アンドレ・マルロー近代美術館とそのすぐ前の駐車場の入り口近くにあるモネの「印象、日の出」のパネル。
セーヌ川がイギリス海峡に流れ込むLe Havre(ル・アーヴル)の街は第2次世界大戦で大きな被害を受け、古い街並みのほとんどが失われました。その後、1945年から1964年にかけ、コンクリートの詩人と呼ばれる建築家オーギュスト・ペレの設計により、大掛かりな再開発が行われました。そしてその都市計画は認められ、2005年に「ル・アーヴル、オーギュスト・ペレによる再建都市」は世界遺産に登録されました。110メートルの高さのサン・ジョセフ教会の八角形の塔は、町の復興のシンボルとしてそびえ立っています。
もう一つル・アーヴルを特別な街にしているのは、ここが「印象派」という名の発祥の地だからです。
1874年ル・アーヴルのある写真屋で仲間たちと開く展覧会の準備中に、カタログにのせる絵の題名をなんとするのかと尋ねられた時モネは、この絵はル・アーヴルの実景とは正直言えないから<印象>としておいてくれと答えたそうです。印象派という名は、たまたまつけられた名前だったようです。そういえば、‘印象・日の出‘の絵、そんなに気合い入れて描いているようではないですよね。今では偉大な”印象派“も始まりは、まだまだ本人たちにも、人々にも認識されていなかったようです。
そうそう、来年の春、モネ展が京都市美術館にやってきます。
モネ展 印象・日の出から睡蓮まで
2016年3月1日~5月8日
京都市美術館 マルモッタン・モネ美術館協賛
パリのマルモッタン・モネ美術館と言えばこのノルマンディーの旅の最後を飾る場所になるはずでした。しかしル・アーヴルでの最初の夜、頭が痛い、気持ち悪いと言って私は倒れました。硬膜下出血です。Mapyの手際の良い手配で最終的にはルーアンの病院に救急車で運ばれ手術。2週間の入院で退院。迎えに来てくれた娘に連れられ日本に帰ってきました。(空港で車いすに乗っていると、列に並ぶこと無しにドンドン進めるのですね。)最近旅行保険に入る人が少ないとか聞きましたが、私はいつもお守りだと入っています。入っていなかったら大変な費用になったはずです。(一千万円近かった?)こんなこともあるので、お気を付けて。