Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●肥田舜太郎さん「せめて未来の子どもたちのために、放射能の心配のない日本を残していけるよう…努力」を

2017年04月01日 00時00分36秒 | Weblog


先ごろ亡くなられた肥田舜太郎さんについて、マガジン9の水島さつき氏によるコラム【今週の「マガジン9」2017年3月22日号 vol.592 肥田舜太郎先生の教え】(http://www.magazine9.jp/tips/thisweek/32733/)。

 《先生は「過去の悲惨な体験だけでは解決にはならない。現代の核の恐ろしさを伝えないと」とおっしゃり、…。この時、私ははじめて低線量被曝についても知り、原爆と原発は両方とも「核」であり放射線による「ヒバク」は同じ、という今思えば当たり前のことに、気がついた瞬間でもありました》。

 東京新聞の記事【核禁止条約交渉が開幕 日本、不参加を表明】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017032801001032.html)によると、《オーストリアなど条約推進国は7月までに条約案の作成を目指す。条約に反対の立場の日本の高見沢将林軍縮大使は演説で「建設的な方法での参加は難しい」と述べ交渉不参加を表明した。米英仏中ロの核保有五大国は参加を見送った。核戦力拡大に意欲を示すトランプ米政権が、オバマ前政権が掲げた「核兵器なき世界」の目標の見直しを示唆するなど逆風が強まる中、禁止条約を核保有国による実質的な核軍縮につなげられるかが焦点だ》…だそうです。
 「核兵器なき世界」ですら、デンデン王国「裸の王様」アベ様はヤル気がないということが明白。ましてや、核発電「麻薬」中毒であり、「原発は『プルトニウムをつくる装置』」な訳で、「核なき世界」など全く眼中になし。

   『●核の軍事利用と原子力の平和利用
   『●烏賀陽弘道さん
     『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了
    《核兵器をタブーの領域に押し込めた。双子の兄弟の一人を
     「いないこと」にしてしまった。原発と核兵器の「血のつながり」を
     論ずることはタブーになった》

   『●「核兵器廃絶」に対するニッポンの歯切れの悪さ…
      原発は『プルトニウムをつくる装置』、双子の兄弟の一人
   『●「核兵器のない世界」か?、「核廃絶」「核なき世界」か?
   『●室井佑月さん「金をバラまくだけの日本…
     米国の手下ですよ、という世界中へのアピール」…恥ずかしい
   『●オバマ氏の広島訪問さえも単なる選挙対策…
      自民党は「口だけ」、選挙で同じ過ちを繰り返してはいけない
    《日本政府、つまり安倍首相の考えは、“核の保有や核兵器の使用は
     認められるべき”なのだ。…安倍首相は官房副長官時代の2002年に、
     早稲田大学で開かれた田原総一朗氏との対話のなかで
     「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。
     小型であればですね」と語っている》

   『●オバマ大統領の米国、「核なき世界」にはほど遠く、 
          「核兵器のない世界」を唱えつつその現実は?
   『●《…death fell from the sky…》
       …「落ちたのではない。米国が、落としたんだ」
   『●「核なき世界」無き国…「日本や韓国など
     米国の「核の傘」の下にある国々は「勧告に同意しなかった」」
   『●日印原発輸出・輸入の狂気: 「安倍政権は
      インドが核実験した場合は協定を破棄する」という「空手形」
   『●「ヒロシマはどこにあるのか、ヒロシマはニホンにあるのか」? 
                そして、ナガサキは? フクシマは?
   『●東電核発電人災から6年が経過し、全て廃炉へ…
       な訳がない:高速炉「アベシンゾウ」がゴジラに変身する日

 要は、アベ様らは「核」を御所望な訳です…世界に向けての恥さらし

 肥田舜太郎さんは《「過去の悲惨な体験だけでは解決にはならない。現代の核の恐ろしさを伝えないと」とおっしゃ》ったそうです。また、《せめて未来の子どもたちのために、放射能の心配のない日本を残していけるよう、みんなで努力しましょうよ》とも。東電核発電人災を引き起こしたニッポンが、核発電再稼働・輸出を進める狂気。かつで、アベ様は…《官房副長官時代の2002年に…「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」と語っている》…そういう思想の持ち主です。

   『●「津田敏秀教授が「甲状腺がん多発は
     原発被曝と関係ない」派に反論」…ヒトデナシな核発電「麻薬」中毒者


 アベ様らにとって、《内部被爆》《内部被ばく》なんて、どうでも良いこと。2011年の『X年後』に何の慄きも感じていません。

   『●内部被爆: 何の対応も取らなくて本当に大丈夫なのか?
    《マル激トーク・オン・ディマンド 第556回(2011年12月10日)
     内部被曝を避けるために今こそ広島・長崎の教訓を活かそう
     ゲスト:肥田舜太郎氏(医師、全日本民医連顧問)…
      …自身も広島で被爆した経験を持つ医師の肥田舜太郎氏は、
     原爆投下直後から広島の被爆者の治療・救援にあたった経験から、
     福島原発事故でわれわれは内部被曝にもっとも気を付けなければ
     ならないと警鐘を鳴らす
      肥田氏は、広島に原爆が投下された直後こそ、原爆の熱と放射線の
     直射によって火傷や急性放射線障害を受けた患者の治療に
     追われたがその後しばらくして、原爆投下後に救援や親類の
     捜索のために広島や長崎に入ったいわゆる入市者たちの間で、
     鼻血、下痢、内臓系慢性疾患などの症状を訴える人が続出している
     ことに気がついた。…
      しかし、肥田氏はどんなに微量であっても放射性物質は病気を
     誘発する可能性がゼロではない以上、食品の規制値にこれ以下なら安全
     という数値は存在しないことを常に念頭に置かなければならない
     としたうえで、今の政府の基準や検査体制では内部被曝から子供を
     守れないと主張する》

   『●内部被ばくについての鎌仲ひとみ監督新作
    《ドキュメンタリー映画「内部被ばくを生き抜く」は、東京電力
     福島第一原発事故による放射能汚染に、どう対処すべきかを説く。
     劣化ウラン弾の影響で白血病やがんになったイラクの子どもたちら、
     内部被ばくがもたらす深刻な被害を取材してきた鎌仲ひとみ監督の
     最新作。…「広島、長崎の被爆者と違うことが起きるとは考えられない
     放射線が漏れ、人体に影響が出るのは早くて半年かかる」。被爆者を
     長年治療してきた肥田舜太郎医師は作品冒頭で、こう語る》。

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http://www.magazine9.jp/tips/thisweek/32733/

2017年3月22日
今週の「マガジン9」
vol.592
肥田舜太郎先生の教え

 肥田先生の訃報に際し、今、様々なことが思い出されています。私が被爆医師・肥田舜太郎さんのお話を初めて聞いたのは、2006年に行われた伊藤塾の講演会でのことです。広島・長崎での被爆者の方々が被爆者援護法に基づく原爆症認定を求めた集団訴訟で、大阪地裁も広島地裁も、原告全員を原爆症と認め、国が認定を却下したのは違法だとする画期的判決が出されました。いわゆる入市被爆者の原爆症認定を認めた初の判決です。その弁護団の証言者のお一人として、お話をされたのが肥田先生だったのです。

 原爆投下のその時も、広島で軍医をされていた肥田先生は、虹色に輝くきのこ雲の下で繰り広げられる地獄図を、本当にその場で見た人にしか語れない描写で語ってくれたのでした。漫画「はだしのゲン」のシーンがそのまま目の前に浮かぶような様に、とにかく圧倒されました。

 私は「ヒロシマ」でのお話をさらにお聞きしたいと、先生のご自宅まで伺いインタビューをしました。しかし先生は「過去の悲惨な体験だけでは解決にはならない現代の核の恐ろしさを伝えないと」とおっしゃり、ご自分の体験だけでなく、様々な文献やデータを示しながら教えていただきました。この時、私ははじめて低線量被曝についても知り、原爆と原発は両方とも「核」であり放射線による「ヒバク」は同じ、という今思えば当たり前のことに、気がついた瞬間でもありました。

 そして3・11がおこりました。私はまっさきに、肥田先生はこの状況をどう考えてらっしゃるのだろうか、内部被爆が逃れるためにはどうしたらいいか教えてもらいたい、そんな気持ちで私は先生がお話をされるという場所を探し行きました。会場は先生の一言一言を聞き逃すまいとする人たちで満員でした。若いお母さんから「子どもがいます、これからどこに逃げたらいいんですか?」その問いかけに先生は「もう全員内部被曝をしているんです。覚悟をしなさい。落ち着いて、その上で何をするべきかを考えましょう」と強い口調でおっしゃったことをはっきりと覚えています。

 2012年に再び肥田先生にインタビューさせていただきました。

 「世界中探しても、あなたの細胞はあなただけしか持っていないもの。大事なかけがえのない命なのだから、他人任せにはしない。一番大事なことは、自分自身の価値に目覚めること。強い意志を持って乗り越えなさい。そして、せめて未来の子どもたちのために、放射能の心配のない日本を残していけるよう、みんなで努力しましょうよ」。先生はやさしい笑顔で最後におっしゃいました。

 肥田先生、ありがとうございました。生きている限り、先生の教えを守ります。

(水島さつき)



肥田先生は、医師として被爆者を診察しずっと寄り添ってきただけでなく、核廃絶のために、また広島の語り部として国内外においてずっと活動をしてきた方です。著書やドキュメンタリー映画も残されていますし、youtube上でも講演会の模様など見ることができます。マガジン9にも語ってくださったインタビューも是非、お読みください。

 ●肥田舜太郎さん「マガ9インタビュー」
   →「ヒロシマ・ナガサキ」だけでは核抑止論を乗り越えられない
                         (2006年8月30日)
   →「今も世界中で、生み出される“ヒバクシャ”たち」(2006年9月)
   →「内部被曝を乗りこえて生きるために」(2012年4月)
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●内部被ばくについての鎌仲ひとみ監督新作

2012年06月05日 00時57分13秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2012052302000106.html)。

 鎌仲ひとみ監督の新作の紹介が東京新聞に出ていました。内部被ばくに関する映画で、チェルノブイリイラクの経験から、日本でも将来の甲状腺癌の増加などが疑われるといった内容のようです。特に、子供の内部被ばくをどのように回避するのかが大問題。国や電力会社が安心・安全を安請け合いするのではなく、小出裕章さんがいつも仰っているように、正確な汚染の数値の提示ができる体制が必要なのだと思います。ある程度の判断は我々が下せる体制の整備が重要。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2012052302000106.html

鎌仲ひとみ監督 最新映画 内部被ばくを生き抜く
2012年5月23日 朝刊

 ドキュメンタリー映画「内部被ばくを生き抜く」は、東京電力福島第一原発事故による放射能汚染に、どう対処すべきかを説く。劣化ウラン弾の影響で白血病やがんになったイラクの子どもたちら、内部被ばくがもたらす深刻な被害を取材してきた鎌仲ひとみ監督の最新作。子どもの被ばくに不安を抱く母親はじめ多くの方に見てほしいと、先月の作品完成と同時にDVDで販売するという、異例のやり方を取っている。 (小田克也)

 「広島、長崎の被爆者と違うことが起きるとは考えられない。放射線が漏れ、人体に影響が出るのは早くて半年かかる」。被爆者を長年治療してきた肥田舜太郎医師は作品冒頭で、こう語る。
 では、どうすべきか。東京大学アイソトープ総合センター長の医師・児玉龍彦さんは、内閣府が示した除染費用の目安(一戸建て70万円)について「それでは屋根に付いた放射性物質は除けない。五百万から一千万円かかる」と話す。
 除染は可能。だが、高額な費用が、除染は無理という話にすり替えられていると指摘する。除染費用が、被害額の算定なしに示されたことにも首をかしげる。そして賠償や生活保障、環境回復など、施策は一体的に進められるべきだと強調する。

       ■

 一九九一年からチェルノブイリの医療支援をする諏訪中央病院名誉院長の鎌田實さんは「ベラルーシ共和国は貧しいが、庭でできたトマトを(しかるべき場所に持って行けば)測定してくれて、食べていいか分かる。放射線測定システムが小さな村にまであることが大切」と話す。
 児玉さんも「チェルノブイリでは、ずっと子どもたちを診ていた医者が八九年ごろから、今まで見たこともない甲状腺がんが増えていると報告しだした。だから問題になった。福島で大事なのは、子どもを継続的に診る地域医療の充実」と訴える。
 作品には、被ばくに関する医療に携わってきた医師のほか、福島県二本松市で幼稚園を経営する寺の副住職・佐々木道範さんが登場。子どもたちを放射能から守ろうと、除染に取り組む姿が映し出される。
 屋根は三百万円かけて張り替え、子どもたちが飲む牛乳などの放射能を測るため、五百万円かけて機器を購入。佐々木さんは「基準値以下ならいいとは思えない。ちょっとでも入っていたら与えたくない」と語気を強める。

       ■

 東日本大震災を題材とするドキュメンタリー映画の上映が増えているが、多くは、廃虚と化した沿岸部を映し、巨大地震と津波の傷痕を示したものだ。それに対してこの作品は、原発事故による放射能汚染という、最大の脅威にアプローチした希少なドキュメントといえる。
 なぜ内部被ばくががんなどを引き起こすのか、といった医学上の問題も、DNAの損傷などを図やグラフィックスを用いて分かりやすく解説している。
 鎌仲監督はこれまで、がんで亡くなるイラクの子どもたちをはじめ、青森県六ケ所村の使用済み核燃料の再処理工場や上関原子力発電所(山口県上関町長島)の反対住民らを取材し、内部被ばくを取り上げたドキュメンタリーを三作発表。これらの自主上映会は千回以上に達し、監督は観客と対話を重ね、疑問に答えてきた。その蓄積が、今回の作品作りにも生かされたようだ。
 DVDの購入などは「内部被ばくを生き抜く」公式サイト=http://www.naibuhibaku-ikinuku.com/
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