この記事は6月20日に書いた記事に書き加えたものです。
NHK「歴史秘話ヒストリア」で緒方法庵と、華岡青洲が取り上げられていた。
番組の最後に、
今も研修医たちに伝えられる
「医者として決して忘れてはならないモラル」の
緒方法庵からのメッセージ「扶氏医戒之略」の一部が
現代語訳され読み上げられました。
その言葉に感動したので、紹介します。
以下、その言葉です。
扶氏医戒之略
医の道は己のためにあらず、人のためのみ。
出世や名誉を顧みず、自分を捨て
ただ人を救うことのみを願いなさい。
不治の病の患者に対しても、
苦しみを和らげ
一日でも長くその命を保つことに努めなさい。
たとえ救うことができない病であっても
患者の心を癒すのが仁術というものです。
学術に励むだけでなく、
患者から信頼されるようにならねばなりません。
人々から命をゆだねられるに値する
誠実で温かい人間となりなさい。
『脳脊髄液減少症なんて事故後遺症はありえない。
脳脊髄液はそんな簡単に漏れるわけがない。』
そう言い張る医師がいた。
『事故の衝撃で脳脊髄液漏れなんて起こるはずがない。
事故で起こったとしてもきわめてまれだ。
ブラッドパッチ治療で効果があったという患者ははすべてプラセボ効果、(思い込みや暗示による効果)だ。』
そう言い張る医師もいた。
『脳脊髄液減少症の専門医は健康な人たちまで脳脊髄液減少症と診断してしまうんだ。』そう、侮辱する医師もいた。
純粋な医学論争というより、
患者救済よりも、優先したい何か別の目的がある人たちの「そのための否定」にしか私には思えなかった。
脳脊髄液減少症患者と脳脊髄液減少症の専門医たちの話にもまともに聞かず、
ただただ、古い医学概念を振りかざして、いばりちらしてきたあの否定派医師たちは、
今頃どうしているのだろうか?
あの医師たちは、はたして
患者や現場の治療経験豊富な医師の話に耳を傾ける
「誠実で温かい人間」だっただろうか?
私には、とうていそうは思えない。
あの医師たちには、
この医戒の言葉はどうひびくのだろうか?
自分たちには治せないのに、どうしてあんな言葉を言い放てたのだろうか?
(詳しくは関連過去記事こちら1とこちら2とこちら3をどうぞ。)
(たとえば、がんの専門医が、がんの診断率が一般の医師より高い理由は一般の医師よりがんに詳しいからだということは想像できるのに、
どうして脳脊髄液減少症専門医はそんな嫌がらせを言われなければならないのだろうか?
同じことをがん専門医や、希少難病専門医に言えるだろうか?。
「あなたが専門とする病の診断率が高いのは、あなたが正常人まで病だと過剰診断してしまっているからだ。」と面と向かって言えるだろうか?。
そんなことは言えないはずだ。なのに脳脊髄液減少症の専門医はそう言われ続け、侮辱されてきたのだ。)
あの否定派医師は
今回の厚生労働省の脳脊髄液減少症研究班の
「外傷で脳脊髄液が漏れるのは
けっしてまれではない。」という中間報告をどんな気持ちで聞いたのだろうか?
「自分は今も、脳脊髄液減少症なんてそんな病態はこの世に存在しないし、ましてや事故で起こるわけはないし、
髄液は簡単には漏れないし、ブラッドパッチは患者の思いこみによる暗示による効果にすぎない。」と
言えるものなら、もう一度
大きな声で、全国放送のテレビカメラの前で言ってみてほしい。
言えなくなったのなら、その理由を
全国放送のテレビカメラの前で、今、きちんと話してほしい。
扶氏医戒之略の
言葉を研修医手帳に載せて若い研修医たちに伝えている
大阪医療センターのHPの原文はこちら。
見逃した方はこちら、NHKオンデマンド
過去記事、幕末のエビデンス