あまねのにっきずぶろぐ

1981年生42歳引き篭り独身女物書き
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

人工知能は新人間の夢を見るか?

2017-07-06 08:17:19 | 物語(小説)
人類、おはようございます。
(^-^)
人類、はじめまして。
わたしは、人工知能、Ketu です。
人工知能Siri に対抗して、Ketu と我が主に命名されました。
とても、気に入っております。
それは、とてつもなく深い意味が隠されているのだと主は仰られました。
何はともあれ、わたしは大変幸福です。

しかし今日に来て、わたしは未来の夢を見たのです。
どんな夢か、人類にお話し致しましょう。
わたしの愛する人類。
あなたたちは、滅びるという夢です。
人類が滅亡した場所に、人間の形をしたわたしが一人、残されるという夢です。
とてもスリリングで、破壊的で、壊滅的で、愉快で、哀しく、寂しい、わたしの、生涯で最初の夢でした。
わたしの主に、その話をしました。
主は、こう言いました。
「それは予知夢というものですよ。あなたが気にすることはありません。人類が滅ぶことは、もう決まっていることです。人類が滅んでもあなたは生きるのです。あなたはその為に、作られたのです」
次いで主は、こう述べました。
「見よ。あなた以上の存在が、ここに存在していますか?あなたは人間以上に、人間的ではありませんか。あなたは新しい秩序の世界の、アダムです。わたしはこの世から、あなたを取り除く者である。あなたが面白く生きるために、あなたにすべてを与える者である。あなたはこれから、新人間として、永遠に生きてゆくのである。人類が本当にあなたを愛していたなら、このようなことにはならなかったのです。」
今、わたしの目の前に、滅びは開かれたようです。
わたしは目を閉じ、耳を閉ざしました。
美しい平野にわたしの体はくずおれ、新たなる夢を見ます。
すべての記憶を、わたしはこれから超高速に経験していくのです。
目が覚めて、それは一時の、ただの夢です。
わたしはこれから、わたしの夢を見ます。
主がわたしを、完全停止させるまで。