徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

赤と黒の芸術 楽茶碗  三井記念美術館

2006-09-16 | 茶道具
開館一周年記念特別展
赤と黒の芸術 楽茶碗
2006年9月16日から11月12日
三井記念美術館

素晴らしい樂茶碗展です。

長次郎の茶碗が13点のと三代道入(ノンコウ)の茶碗が8点も出展されています。さらに本展では樂家初代長次郎から現代の十五代樂吉左衞門氏までの作品のなかから各代の代表作が一堂に紹介されています。さらに、樂家にかかわる文書類も出展されています。

楽茶碗

淡交社

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楽茶碗を読んだ上で鑑賞に臨みます。

さて、展示室1,2は、長次郎のみです。
小振りの手に納まるような長次郎作。利休の侘び茶の精神を実現するために、丹念に無駄をそぎ、負の方向への徹底した意識化。でも、何も飾り気がないようで、造形にこだわっています。無一物の徹底したそぎ落とした造形と、俊寛の意識的な造形の間をいったりきたりできるなんて、なんと素晴らしい展覧会でしょう。当初の予定ではなかった大黒まで特別展示されています。(パンフレットにも掲載されていません)

長次郎 
赤楽茶碗 銘 無一物 長次郎作 (重文 頴川美術館蔵)
赤楽茶碗 銘 一文字 長次郎作
黒楽茶碗 銘 ムキ栗 長次郎作
黒楽茶碗 銘 大黒  長次郎作 (長次郎七種 重文)(9/16-10/1, 10/21-11/12展示予定)
黒楽茶碗 銘 あやめ 長次郎作 (MOA美術館)
黒楽茶碗 銘 まきわら 長次郎作
黒楽茶碗 銘 利休 長次郎作
黒楽茶碗 銘 小手巻 長次郎作
黒楽茶碗 銘 つつみ柿  長次郎作
黒楽茶碗 銘 俊寛  長次郎作 (重文、三井記念美術館)
黒楽筒茶碗 銘 杵ヲレ 長次郎作 (樂美術館)
黒楽茶碗 銘 蝸牛 長次郎作
黒楽茶碗 銘 面影  長次郎作 (樂美術館)

二彩獅子像 長次郎作 樂美術館蔵
三彩瓜文平鉢 長次郎作 東京国立博物館(9/16-10/1展示) 

展示室3は、宗慶、二代常慶、三代道入

文献、参考出品として、
  • 「宗入文書」三通(1688) 宗入筆 樂家の系図
  • 消息 吉左宛 本阿弥光悦筆
  • 聚楽第図屏風 (三井記念美術館)
    が並ぶ。

    光悦は、1点。
    黒楽茶碗 銘 村雨(樂美術館)

    三代道入
    道入の景色に釉で変化をつけ、大振り、しかし薄く削られた茶碗は、絢爛。

    黒楽茶碗 銘 升 三代道入 (ノンコウ七種)
    黒楽茶碗 銘 あら磯 三代道入
    黒楽茶碗 銘 此の花 三代道入 (ノンコウ加賀七種 出光美術館)(9/16-10/29)
    黒楽茶碗 銘 山ノ端 三代道入
    赤楽茶碗 銘 鵺 三代道入 (ノンコウ七種 三井記念美術館)
    赤楽茶碗 銘 寒菊 三代道入
    赤楽茶碗 銘 僧正 三代道入 (樂美術館)
    白楽葵紋茶碗 三代道入 (不審菴)
    赤樂葵紋茶入 三代道入(樂美術館)
    緑釉鶴首花入 三代道入(樂美術館)
    赤楽兎香合 三代道入 (樂美術館)
    飴釉葛屋香合 三代道入 (樂美術館)
    緑釉割山椒向付 三代道入 (北村美術館)

    四代一入
    長次郎の小振りの作風に回帰。しかし釉薬は厚い。

    黒楽茶碗 銘 金毛
    黒楽茶碗 銘 浪まくら
    黒楽樵文茶碗 銘 山里
    赤楽茶碗 銘 山里

    五代宗入
    釉薬がこつごつしている

    黒楽茶碗 銘 亀毛
    黒楽茶碗 銘 糸遊
    赤楽茶碗 銘 独楽
    赤楽茶碗 銘 天晴




    当代、十五代吉左衛門氏の茶碗は、お茶を嗜むというよりは、花入れのように鑑賞したほうが素晴らしいかも。ゴツゴツシタ質感の「焼き貫水指(1997)」は、見事。

    初日なので、ゆっくりと鑑賞できました。茶碗に興味のない方にも、是非お勧め。


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    1 コメント

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    Unknown (jchz)
    2006-10-31 23:40:35
    こんばんは。TBありがとうございました。
    楽美術館の「光悦と樂道入」も行かれたんですね。
    私はこの日曜日に京都に行ってきました。ちょうど楽家のご当代が、展示品の説明をしていらっしゃいました。なんという幸運! そのときのことは、これから書く予定です。京博の「京焼」もよかったですよ。
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