カフェテラス

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春日大社神苑 万葉植物園 ② 「さきくさ」の不思議

2009年04月20日 | ☆ ふるさと・大和




柿本人麻呂・万葉歌 さきくさ イカリソウ
イカリソウのそばに添えてある万葉歌である


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イカリソウ
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イカリソウの群生を初めて見たのは、葛城山で、カタクリの花が終わったあとだった。
万葉植物園で見るのは、今回が初めてだった。
「さきくさ」と古代には呼ばれていたのだろうかと、傍にある万葉歌のプレートを見て思った。




もう咲き終わって、かわいそうな花姿になっているカタクリの花があった。
「カタクリ」を万葉集では、「かたかご」として詠まれている。
「カタクリ」の古語「かたかご」なのだと、これは理解していた。
しかし、「かたかご」と万葉歌に詠まれている花には、もう一つ「コバイモ」もあるのだと教えてもらった。



まだ新葉が芽生えたばかりのヤマゴボウである。
これにも、イカリソウと同じ万葉歌と「さきくさ」の文字の入ったプレートがついていた。
ヤマゴボウとイカリソウがなぜ「さきくさ」なのか画像を入れながらずっと迷っていた。
万葉植物の先生にお尋ねしたら、「さきくさ」については諸説はいろいろとあるが、定説は、ミツマタ(三枝)で、その花の生態から来ているとのことであった。
イカリソウの花の形もよく見れば3つに花びらが開いている。
ヤマゴボウの花を調べてみると、花びらは5枚だけれど、茎から出ている花柄が、確かに三方に交互についていた。
ササユリも、「さきくさ」と万葉歌に詠まれているそうである。
ササユリの花びらは5枚のと6枚のがあるが、花柄がやはり三つになってそれぞれの先に大きな花を咲かせているのを図鑑で確かめた。
「さきくさ」つまり「三枝」なのだと、教えてもらったことを確認できたような気がする。
万葉植物園では、現在的な感覚でなく、古代の彼方を見るような感覚で花を観て回ることもまた楽しい。


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4 コメント

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天女 (akisaien)
2009-04-21 18:36:19
イカリソウですか。
白い鶴が舞うというより、大勢の天女が舞い降りてきたようです。
不思議な形をした花ですね。
造形の美を感じます。

奈良の鹿ものびのびしてきたようですね。
言葉がきれいですね。 (のこたん)
2009-04-21 20:54:28
 さきくさ=イカリソウ=ヤマゴボウ=ささゆり。
 とっても面白いですね。
 
 イカリソウはとっても綺麗で、鳥をイメージしますね。

 anikobeさまの観察力にも感心しちゃいました。
 ありがとうございます。
akisaienさんへ (anikobe)
2009-04-21 21:55:12
天女をイメージされたイカリソウ。
全くそんな飛翔の姿で咲いていました。
万葉人も、春になったらこの白い花の咲き乱れる姿に大きな感動を持ったのでしょうね。

今鹿は、毛の生え変わる時のようで、あの美しい鹿の子模様がないのですが、春の陽射しにのんびりと遊んでいるのは可愛いです。
のこたんへ (anikobe)
2009-04-21 21:59:38
万葉植物の名前は、本当に面白いなぁと改めて思いました。

このように万葉歌と、万葉人が親しんで詠んだ植物の名前がプレートにありますので、いろんな想像が広がっていくので楽しいです。

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