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●確信犯…「ジャーナリストが極右的言動で活躍しはじめたことのほうが、より事態の深刻さを物語っている」

2017年02月07日 00時00分32秒 | Weblog


琉球新報のコラム【<金口木舌>沈黙が訴える力】(http://ryukyushimpo.jp/column/entry-437487.html)。
東京新聞について非常な「危機」を感じさせる…アサヒコムの記事【東京新聞「深く反省」 副主幹司会「ニュース女子」問題】(http://www.asahi.com/articles/ASK222GSQK22UTIL002.html?iref=comtop_8_01)と、
東京新聞の【「ニュース女子」問題 深く反省 沖縄報道 本紙の姿勢は変わらず】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201702/CK2017020202000241.html)。

 《ヘイトスピーチは単なる「憎悪表現」ではない。人を深く傷つける攻撃であり暴力だ。その罪深さは計り知れない。今や排外主義は世界的に広がり、社会の病となっている。絶対に放置してはならない》。
 《沖縄の基地反対運動を伝えた際に人種差別的な発言があったなど批判の声が上がっている東京メトロポリタンテレビジョン(MXテレビ)の番組に、東京新聞(中日新聞東京本社)論説副主幹の長谷川幸洋氏が出演していたことについて、東京新聞は2日付朝刊1面に「深く反省」とする記事を掲載した》。
 《本紙の長谷川幸洋論説副主幹が司会の東京MXテレビニュース女子」一月二日放送分で、その内容が本紙のこれまでの報道姿勢および社説の主張と異なることはまず明言しておかなくてはなりません》。

   『●斎藤貴男さん「人権を否定することに喜びを感じている変質者集団」
                          …「人権の砦」のはずが最「低」裁…

 斎藤貴男さん「人権を否定することに喜びを感じている変質者集団」…「本土」政治家や「本土」マスコミの歪みは「本土」社会の歪みを示す。子どもの貧困問題障がい者大量殺人事件…デンデン王国「社会の病」。

   『●「容疑者の“弱者を排除すべし”という主張は
      現在の日本社会において決して特殊なものではない」
   『●アベ様参院選公約「子育て…」: 「3歳児、おなかすいて盗んだ」 
                      …アベ様のニッポン、病んでいないか?
   『●差別主義者を東京「ト」知事にできる、
      そんなニッポンの社会そのものが歪んでいる
   『●2016年報道の自由度ランキング72位: 
      「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪
    《森達也監督…政治が一流だけど、メディアは三流なんて国はありません
     メディアは二流ならば社会も二流なんです。相互作用ですから。
     「国境なき記者団」が発表する「報道の自由度ランキング」でも、
     上位に位置するノルウェーデンマークスウェーデンは、僕から見れば
     確かに政治も一流だし、社会も成熟していると感じます。
     2010年に自由度11だった日本のメディアが、2016年には72にまで
     下落しました。ならばメディアだけではなくて政治も国民も、同じように下落した
     ということです。今のこの国のレベルは途上国以下

   『●政治家の浅ましさ、政治の貧困:
     「あたかも完璧な貧困者でないと許さないかのような社会」は病んでいる

 沖縄差別沖縄イジメの番組に加担した長谷川幸洋氏、何の疑問も感じなかったのだろうか? 東京新聞の大変な「危機」にならなければいいのですけれど…。

 リテラに【東京新聞は謝罪も本人は…『ニュース女子』司会・長谷川幸洋の正体! 安倍政権との癒着関係、なぜ論説副主幹に】(http://lite-ra.com/2017/02/post-2891.html)という気になる記事が。《確信犯ジャーナリストが極右的言動で活躍しはじめたことのほうが、より事態の深刻さを物語っている》…デンデン王国のジャーナリズムの大変な「危機」かもしれない。
 《東京新聞のスタンスと今回の長谷川氏の行動の乖離を考えると、こうした対応は当然ともいえる。東京新聞といえば、萎縮しきったメディア状況のなかで、果敢に政権批判を行い、原発や安保法制、TPP、そして沖縄の基地問題についても市民目線の報道姿勢を続ける数少ない新聞社。2016年にプレジデント社が調査した外国人記者による「日本のマスコミ信頼度ランキング」では2位に大差をつけてトップの評価を得たメディアでもある。ところが、その新聞社の論説副主幹という肩書きをもつ長谷川氏がDHCという極右番組で司会を務め、沖縄ヘイトデマを拡散するフェイクニュースのお先棒を担いでいたのだ。しかも、長谷川氏はたんに司会を務めていただけでなく、問題の1月2日の放送中には、軍事ジャーナリストの井上和彦氏のデタラメな沖縄取材やその解説に、うなずいたり、嬉しそうに同意し、また、沖縄地元紙を揶揄するような発言も行っていた…「長谷川氏は謝罪を拒否しているようです。おそらく、制作したDHCシアターと同じで『正当な報道だと考えているんじゃないでしょうか。それで、東京新聞も長谷川氏抜きで、謝罪記事を出さざるをえなかったんでしょう」(前出・東京新聞関係者) つまり長谷川氏の沖縄ヘイトは確信犯ということなのだろう…実はあの戦争の前も、最初は軍の強制でなく、新聞社や評論家たちが商売のために積極的に軍国主義的的主張を口にし始め、狂気の下地をつくっていったという史実がある。そういう意味では、ネトウヨや日本会議の跋扈などよりも、長谷川氏のようなジャーナリストが極右的言動で活躍しはじめたことのほうが、より事態の深刻さを物語っているということなのかもしれない》。

   『●沖縄平和運動センターの山城博治さん…
      イジメ・見せしめな「反対運動つぶし」「国策捜査」「狙い撃ち」
   『●「国際人権法」違反: 山城博治さん長期「拉致」という
            「独裁的な国家が反対派を黙らせる常とう手段」
   『●「アベ様広報」…安田浩一さん「現地の人に話を聞く、
         裏取りするという取材の基本ができていない…デマ」
   『●東京MXテレビ「沖縄デマ」宣伝…
     「目的がデマの拡散による沖縄の反基地運動への不信あおりにあった」
   『●山城博治さん長期「拉致」…「通常なら身柄拘束の
         の必要がない事案。恣意的、差別的な対応だ」

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http://ryukyushimpo.jp/column/entry-437487.html

<金口木舌>沈黙が訴える力
2017年2月2日 06:00

 米軍北部訓練場のヘリパッド建設に抗議する女子学生と若い機動隊員が、じっと見詰め合う。歌手・七尾旅人さんの「兵士Aくんの歌」が流れる。「1人目の彼はどんな人だろう」

三上智恵監督のドキュメンタリー映画最新作「標的の島 風(かじ)かたか」の最後の場面だ。「高江の機動隊員は戦場に行きなさいと命令されたら、真っ先に行かされるような存在だ」。三上監督は機動隊員も国策の犠牲者という視点を織り込みたかったと言う

▼若い男女は何を思っていたのだろうか。このシーンの訴える力は沈黙にある。見る側の想像をかき立て、心を大きく揺さぶる

▼東京MXテレビが放送した番組内容は今まで受けてきた差別とどう受け止めが違うか-。反差別活動団体「のりこえねっと」共同代表の辛淑玉(シンスゴ)さん=在日3世=は記者会見でそう質問され、約40秒沈黙した

▼胸の内の苦しみが痛いほど伝わってきた。番組は、ヘリパッド建設に反対する市民をテロリストに例え辛さんを「黒幕」と報じた。これまでもネットなどで中傷を受けてきた辛さんは「公共の電波を使った放送だけに許せない」と声を震わせた

▼ヘイトスピーチは単なる「憎悪表現」ではない。人を深く傷つける攻撃であり暴力だ。その罪深さは計り知れない。今や排外主義は世界的に広がり、社会の病となっている。絶対に放置してはならない。
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http://www.asahi.com/articles/ASK222GSQK22UTIL002.html?iref=comtop_8_01

東京新聞「深く反省」 副主幹司会「ニュース女子」問題
2017年2月2日11時09分

     (東京メトロポリタンテレビジョン(MXテレビ)が放送した
      番組「ニュース女子」について、東京新聞としての見解を
      伝える2月2日付の同紙朝刊)

 沖縄の基地反対運動を伝えた際に人種差別的な発言があったなど批判の声が上がっている東京メトロポリタンテレビジョン(MXテレビ)の番組に、東京新聞(中日新聞東京本社)論説副主幹の長谷川幸洋氏が出演していたことについて、東京新聞は2日付朝刊1面に「深く反省」とする記事を掲載した。中日新聞も同日付社会面で同内容の記事を載せた。

 記事は深田実論説主幹名で、番組の内容について「本紙のこれまでの報道姿勢および社説の主張と異なることはまず明言しておかなくてはなりません」「事実に基づかない論評が含まれており到底同意できるものでもありません」と説明。「他メディアで起きたことではあっても責任と反省を深く感じています。とりわけ副主幹が出演していたことについては重く受け止め、対処します」「読者の方々には心配をおかけし、おわびします」としている。同紙には250件を超える批判や、見解を求める声が寄せられたという。

 問題になっているのは、1月2日放送の「ニュース女子」。反対運動を「テロリストみたい」などと表現し、長谷川氏は司会を務めていた。東京新聞はこれまで、番組の問題点を何度も報じてきたが、長谷川氏については触れていなかった。番組内で「反対派の黒幕」などと名指しされた人権団体の共同代表・辛淑玉(シンスゴ)さんは先月27日、放送倫理・番組向上機構(BPO)放送人権委員会に人権侵害の申し立てをしている。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201702/CK2017020202000241.html

「ニュース女子」問題 深く反省 沖縄報道 本紙の姿勢は変わらず
2017年2月2日 朝刊

 本紙の長谷川幸洋論説副主幹が司会の東京MXテレビ「ニュース女子」一月二日放送分で、その内容が本紙のこれまでの報道姿勢および社説の主張と異なることはまず明言しておかなくてはなりません。

 加えて、事実に基づかない論評が含まれており到底同意できるものでもありません

 残念なのは、そのことが偏見を助長して沖縄の人々の心情、立場をより深く傷つけ、また基地問題が歪(ゆが)めて伝えられ皆で真摯(しんし)に議論する機会が失われかねないということでもあります。

 他メディアで起きたことではあっても責任と反省を深く感じています。とりわけ副主幹が出演していたことについては重く受け止め、対処します。

 多くの叱咤(しった)の手紙を受け取りました。 

 「一月三日の論説特集で主幹は『権力に厳しく人に優しく』と言っていたのにそれはどうした」という意見がありました。

 それはもちろん変わっていません。

 読者の方々には心配をおかけし、おわびします。

 本紙の沖縄問題に対する姿勢に変わりはありません。 (論説主幹・深田実


◆「ニュース女子」問題とは

 東京MXテレビは1月2日放送の番組「ニュース女子」で冒頭約20分間、沖縄県東村(ひがしそん)高江の米軍ヘリコプター離着陸帯建設への反対運動を取り上げた。本紙の長谷川幸洋論説副主幹が司会を務めた。

 「現地報告」とするVTRを流し、反対派を「テロリストみたい」「雇われている」などと表現。反ヘイトスピーチ団体「のりこえねっと」と辛淑玉(シンスゴ)共同代表(58)を名指しし反対派は日当をもらってる!?」「反対運動を扇動する黒幕の正体は?などのテロップを流した。辛さんは取材を受けておらず、報告した軍事ジャーナリストは高江の建設現場に行っていなかった。

 MXは「議論の一環として放送した」とし、番組を制作したDHCシアターは「言論活動を一方的に『デマ』『ヘイト』と断定することは言論弾圧」としている。辛さんは名誉を侵害されたとして、1月27日、放送倫理・番組向上機構(BPO)放送人権委員会に申し立てた。

 のりこえねっとは沖縄の現場から発信してもらう「市民特派員」を募集、カンパで捻出した資金を元手に、本土から沖縄までの交通費として5万円を支給。昨年9月から12月までに16人を派遣した。
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●歴史的役割踏まえた原発に頼らない国へ: 「人の命と安全は経済性に優先する」=「人格権の尊重・倫理」

2016年03月15日 00時00分58秒 | Weblog


東京新聞の二つの社説【命の安全第一に 3・11から5年】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016030802000136.html)と、
【原発に頼らない国へ 2011年8月6日付】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016030802000135.html)。

 《本紙は五年前の一面に「原発に頼らない国へ」と題した下の評論を掲げた。事故への反省と未来に向かっての決意です。現実はそうは進んでいません。事故後、私たちは原発に対する認識をよくよく思い返したものでした。…五年は歳月の節目だが、被災者にはただ通過する一日でもあるでしょう。原発事故と地震津波被災への悲しみと苦しみ、そして怒りを私たちは日々共有しよう。よりよい社会、人を大切にする国にするために》。
 《広島、長崎の原爆忌が巡ってきます。毎年訪れる日ですが、今年は特別です。三月に福島原発事故が起きたからです。私たちは、日本は原発のない国に向かうべきだと考えます》

 慟哭や悲しみを無視するアベ様らではダメ。

   『●なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために  
      核発電する必要があるのか? 次も神様・仏様は居るか?
   『●「故郷の川に身を投げたい衝動に駆られた」
      「早く浪江に帰りたい」…「原状回復」することも無く…

 第五福竜丸元乗組員大石又七さんは、《私たちビキニの被曝者がたどった道を、福島で放射能を浴びた人たちもたどっているんだと思います。本当に気の毒だと思うばかりです。福島の人たちの苦労が始まったわけですからね》と仰っています。映画・TVドキョメンタリー『放射線を浴びた『X年後』』にある通り、この人災の『X年後』への懸念が、ブログ主には、拭えません。アベ様ら核発電「麻薬」中毒患者は、なぜ、平気でいられるのか?

   『●第五福竜丸元乗組員大石又七さん
     「ビキニと福島はつながっている」「被曝者がたどった道を、福島で…」

 大石さんも同様なことを仰っていますが、烏賀陽弘道さんは《核兵器をタブーの領域に押し込めた。双子の兄弟の一人をいないこと」にしてしまった。原発と核兵器の「血のつながり」を論ずることはタブーになった》と述べています。「兄」の「核」はダメだけども、「弟」の「原発」は良いものとしてきた日本。でも本質は、「核兵器=原子力発電」じゃないのか。

   『●烏賀陽弘道さん
     『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了

 原発に頼らない国を目指しましょうよ。《人の命と安全は経済性に優先する》=《裁判用語では人格権の尊重であり、社会用語なら倫理》を、福井地裁や大津地裁の仮処分決定のように、「司法の良識」として受け止め、《日本の歴史的役割》をそこに定めるべきです。

   『●大津地裁山本善彦裁判長、 
      高浜原発3、4号機の運転を差し止める仮処分決定!
   『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
        政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」
   『●3.11東電人災の5年、王様・アベ様からして
        核発電「麻薬」中毒患者という哀しい国ニッッポン
   『●金沢地裁・井戸謙一元裁判長「「原子炉を運転してはならない」。
                      自ら発した声に法廷はどよめいていた」
   『●「効率より安全、経済より命」: 井戸謙一元裁判長、
       樋口英明・山本善彦裁判長の声は班目春樹氏には…?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016030802000136.html

【社説】
命の安全第一に 3・11から5年
2016年3月8日

 本紙は五年前の一面に「原発に頼らない国へ」と題した下の評論を掲げた。事故への反省と未来に向かっての決意です。現実はそうは進んでいません。

 事故後、私たちは原発に対する認識をよくよく思い返したものでした。

 五年前の評論にあるように、核制御の難しさはもちろん、日本は世界有数の地震国であること、また原子力の危険性を地方に押し付けてきたことをまざまざと思い知らされたのです。

 だが以来、私たち日本人は一体何をどう進めてきたのか。

 国会や政府の事故調は原因と責任をよく突き止めえず、そのため被災者らが中心となって東電元幹部を強制起訴へと持ち込んだのはつい先日のことです。事故にかかわるすべてを法廷で明らかにせよ、と願うのは福島県民だけでなく多くの国民の思いでしょう。

 原発再稼働は進むけれど、どこかに黒い雲のようなものがかかったままのようなのです。本当は進めてはいけない、原発はやはり危険だと考える人が世論調査などで過半を占めるのは当然なのではないでしょうか。

 それもこれも国が原発ゼロへの道筋を決めないからです。事故のあと、民主党政権は原発の寿命四十年を順守して自然的消滅の政策をいったんは立てたものの、政権も代わって今は原発維持策です。

 温暖化対策をいい、経済性をいい、エネルギー安保も持ち出される。それらはむろん重要です。しかしながらより守らねばならぬものは命の安全です。原発代替の手段も技術もあるのです

 五年前の評論では、なぜ原発に頼らないかは、人の命と安全は経済性に優先するからだと記しました。人間を大切にすることが、私たちの従来の主張だから、と。

 裁判用語では人格権の尊重であり、社会用語なら倫理ということになるでしょう。

 事故で私たちが思い知らされたのは、原発とは巨大な核施設であり、人間も組織もミスを犯しうるということです。

 五年は歳月の節目だが、被災者にはただ通過する一日でもあるでしょう。原発事故と地震津波被災への悲しみと苦しみ、そして怒りを私たちは日々共有しよう。よりよい社会、人を大切にする国にするために
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016030802000135.html

【社説】
原発に頼らない国へ 2011年8月6日付
2016年3月8日

 広島、長崎の原爆忌が巡ってきます。毎年訪れる日ですが、今年は特別です。三月に福島原発事故が起きたからです。私たちは、日本は原発のない国に向かうべきだと考えます。

 原発には賛否さまざまな議論があります。脱原発への一番の反論は、電力が足りなくなったらどうするのか、ということです。しかし、それには人の命と安全は経済性に優先すると答えたい。人間を大切にするというのが私たちの従来の主張だからです。核の制御の難しさはもちろん、日本が四枚のプレート上にある世界有数の地震国であることも大きな理由です。

 原発の安全、安価、クリーンの神話は崩れ去りました。私たちは電力の自由化、自然エネルギー庁の新設、徹底した情報公開を提言します。

 原発のない国へ、という挑戦はもちろん容易ではありません。日本は現在エネルギーの大半を海外に頼っています。経済活動に支障は出るでしょうし、弱い立場の人を苦しめることも許されません。実現には年月も努力も必要です。しかし、指針を掲げねば前へとは進めません。

 放射能被害は、被爆国の国民として、また福島の惨状を知った同胞として、深刻かつ重大に受け止めねばなりません。よく考え、議論し、行動しようではありませんか。一人の理想は小さくとも、合わせれば世界の理念にもなるでしょう。

 戦後日本の経済成長は世界を驚かせました。大いに誇るべきです。だが原子力については平和利用の名の下、その恐るべき危険性を見過ごし、原発の立地は多くを地方に押しつけてきました。率直に反省すべきことです。

 歴史を学ぶのは未来を考えようと思うからです。原子力の過去を知るほど、今が私たちの変わらねばならない時と考えます。それは欧米では再生エネルギーの活用という形で始まっているのです。

 世界では、原発は中国やインド、中東などで増えそうです。各国の事情はあります。しかし核はますます拡散し、巨大事故や核テロの危険性も増えると懸念します。日本は持ち前の技術と結束力で、原発がなくとも豊かな社会が築けるというモデルを世界に示すべきです。それは日本の歴史的役割でもあるのです。

(論説主幹・深田実
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●首相の2枚目の舌が福島で語らない事

2013年07月07日 00時00分40秒 | Weblog


東京新聞のシリーズ社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062502000131.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062602000148.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062702000121.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062802000146.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062902000157.html。同じく東京新聞(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013070402000131.html。asahi.comの記事(http://www.asahi.com/special/news/articles/OSK201307030151.html?ref=comtop_fbox_d1)。再び、東京新聞コラム「筆洗」http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013070502000134.html)。最後にgendai.net(http://gendai.net/articles/view/syakai/143274)。

 「経済政策は大きな争点だが、収束しない原発事故、道半ばの震災復興をどうするのかも、忘れてはならない」・・・逆じゃないのかな? いや、

   『●「原子力推進」という一点で自公政権は否定されるべき

であるべき。福島で第一声を上げても、何枚の舌があるのか知らないが、第2番目の舌で「原発輸出」「原発再稼働」といった「原発推進」は語ることはない。語れる訳もない。東京電力原発人災以前、自民党が何をやってきたのか、それ以降何をやったのか、その責任を誰か一人でもとったのか、語られることはない。そういう政党を支持していいのか?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062502000131.html

【社説】
フクイチで考える(1) 放射線の海のただ中
2013年6月25日

 いわゆるフクイチを取材する機会があった。フクイチ、エフワン…。中で働く人たちは福島第一原発のことをそう呼んでいる。

 放射線量が高いので、バスの中からの視察である。それでも、マスクと靴カバー、そして、両手に布とビニールの二重の手袋に、首からは線量計という一通りの装備が必要だった。

 まず、廃炉作業の指揮所がある免震重要棟に入った。コンクリートの壁に囲まれた二階建て。テレビ会議の映像で知られる緊急対策本部室に向かう。途中、ゲートモニターという全身を調べる機械のチェックを受けた。これが世界を二つに分ける。

 退出モニターとも呼ばれるこの機械は、どの原発にもあるものだ。だが本来はその名の通り、原子炉建屋のような放射能の管理区域から非管理区域へ、内から外へ出る時に被曝(ひばく)の有無を確かめるためのものである。ここではそれが入室時。“あべこべ”だ。放射線の海のただ中の家である。

 二年前の1号機の爆発時、免震重要棟の扉が吹っ飛び、内部も一部、管理区域になってしまった。

 数少ない窓は、事故後分厚い鉛の板で遮蔽(しゃへい)した。棟内には鉛を張った石膏(せっこう)ボードも設置した。

 梅雨の晴れ間の一見のどかな光景は、生命とは相いれない世界である。その中で毎日三千を超える人々が過酷な作業に従事する。八十人の東電社員が夜間も免震重要棟に詰めている。

 約一時間、構内をバスで巡った。最も線量が高かったのは3号機の海側で、毎時一八〇〇マイクロシーベルト。バスの汚染の検査を受けて外へ出た。

 胸の線量計を見た。積算で二一マイクロシーベルト。前日の東京の環境放射線量は〇・〇五六マイクロシーベルト、愛知は〇・〇六六マイクロシーベルトだった。バスの中でも単純計算で三百倍以上になる。

 フクイチの汚染は、人間自身の産物だ。この異様な世界の存在を、私たちはよく知るべきだ。これも原発の一つの姿なのである。 (飯尾歩)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062602000148.html

【社説】
フクイチで考える(2) メルトスルーの深い穴
2013年6月26日

 メルトダウンに陥った1~3号機では、燃料デブリの存在が、放射能汚染水と並んで廃炉の進展を妨げる。デブリとは、溶け落ちた核燃料の固まりだ(図は1号機、東電資料より)。

 一九七九年にメルトダウン事故を起こした米国のスリーマイル島原発(TMI)では、燃料デブリは格納容器の内側の圧力容器の中にとどまった。

 それでも、作業は困難だった。

 メルトダウンが具体的に判明したのは事故発生から三年後。溶融分は当初、燃料の20%と見られていたが、結局は52%もあった。取り出しには十一年の歳月と十億ドルの費用をかけた。

 フクイチは、それよりはるかに難しい状態だ。高温の核燃料が圧力容器を貫通するメルトスルーで、格納容器の底に落ちた上、底部を侵食している恐れがある。

 「中に入ってサンプルが採れないと、次のステップには行きにくい」。東京電力前常務執行役の小森明生さんは言う。三代前の福島第一原発所長である。

 さまざまなものの混じった海水を注入したために、さまざまな異物が放射化した恐れもある。

 3・11から、やがて二年四カ月。ファイバースコープやロボットを使ってさまざまに探査を試みているものの、フクイチの炉内の様子はまだ詳しくわからない

 何が溶け込んでいるか。容器の底に林立する制御棒にこびり付いてはいないのか。燃料デブリの性状も散らばり具合も、明らかにはなっていない。

 昨年三月、2号機の格納容器内部で時七三シーベルトの放射線が計測された。数分浴びただけで命を落とす線量だ。この危険が調査の大きな壁になる。フクイチには、まだ分からないことが多すぎる。メルトスルーの穴はどこまで深いのか。優秀なロボットたちはどうしたか。

 廃炉への前提になる新たな探査技術の開発に、世界の英知を集めるべきだ。 (飯尾歩)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062702000121.html

【社説】
フクイチで考える(3) 技術の合意と社会合意
2013年6月27日

 水が廃炉を妨げる。

 損壊した原子炉建屋の中に、一日四百トンの地下水が流れ込む。

 1~4号機の建屋を取り囲むように土を凍らせて、地中に壁を構築し、地下水を遮る計画が進んでいる。遮水能力が高く、工期が短いのが利点という。しかし、地下水位が変化するなど予想外のリスクも否めない。

 今のところ汚染水は、フクイチの敷地の中にひたすらためておくしかない。正門をくぐると、大小の貯水タンクの群れがまず目に入る=写真、代表撮影。すでに約千個あり、三十万トンを超える汚染水を抱え込む。八十万トン分の用地が確保されており、今後三年は貯水を続けられるというが、限界はやがて来る。

 東電はことし三月、多核種除去設備(ALPS)の試運転を開始した。一系列で一日二百五十トンの処理能力があり、六十二種類の放射性物質を国の基準値以下まで除去できる。

 ところが、水とよく似た放射性トリチウム(三重水素、半減期一二・三年)だけは分離が難しい。水から水は除けない。一ミリリットルあたり六〇ベクレルという国の排出基準に対し、三〇〇〇ベクレル程度が残る。

 実はこのトリチウム、どの原発の冷却水にもわずかに含まれており、管理放出されている。フクイチでも、基準以下に水で薄めて海に流そうという声はある。しかし、それも難しい。

 「浄化して管理放出ができるという技術的合意と、そうしてもいいという社会的合意が得られるかどうかは別問題」と、案内してくれた東電フェローの小森明生さんは考える。「フクイチはもう、普通の原発とは思われていませんから…」と。

 フクイチだけのことではない。今は、国民の多くが原発と、原発神話を築いた人や機関に疑いの目を向けている。原発推進の経済人や政治家が目を背けているだけではないか。国民の視線に気づかなければ、社会的合意は成り立たない。 (飯尾歩)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062802000146.html

【社説】
フクイチで考える(4) ロボット侵す放射線
2013年6月28日

 3号機、4号機の作業現場は、随分様子が違う。

 4号機の周りには、白い防護服にマスクをつけた人の姿がある。3号機にはそれがない。

 事故当時、定期検査で停止中だった4号機は、メルトダウンを起こしていない。

 一方、爆発の規模が大きく破損のひどい3号機には、人がうかつに近づけない。3号機はぐるりと足場が囲み、六百トン吊(つ)りの巨大クレーンなど大小十台の重機ががれきの撤去を続けている。運転台には人がいない。

 十台は、約五百メートル離れた免震重要棟から、遠隔操作されている。放射線の影響がない部屋だ。

 「無人重機もロボットの一種」と東京電力原子力・立地本部課長の田中勤さんは言う。

 それとは別に、ロボットたちはフクイチの中にいて、主に地味な調査業務に就いている。

 一昨年四月の「パックボット」(米・アイロボット社製)投入以来、東電の管理分だけで六機種が活動、または待機中。この十八日には、ホンダなどと共同開発した「高所調査用ロボット」が、2号機内の温度や線量を確かめた。

 しかし、放射線はロボットさえも脅かす。放射線量が一〇〇シーベルトになると、エネルギーの高いガンマ線がロボットの“目”に当たるカメラの画素に影響し、画像に斑点のようなものが表れる。

 ガンマ線が、半導体の中の電子の流れに作用して、コンピューターの誤作動を引き起こす。鉛で覆うと動作が不自由になる。

 ロボットも人間と同じ線量計を装着し、被曝(ひばく)の限界を定めた管理値が設定されている。

 作業の現場は炉心に近づいていく。生身の人間には、小石一つ拾わせてはならない。汚染水に触れさせてはならない。

 ロボットに対する国民の期待は強い。国産ロボットの奮起を求めたい。飛躍的な性能向上を図らねば、フクイチは鎮まらない。 (飯尾歩)



http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062902000157.html

【社説】
フクイチで考える(5) 核と共存できるのか
2013年6月29日

 フクイチを巡る取材バスの中で強く思ったのは、日本に落とされた原爆はアメリカがつくったが、この原発事故の被災地、代表撮影=をつくったのは、ほかならぬ日本だったということだ。

 外には、強力な放射能ちりを吸い込まぬように、大型のマスクと装備を着けて働いている人たちがいる。周りには住めない土地がある。そういうことを私たちは自覚せねばならない。

 この場所は、事故後よく知られた通り旧陸軍の飛行場だった。海を見下ろす高さ三十メートルの海岸段丘の上。そこを二十メートル掘り下げて原発は建設された。科学技術が万能と信じられた時代。だが、掘り下げた分だけ津波は大きく襲った。

 一九四八年、湯川秀樹博士がノーベル賞を受ける前年。アメリカの研究所に招かれると、すぐにアインシュタイン氏がやって来た。博士の両手を握りしめながら「罪もない日本人を原爆で殺傷して申し訳ない」と涙を流してわびた

 原爆と原発はもちろんちがう。

 だが、放射能汚染という災禍は同じである。

 思い出されるのは「核と人類は共存できない」という、広島の哲学者にして運動家の森滝市郎氏のことばだ。彼は被爆して右目を失った。考えに考え抜いた末、核兵器はもちろん、原発もやめるべきだと決心した。ウランを掘る人から最終的に燃やし処理する人まで被ばくの危険がある。ましてや事故を起こしたら。

 私たちは、廃炉ということばを割合簡単に使う。だが、どうか。その疑問はここへ来ればわかる。

 福島の廃炉はうまくいってほしい。しかし、それを進めながら原発とは私たちにとって一体何なのかと自問を繰り返そう。

 何より原発に代わるエネルギーを、私たちは努力すればもつことができる。フクイチはそう語りかけてくる。 (深田実)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013070402000131.html

【コラム】
筆洗
2013年7月4日

 架線を支える電柱は折れ曲がり、駅舎は土台しか残っていない。福島第一原発から二十キロの警戒区域で唯一、津波に襲われたJR常磐線の富岡駅(福島県富岡町)の現状だ▼視界を遮る建物はなく、駅から海がよく見え、無人になった事務所には巣を作ったツバメが勢いよく出入りしている。ひっくり返った車があちこちに放置され、破壊された建物は解体されずに生々しい爪痕を今も残す▼富岡町は三月二十五日から放射線量に応じ、帰還困難、居住制限、避難指示解除準備の三区域に再編されたばかりだ。日中、立ち入りが可能になった駅に立って感じたのは、終わりの見えない放射能との戦いである▼双葉地方を車で走ると、目に入るのは「除染作業中」の看板だ。汚染土などを詰めた大量の黒い袋は、雑草だらけの田んぼの仮置き場に野ざらしにされたままだ▼震災後、初めてとなる参院選がきょう公示される。安倍晋三首相はJR福島駅前で第一声を上げ、民主党の海江田万里代表も福島入りする。福島を忘れない、と訴えるのだろう▼原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立-。昨年の衆院選で公約に掲げた目標は参院選の公約から消え自民党は旧来の「原発依存」に立ち位置を戻した。汚染土の詰まった袋はあちこちで山積みになっている。安倍首相は視察した時に、目に入らなかったのだろうか
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http://www.asahi.com/special/news/articles/OSK201307030151.html?ref=comtop_fbox_d1

2013年7月4日16時34分
(竹内敬二の窓)「事故の経験で、最も安全な…」の軽さ

【編集委員・竹内敬二】「いったん停止」していた原子力政策が、参議院選を前にして丸ごと動き始めた原発輸出も国をあげて推進している。福島原発事故から2年余りで、私たちは何を反省し、どこへ行こうとしているのか。

 いま原発再稼働、輸出推進を進める論理として「福島事故を経験した日本だからこそ世界一安全な原発を提供できる」というのがある。日本の原子力の歴史では、しばしばこうした逆説的な言い方、あるいは「日本は特別」的な言い方が使われる。しかし、たいていは「口だけ」である

 昨年9月、民主党政権は、「2030年代に原発ゼロをめざす」を柱にした「革新的エネルギー・環境戦略」を公表した。原発依存一辺倒だった戦後のエネルギー政策を百八十度変えるものだった。しかし、この新戦略の寿命はたったの3カ月だった。昨年12月の総選挙で勝った自民党が、この戦略を否定し、安倍政権が原発復活へ舵(かじ)を切ったからだ

 これは世論の大勢とずれている。3・11以後、日本社会の原発への意識は変わり、「停止中の原発の再稼働に反対が58%、賛成28%」(6月11日朝日新聞)という世論調査にもみられるように、多くの人は悩みながらも原発を減らしたいと思っている。そして実際に、ほとんどの原発が止まったまま日本の社会は動いている

 今しなければならないのは、こうした世論の変化や電力需要の減少を基本にエネルギー政策をつくり、その中で原発、プルサーマル、再処理の意味と役割を定義し直すことだろう。事故を起こした国の責任だ

 しかし、安倍政権は、原発、プルサーマル、再処理工場という一つひとつのパートを、以前の計画のまま動かそうとしている。これでは、なし崩しで「3・11以前」に戻ってしまう。

・・・・・・・・・。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013070502000134.html

【社説】
<2013岐路> 党首第一声 福島に寄り添う責任
2013年7月5日

 参院選が公示され、各党首らが各地で第一声を上げた。経済政策は大きな争点だが、収束しない原発事故、道半ばの震災復興をどうするのかも、忘れてはならない。

 候補者擁立の状況や選挙戦略によるのだろうが、寂しい気がしないでもない。七カ月前の衆院選公示日、四党首が福島県内に集ったが、きのうは現職首相の安倍晋三自民党総裁と、海江田万里民主党代表だけだった。

 安倍氏は衆院選同様、福島市の中心街を第一声の場に選んだ。長年政権にあった自民党が「原発の安全神話に寄りかかり、原発政策を推進したことを、深刻に反省しなければならない」と述べた。

 いまなお多くの人々が仮設住宅での生活を余儀なくされている現状を見れば、「本当に申し訳ない思い」を表明したのは当然だ。

 しかし、安倍氏は首相として原発再稼働や海外への原発輸出を進める。衆院選第一声では語っていた再生エネルギーの開発促進にはこの日、全く触れなかった。

 県内全原発の廃炉や再生エネルギー研究・開発の推進を求めた福島県連や、普天間飛行場の県外移設を掲げた沖縄県連の地域公約を安倍氏は「県連の願望」と一蹴する。地域重視の自民党が地域に寄り添わないのはどういうことか。

 ただ「復興を加速する」と言うだけでは、原発事故を本当に反省したことにはなるまい。

 海江田氏は第一声を上げた盛岡市から仙台市に入り、その後、福島市では安倍氏と同じ場所で演説した。東日本大震災の被災地から選挙戦を始めたかったのだという。

 震災発生時、原発を所管する経済産業相だった海江田氏は原発事故の避難指示に「至らぬ点があった」と謝罪し、「福島の復興なくして日本の復興はない」と訴えた。

 やり玉に挙げたのが安倍内閣が進める国土強靱(きょうじん)化だ。公共事業のバラマキと批判し、資材高騰で復興に支障が出ていると指摘した。

 政策の誤りを正し、建設的な提言をして実現を迫るのは野党の役割である。政権転落の痛手は深いが、福島をはじめ被災地の復興を加速させるため、政策論争に果敢に挑んでほしい。

 これから福島に入る党首もいるのだろう。選挙区に候補者を擁立しなくても、比例代表で支持を呼び掛ける意味はある。政策を堂々と訴え、いまだ故郷に帰れない被災者、原発事故の影響に苦しむ県民に寄り添う気持ちを表してほしい。それが政治の責任でもある。
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http://gendai.net/articles/view/syakai/143274

安倍首相 被災地パフォーマンスのあざとさ
2013年7月5日 掲載

 「自民党は安全神話に寄りかかり、原発政策を推進してきたことを深刻に反省しないといけない。私たちには復興を加速させる大きな責任があり、復興のためにも強い経済を取り戻す」

 これは安倍首相が福島で行った参院選の第一声だ。原発政策を反省する政党が、なぜ再稼働を推進するのかなぜ海外への原発輸出に必死になるのか。復興を加速させると言いながら、復興予算の流用対策が遅れ、1兆円が被災地以外に使われていくのを止められなかったではないか

 安倍は、昨年の衆院選に続き、今回もまた公示日にわざわざ福島へ出向いた。前夜遅く福島駅前のホテルに泊まり、午前福島駅前といわき駅前で街頭演説。午後には東京・池袋へトンボ返りだ。“震災復興”を選挙の象徴的なイメージにしようと躍起である。

「被災地を利用した選挙パフォーマンス」だと呆れるのは、作品の取材で毎月東北を回っている作家・相場英雄氏だ。

   「安倍さんは福島もいわきも駅前で数時間滞在しただけでしょ。
    『被災地の復興を考えています』という、わざとらしさが透けて見えます。
    被災地の住民はみな、『政府の偉い人たちは、一度、仮設住宅に
    泊まってみたらいい』と口々に言っています。そうすれば本当のニーズが
    もっと分かる。例えば、自治体によってガレキの残っている量が全く違うんです。
    自治体の境界線を越えるとガラッと景色が変わることがある。
    復興庁という組織をつくったのに、機能していないんじゃないか」

トンボ返りせず仮設住宅に泊まってみたら

 6月に被災地を取材したばかりのジャーナリスト・鈴木哲夫氏もこう言う。

   「被災者が望んでいるのは、生活再建と仕事です。しかし、相変わらず
    仮設住宅に住み、雇用は増えていません。高台移転の話がありましたが、
    土地の確保も進んでいない。石巻(宮城県)で一番大きな仮設住宅を
    取材すると、『国会議員は現場に来ないから、実態が分かるわけがない。
    それなのに、どんどん復興に関する公約がつくられる。不思議です』
    という声を聞きました」

 安倍は毎月被災地を訪問していることもアピールの材料に使っているが、そこまで言うなら、駅前のホテルじゃなくて、仮設住宅に泊まればよかったんじゃないか。
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コメント
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