ねっ。僕のこの姿 痛・痛そうでしょう?
例のノラ猫が変な顔のおはなの事が気にいって、
追いかけ回すんだよ。
そこで僕が懲らしめるつもりが逆にやられて、
近所の病院に連れて行かれて・・・
でも、其処の先生はどうも猫が苦手らしく、
少し離れた所から見て、触りもしないで「
心配いりませんね」だって。
所か゛ばい菌が付いて居たのか、どんどん化膿して
熱も出るし、又病院に行ったら先生が「手術しますから」
入院10日間して帰って来たけど、ごわごわの包帯が
傷口にすれて1歩も歩けなくなっていたんだ。
傷口の場所の包帯が返って痛くして・・・
痛くって、食いしん坊の僕もさすがに何も
たべられなかったね。
父さんが僕の為にお水を運んで呉れて、
熱があるからって氷を入れて呉れたり、
とうさん・かあさん・そしておはなまでが看病たものね。
痛くって動けない僕も少し筒歩けるようになり、
ほらお水も飲みに行けるようになったよ。
糊の利いたさらしの包帯は丁度傷口に
当ってすれて辛かったのをかあさんが見て・・
父さんのゆかたを作る為の絞りの藍染めにした、
1反分を「父さんには又作ってあげるからと。
何回も何回も藍の中に入れて作った生地で柔らかく
僕の体な合わせてつくってくれて・・・
藍は傷口に好いんだそうだよ、
お陰で大食いの僕は食慾も出て来たのさ。
1反の生地を1センチ間隔で一針・一針縫って絞り、
藍も何回も入れて手を青くして作ったのを
{ジーコの為なら}と作ってくれたのさ。
でも作ると言っても針で縫ったのでないよ、
ハサミでヂョキ・ヂョキと切るだけなんだ。
少し筒だけど、動けるようになったら
こっそりと覗いて傍に来なかったおはな
戸の隙間から怖々をと覗いて居たおはなも、
やっと安心したようで傍に来るようになったら、
僕のお尻まで舐めて、そばを離れないのさ。
「もう、大丈夫だよ」
「おはなが守ってあげるね。」とばかりそばを離れない。
とうさんとかあさんが傷の手当てをして呉れるのだけど、
僕が厭がって鳴くと、おはなは何処に居ても飛んでくる。
そして、父さんの手や足に噛みついて僕を助けようと
して呉れるんだ。
おはなの時はジーコ兄ちゃんが沢山世話をして呉れたものね。
今度はおはなが痒い所もなめてあげるとね。
かわいいやつさ。
フーが来てからは、おはなをじゃまにしていたね。
こんなに僕の事を心配してくれて居たのにね。
すっかり、忘れて傍に来ると意地悪をして・・・・。
これからは少しおはなに優しくしてあげなければな。
こんな写真を見たら、優しくしなければと思ったよ。
ねぇ、 かあさん 父さんに絞りの浴衣作ったの?
父さんには悪い事をしてしまったんだね。
おはなには、僕を守るためだからと、
父さん随分齧られて、手も足も血だらけになってさ。
今は父さんも天国に行ってしまったから、
あの時の包帯だけでもお仏壇にあげようか?
たまに昔の事を思い出すのもいいもんだね。
僕も、21才になって、かあさんから朝晩注射を
されているので元気で居られるけど、
このごろは寝てばかり、少しはかあさんと遊んであげようかな・・・
この写真が今の僕のスタイルですよ。
中々、スマートになったでしよう?
時々、おはなやフーのご飯は頂くけどね。
お兄ちゃんが父さんの様に優しいよ。
でも、僕たちの為にかあさんが何時も叱られて居るんだ。
今も「トイレが汚れてますよっ」てね。
僕たちの為に言われています。
でもね。内緒だけどお兄ちゃんが文句を言って居る時は
かあさん、補聴器を外しているんだよ。
何時も「気にしない・気にしない」ってブツブツ言ってるかあさんだよ。