徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

中国の漆工 @東京国立博物館

2006-09-28 | 美術
中国の漆工
2006/8/22~ 2006/10/22
東京国立博物館 東洋館

南宋時代から明時代にかけて作られた漆工作品の展示。とくに南宋時代の彫漆3点を中心に紹介されていた。
相国寺で堆朱や堆黒の香合を拝見し、中国から漆工作品が伝来したことに気がついた次第。興味深くその技術の高さを拝見しました。

  • 花鳥堆朱長方形箱(かちょうついしゅちょうほうけいはこ) 1合 「洪福橋呂甫造」銘 南宋時代・13世紀 TH-362
    端正にととのえた長方形の箱で,底裏を除いた器面全体に四季の花をあらわしている。蓋表にはさらに一対の鳳凰を左右に配しており,それはこの作品の大きな見どころとなっている。蓋裏に「洪福橋呂鋪造」の針刻銘が施されており,この箱が南宋時代の杭州で製作されたことがわかる。これと同様の銘,あるいはこれと同じ作風を示した彫漆器はいくつか知られているが,作行きの点で本品より優れた作品は見受けられない。


  • 花鳥堆朱重合子 1合 南宋時代・13世紀 TH-41
  • 雲龍堆黒合子 1合 南宋時代・13世紀 TH-502


  • 重美 花鳥鎗金手箱 1合 明時代・15世紀 TH-302
  • 黒漆輪花盆 1枚 南宋時代・13世紀 TH-381
  • ち龍堆朱楕円盆 1枚 元時代・14世紀 TH-494
    朱漆を厚く塗り重ね、螭龍の文様を彫り表している。生き生きとした文様表現や立ち上がりの外面に香草文を配する文様構成など元時代の堆朱の典型的な作風を示している。螭龍文はしばしば元時代の堆朱や堆黒に見られるが盆に表された例は珍しい。

  • 屈輪盆 1枚 元時代・14世紀 TH-397
  • 重美 柳水禽螺鈿合子(やなぎすいきんらでんごうす) 1合 明時代・15世紀 團伊能氏寄贈 TH-289

    高さを少し抑えた大ぶりの盒子で,蓋表には水辺でのびやかに遊ぶ水鳥たちをあらわし,肩と尻の部分には窓枠を配し,その内に花文,外に幾何風の文様をうめている。そして,合口部と高台にキーフレットの文様をまわしている。現存の明時代の螺鈿作品を通してみると,このように明時代中期の螺鈿の作風を示したものは存外少なく,本品はことのほか重視されるものである。

  • 龍鳳堆朱長方形箱 1合 「大明宣徳年製」銘 明時代・宣徳年間(1426~35) TH-489
    蓋表に稜花形の窓枠を設け、枠内の中央に龍を配し、下方に寿花福海、上方に霊芝(れいし)雲をうめる。窓枠の四隅に鳳凰を各一羽ずつ表す。明初官営工房出来の典型的な堆朱の作風を示した優品。


  • 龍螺鈿盆  1枚 「大明隆慶年御用監造」銘 明時代・隆慶年間(1567~72) TH-394
  • 龍彫彩漆盒子 1合 「大明萬暦年製」銘 明時代・万暦年間(1573~1620) TH-475
    龍の彫りが深く立派です。

  • 人物螺鈿八角合子 1合 明時代・16~17世紀 原秀廣氏寄贈TH-507
    蓋表に八稜角の窓枠を設け、内に人物図、外に花入七宝繋文が表されている。人物、花唐草文も配されている。明代後期の螺鈿技法を如実に示す作品


  • 楼閣人物漆絵螺鈿長方形箱 1合 明時代・崇禎13年(1640) TH-485
    螺鈿で描かれた楼閣人物図。



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