは付かない。脱出した李継成が捕らえられたことも考え、陳四妹は第二案の脱走計画を話す。この計画は4人だけが知っている。堅く誓い合う4人、仲たがいを続ける夏と賀も手を取り合う。

小百合が自宅に帰ると、待っていたのは幼馴染の清治だった。米スタンフォード大学の博士課程を来年終える。同席していた洋平や両親はなぜかその場を去る。2人きりになると清治は今彼氏がいるか尋ねる。いないと答える小百合。

洋平の助力で美恵子を探し出す岡田(創太)。精神薄弱な息子と粗末な家に住む美恵子の元に、池田が現れた。この日は池田の誕生日なのだ。池田に何度も救われたと礼を言う美恵子、二人は戦後もずっと交流を続けていた。

洋平は顔を隠して美恵子を口止めする。「忘れるべき事は忘れろ」と。誰の使いかは言わなかったものの、美恵子には察しがついたようだ。


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【解説】
捕虜の口封じ命令が下されました。始皇帝の墓を作った職人が生き埋めにされて以来、中国で脈々と受け継がれている伝統ですね。中国は自分の姿を日本人に投影したがるのか、自分たちの悪行を演じさせる事が多いのですが、この作品もそうですね。

美恵子も山花も、老後はなぜか悲惨です。池田や中村が成功している事を考えると、党に貢献したものは幸せになれます、とのメッセージですかね。

アメリカからわざわざ幼なじみを呼んだのは、皆さんご想像の通りだと思います。久々に「じゃ、あとは若い人たちに任せて」のシーンを目にしました。

【今日の名言】
(夏が美恵子に)
「世界を征服しようとする願望が、日本人の人間性と理性を奪った。他の民族を尊重せず、他人の生きる権利さえ奪っている。こんな事を続ければ、日本はその内滅びる」

うひぃ。世界を征服している願望を持ち、現在進行形で他の民族を尊重せず、他人の生きる権利を奪っている国はいつ滅びますか。
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