応酬続く、前川発言…

　文科省の前政務次官の前川さんの発言に対して、安倍首相が出演したラジオ番組で「意見があるなら大臣と一緒に私の所に来たらいいのに」というような発言をしたそうな…。

　国家戦略特区に指定してまで「加計学園の獣医学部」を創設しようとしてる総理大臣に対して、文科省の政務次官とは言え「文句」をつけに行ける訳がないでしょう。

　おまけに獣医学部なんてのは５０年間も新設されていないのだし…。

　創設が見送られていたのは、どう考えても獣医を増やしたくない既存の勢力が政治家に圧力を掛けてたんだろうし、安倍さんにしてみれば盟友が創りたがってる「獣医学部」を新設するために、なりふり構わず動いたというのが真相じゃなかろうか…。

　前政務次官と安倍政権の言葉の応酬で「森友学園問題」は、どっかへ吹き飛んでしまいました。

　内閣府の誰やらが前川さんに圧力を掛けるような行動をしてたことも話題になっていますが、官邸の力が強すぎて誰も意見できないのが今の政界の姿でしょう。

　国民の望んでいないことが政治の裏側で頻発し、日本はこの数年で独裁国家のようになってしまいました。

　民主党政権も、その前の自民党政権も無茶苦茶でしたが、自民党政権が復活した時に国民が期待した安倍首相の姿は、こんなことじゃなかったはずです。

　経済は株なんかが上がって、一部の大企業やお金持ちを潤して格差社会が広がり、ブラック企業が蔓延して、労働者は低賃金で長時間労働を強いられています。

　お坊ちゃん首相は、お友達や交友関係の深い人々を優遇し、庶民からは公共料金など負担増ばかり…。

　そして、特定秘密保護法、安保関連法、共謀罪法案などで国民の自由や知る権利、プライバシーを政権が望めば、いつでも誰からも奪えるような国家優先のシステムを作ろうとしています。

　さらには、自衛隊の存在を憲法に書き込んで「これまでと変わらない組織」として「合憲化」しようとしています。

　「これまでと変わらない」なら別に今のままでいいじゃないかと思いますが、「自衛隊員の気持ち」を考えて「改憲」するというのが目的と言っています。

　それも９条の１項、２項を残したまま、自衛隊の存在を加えるという何だか訳の分らん方法で…。

　そんなことなら２項を削除して、「自衛隊は日本の国民・国土・財産を守るためにのみ自衛手段（専守防衛で）として相手国と交戦できる」とした方が分りやすいでしょう。

　もし、集団的自衛権を認めるなら「同盟国が日本の周辺で日本を攻撃している敵国から攻撃された場合にのみ集団で行動できる」とか、キチンと書いて米国が世界戦略で行う戦争に絶対に巻き込まれないような憲法にしなくちゃ、アメリカの思惑通り行動する主体性のない自衛隊になってしまいます。

　アメリカの言いなりになって遠い国での戦闘で命を落とす自衛隊員のことを思うとやり切れません。

　戦争を知らない政治家たちばかりになって、戦争という卑劣な国家間の争いをゲームのようにしか理解できない輩に、この国を任せていていいのでしょうか。