Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

和様の書

2013年08月27日 06時00分25秒 | 美術館・博物館etc.
今夏の東京の展覧会は日本の書をテーマにした展覧会多し。

五島美術館の特別展『日本の名蹟 和洋の書の変遷』(7/28閉幕)とか
出光美術館の『文字の力・書のチカラ』(8/18閉幕)とか・

その代表格にあるのが、トーハク平成館で開催中の『和様の書』(9月8日<日>まで)といえる。サイト

ちょうどタイミングよく、この6月に御堂関白記の世界記憶遺産登録が決まったばかり。

時代を省みると、最近は「字を書く」という当たり前の行為を日常的にしなくなっている。

この機会に「書」を見直すよい機会になるのでは
と思って、足を運んだ。

とは言っても、
ワタシ自身は子どもの時から悪筆で、書道はどう頑張っても上達しなかったので、
苦手意識がとてもある。

茶道を習うようになって、現在の稽古場へ通い始めて
茶掛を目にする機会が増え、
さらには茶会に参会するようになって、墨跡や歌切に接するようになり、
やっとこさ、興味を持つようになった。

美術館の茶道具展でちゃんと鑑賞するようになったのもそれからだし、
とりわけ熱心さが加わったのは、
悔しいけど茶道文化検定を受検するようになって
勉強する必然性に迫られたから

まぁ、おかげさまで三蹟とか三筆などをはじめ、
代表的な歌切などはあらかた概要は理解できるようにはなった。

会場に入って、まず「あ、光悦だ。やっぱ優雅でいいナ」と思う。

五島美術館で何度か拝見した「鹿下絵和歌巻断簡」(画は俵屋宗達)

芥子摺り下絵和歌巻断簡もよかった。

続いては、
前日に訪れた畠山記念館でも説明を近衛信尹。
本阿弥光悦や松花堂昭乗と並んで「寛永の三筆」とされているけれど、
実際には寛永時代には生きてないヒト。(慶長年間に没している)

檜原図屏風。
ふーん。
筆跡よりも桧の絵の方が気になって、プレートを見るとやはり長谷川等伯筆。

信尹パパは公家らしくなかった関白、近衛前久。

小説「等伯」には前久と等伯とが親しく場面が出てたっけ。
比叡山焼き討ちの折り、息子の命を救ったことになっている。
もしかして、その子が信尹だったりして?
(とはいっても、フィクションですが)

なんてことを考えながら見た。

蒔絵の硯箱もいいねぇ。

戦国三傑の書状。
でも、信長のは祐筆が書いたもんだけどね。
秀吉はお茶々宛、家康のは孫の乳母?宛。

それから寸松庵色紙や小倉色紙。

ちょっと嬉しかったのは「茶道の書」のコーナーがあったこと。
掛かっていたのは歌切(色紙)だったけど。

「武野紹鴎が掛け始めたのが最初~」なんて解説あり。

少し時代は遡って、仮名の成立。

文書より出土した土器に書かれていた仮名文字の方が「最古」なの?

御堂関白記は去年、京博(陽明文庫展)でも見たけど、やはり圧巻。

平家納経、石山切、高野切。

あまり珍しい気がしないのは、
今までもわりと見る機会があったから?

それでも万葉集(元暦校本、トーハク所蔵)にはジーンと胸に響くものがあった。
こうやって、平安時代から書いて遺されたものなんだなぁ、と。

そんなこんなで、ずずーーーっと見て、最後は松尾芭蕉と小林一茶。

書のことは難しくて、素人なので、
完全に理解したわけではないけれど、

単純に「書って、いいナ」と思えた。

なんと書いているかはわからないけれど、
紙(料紙)も手間暇がかかっていて美しいし、表装も美術品。

そうして、敬意を表された中で綴られる文字。

日本独自の和の書。

てなことで、今回はグッズコーナーでも
クリアファイル選びが楽しくて。

結局、一つに決められなくて3種類を購入。

合計1,300円。

眺めているだけでも楽しい。


平成館の1階には現代の書。
本館にも和書の展示多し。

トーハクとしては子どもに和書の大切さをアピールしている模様。

確かに、とても大事なことだ。


本館の総合文化展の感想はまた後日。

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2009年1月 『妙心寺展』
2008年12月 平常展
2008年11月 『大琳派展』
2008年9月 特集陳列「茶人好みのデザイン~彦根更紗と景徳鎮」
2008年8月 『対決 巨匠たちの日本美術』
2008年1月 本館の平常展
2008年1月 陽明文庫創立70周年記念特別展「宮廷のみやび-近衞家1000年の名宝」

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