フランス大好き!

美しい、美味しい、旅しやすい国フランス。海外からの観光客が世界で一番多い国です。その魅力をさぐってみます。

ジゴンダス//リヨンからマルセイユへ(ローヌ川に沿っての旅)4

2016-01-22 18:59:00 | 
今回のローヌの旅の最大の目的はジゴンダスに在るワインメーカの「サンコム」のワインセラー訪問。サンコムの当主、ルイ・バリュオール氏とは大阪で行われたワインの展示会場で出合いました。それ以来、私はサンコムのワインの大ファン。その後に再び会った時、「ジゴンダスに来ればセラーとブドウ畑を案内するよ」との言葉。私はあつかましくも押しかけたのでした。出版された漫画「神の雫」(作・亜樹 直、画・オキモトシュウ)の中でルイのワインが華々しく登場して以来、サンコムのワインは日本でかなりの売れっ子らしい。それでも気さくで誠実で暖かい人柄は以前と少しも変わっていない。ルイの奥様と3人の子ども達ともお会いでき、本当に良い旅になりました。美しい景色に、温かい人の心が加わり、その上美味しい料理が在れば旅は最高!


(写真左)霞んでみえるヴァントゥー山。「プロバンスの巨人」と呼ばれ、北にはアルプスを南には地中海を望む山。「風の強い山(Mont Ventoux)」の名の通り、冬にはミストラルが強く吹く。自転車レースのツール・ド・フランスでも最高難度の山岳ステージとして知られています。(写真右)ドンテル山。ジゴンダス近くに在る比較的低い山。ハイキングに人気の山で、ジゴンダスの村が入り口になっています。
どちらの山も頂上は雪が積もっているかのように白く見えますが、雪ではありません。石灰岩が多いこの土地ならではの風景です。この石灰の多い土地が良いブドウを育て良いワインを作るのです。


(写真左)ジゴンダスの村。(中)プロバンスは雨の少ない乾いた土地柄です。村のあちこちに地下から水を汲み上げるこのような昔からの古い泉が見かけられます。ローヌ河沿いの村とは違った景色です。(右)領地内に在る12世紀頃のチャペル。バリオール家の先祖は16世紀ごろ、この地でワイン造りを始めたそうです。ルイは14代目の当主です。


(写真左)バリオール家の自宅のすぐ横のブドウ畑で。小規模の畑がコンドリュー辺りから南の方までローヌ河沿いにあちらこちに在って、土壌に合う品種のブドウの木を植えているそうです。(写真右)ワインの熟成のための蔵も自宅のすぐ横に在って、試飲させてもらいました。ワインが作られている蔵で、作り手から直接注いでもらうワインを飲むなんて、本当に贅沢です!


(写真左)シャトー・サンコムの石の看板。歴史が感じられます。(右)サンコムの代表的ワインの’ジゴンダス’。左は1999年で古いデザインのラベル。右は今も使われているラベルの2003年のジゴンダス。


東京から来られたインポーターの鈴木さん御一行様も合流して、村一番のレストランOustaletで夕食。大きなプラタナスの樹が腕を広げた木陰のテーブルで、夕日が少しずつ回りの景色の色を変えながら山の向こうに沈んで行き、最後に紺色の空になるまでプロバンスの美しい夕暮れの一刻一刻を楽しみました。暗くなったらちょうど満月です!住人が500人ほどの小さな田舎のレストランで、こんなに美味しくて美しくて独創的な料理が在るのだと驚き、そして自然の美しさに酔いました。飲んだワインは、ルイの仕事仲間のアルノーさんが持ち込んだブルゴーニュのセラーから直行のラベルなしのムルソーと'シャトーヌフドパプ'Nhertの白ワイン、赤はサンコムの’ジゴンダス'1999年と2003年。他は覚えていない~ でも間違いなく人生で一番美しくて美味しくて豪華な夕食でした。

 
(写真左)ワイン作りもチェロもどちらも芸術!!Great artist, Louis!(写真右)漫画「神の雫」の中でサンコムのワインが絶賛されています。













タン・エルミタージュ//リヨンからマルセイユへ(ローヌ川に沿っての旅)3

2016-01-19 08:49:58 | 
タン・エルミタージュの駅を降りたところからこの町はワインメーカのシャプティエの世界。ブドウ畑の続く丘の中腹には’M Chapoutier'の看板があちらこちらに。町はワインンビジネスで潤っているのか教会や郵便局、メインストリートも新しく手が入っていて美しい。タン(地元の人はそう呼んでいる)はローヌ川を渡った対岸にあるトゥルノンの町とはTwin-Towns。どちらも活気があるのに静かで清潔。日曜日の午後は対岸のトゥルノンで川を眺めながら食事なんかいいですね。私たちが宿泊したホテルはタンの町のローヌ川に面した所に在り、新くて気持いい。海の開放感も素的だけれど、豊かに流れる河もヒーリング効果あり。

 
(写真左)タン・エルミタージュの駅舎の色が素敵です。オレンジ系の濃いめのピンクの駅舎って日本では思いもよらない色ですよね。この色は町のあちらこちらの建物に使われています。(写真右)駅舎の後ろは丘の上までブドウ畑がつづいています。

 
 
タン・エルミタージュの村とブドウ畑。斜面の急な場所では馬を使っての作業もおこなわれている。  

 
タンの町側から対岸のトゥルノンを眺める。(写真右)トゥルノンに在る要塞。

 
(写真左)タン側から望むトゥルノンの町と橋の写真。歩行者専用です。(写真右)トゥルノン側からの橋と私たちが泊まっているHotel les 2 coteauxを望む。ホテルの後ろに見える山肌は、ブドウの木に覆われています。

 
ホテルの部屋からの眺め。ローヌ川がゆったりと流れ、本当にリラックスさせてくれたホテルでした。



コート・ロティ&コンドリュー//リヨンからマルセイユへ(ローヌ川に沿っての旅)2

2016-01-11 18:54:47 | 
リヨンからヴィエンヌへは電車で30分ほど。この町を有名にしているのはローマ遺跡。それ以上にヌーヴェル・キュイジーヌの生みの親、故シェ・ポワンのレストランの'ピラミッド’が在る町として有名です。そして私達が目指すローヌワインの産地のコートロティとコンドリューはこのヴィエンヌの町とはローヌ川を挟んで向こう,西側にあります。できる限り公共交通機関でというのが私たちの旅のコンセプト。ヴィエンヌの観光局の裏手のバスターミナルから出る数少ないバスに乗り込みました。ここの住人達にとって地元のバスは車を運転しない老人と学校に通う子ども達のもの。学校が休みの夏場には極端にバスの便が少なくなります。レンタカーを使う案はいつも頭にあるのですが、今度の旅でも村の人達や他のバスの運転手さんにまで親切にしてもらって、やっぱりローカルバスだ!と思ったのでした。そうそう、私達の乗ったバスの運転手さん、私がバスの中からコンドリューの観光局の建物を見つけて'Office du Tourisme(観光局)'と叫んだら、わざわざバス停でない観光局の前でバスを止めてくれたよ!


(写真左)石の山肌が迫るヴィエンヌの駅。ヴィエンヌの観光局は駅のすぐ近くにあります。この町にはローマ時代の遺跡の神殿やローマ劇場が在り、ここを会場にしてジャズ・フェスティバルが毎年行われています。私たちが訪れたこの日がフェスティバルと重なり、ヴィエンヌでホテルを予約する事が出来ずにリヨンで泊まることになりました。夏にはいろんな町でジャズフェスティバルが在るので、週末のホテル予約は要注意です。

 
(写真左)ヴィエンヌのジャズフェスティバルの旗が町中に。(写真右)コートロティのブドウ畑が広がる丘のすそ野にあるAmpui(アンピュイ)の町の、地元でも有名なBistrot a Vin de Serineとそのバーのマスター。アル中気味に見えたけどとても愛想良く対応してくれました。


(写真左)コンドリューの小さなホテル、La Reclusiereのテラス・レストランで昼食。(写真右)コンドリューではワインは白のみが生産されます。コンドリューの町でコンドリューの白ワインを飲みながらランチタイムとはなんと贅沢。至福の時が流れます。


(写真左)コートロティーの丘。ローヌの中でも一番北のブドウ畑でAOCワインを産出。「コート・ロティ」とは、「火あぶりの斜面」を意味します。その名のとおり、温暖な大陸気候の中、東南~南を向いた急斜面の段々畑が広がり、そこでワイン用のブドウが生産されています。土壌は花崗岩や片岩からなり、水ハケがよく、優れたブドウが育ちます。その反面、機械などを使った大規模な生産には適さない土地です。コートロティーはローヌワインの産地の中でもトップクラスのいいワインを作り出す地域です。
昔から私はローヌのワインが好きでした。あまり味覚が繊細でなく大雑把な私にとっては、はっきりした味のローヌワインは美味しくて、その上お値段もボルドーやブルゴーニュに比べてお手頃なのです。この景色を眺めた後は、増々美味しいでしょう!







リヨン//リヨンからマルセイユへ(ローヌ川に沿っての旅)1

2016-01-04 17:24:28 | 
大学時代からの友人Mapyと毎年旅に出るようになって10年以上になります。「どの旅が一番思い出深い?」と彼女に尋ねると、「ローヌ川に沿っての旅」と。わたし自身もおなじ。旅程を立てるのに苦労したらしただけ訪れる土地は素晴らしく、ローヌ川のゆったりした流れに癒され、初夏の青い空の下、思い出いっぱいの旅となりました。


リヨンの町は昔から絹織物の産地として有名で、ヨーロッパでも有数の商業都市として長く繁栄してきました。フルヴィエールの丘から旧市街を眺めると、赤い屋根の家々が眼下に広がっていいます。歴史と富に裏付けされた美しい街です。この丘にそびえ建つ美しいノートルダム・ド・フルヴェール・バジリカ聖堂が右の写真です。

  
(写真左)フルベールの丘に登るにはこのケーブルカーに乗ります。ほんの数分で到着。(真中)ノートルダム・ド・フルヴェール・バジリカ聖堂の内部はおごそかで美しい。(写真右)ソーヌ川からフルベールの丘を望む。

 
(写真左)ベルクール広場に立つ星の王子さまと作家のサンテクジュペリの像。サンテクジュペリはリヨン生まれ。リヨンの空港も今はリヨン・サンテクジュペリ空港と呼ばれています。(写真右)リヨンの貴族の館らしく優雅な階段が美しい。



ローヌ川に沿っての旅は、ここが出発点です。