東京新聞より転載
アサリで東京湾浄化 環境省「五輪向け事業」 便乗予算 きょうからレビュー
2015年11月11日 朝刊
環境省が二〇二〇年東京五輪・パラリンピックを理由に、アサリやシジミなどの水生生物で東京湾の浄化を目指すとして事業費五千万円を、一六年度予算編成で要求していることが分かった。河野太郎行政改革担当相は「五輪便乗予算」と批判。予算の無駄を点検する十一日からの「行政事業レビュー」で、これを含めて不要不急の五輪便乗予算が紛れ込んでいないか検証する。 (我那覇圭)
この事業は「沿岸域環境改善技術評価事業」。一五~一七年度、東京湾沿岸に小規模の試験設備をつくり、アサリなどを使って水質の改善効果を調べる。最終的に十六種類の生物が水底にすみ着くことを浄化の目安とする。一五年度は試験の候補地選定のため五千万円を計上した。
環境省の担当者は、トライアスロンなどの会場になるお台場周辺で夏に赤潮が発生することに触れ「選手や観客に、より良い東京湾を提供するためにも大事な事業。海に生息する生物を使えば環境への負荷が少ない」と説明する。
二枚貝は水中のプランクトンを食べるため水質浄化が期待されているが、海で十分な実証試験が行われたわけではない。効果が確かめられても本格導入は一八年度からで、河野氏は「五輪までに、アサリでどれだけ東京湾がきれいになるのか」と疑問視する。
レビューでは、本紙が以前報じた、五輪で来日する外国人に日本の花の魅力を伝える農林水産省の事業や、五輪に向け「文化芸術立国」をアピールする文部科学省の事業も点検する。
本紙の調べではレビューの対象以外でも、農水省は有機農産物を栽培する農家を育成する関連費などとして一六年度予算編成で一億円を新規要求。説明資料で「五輪では『持続可能で環境に優しい食料の使用』が目標となる」とした。
アサリで東京湾浄化 環境省「五輪向け事業」 便乗予算 きょうからレビュー
2015年11月11日 朝刊
環境省が二〇二〇年東京五輪・パラリンピックを理由に、アサリやシジミなどの水生生物で東京湾の浄化を目指すとして事業費五千万円を、一六年度予算編成で要求していることが分かった。河野太郎行政改革担当相は「五輪便乗予算」と批判。予算の無駄を点検する十一日からの「行政事業レビュー」で、これを含めて不要不急の五輪便乗予算が紛れ込んでいないか検証する。 (我那覇圭)
この事業は「沿岸域環境改善技術評価事業」。一五~一七年度、東京湾沿岸に小規模の試験設備をつくり、アサリなどを使って水質の改善効果を調べる。最終的に十六種類の生物が水底にすみ着くことを浄化の目安とする。一五年度は試験の候補地選定のため五千万円を計上した。
環境省の担当者は、トライアスロンなどの会場になるお台場周辺で夏に赤潮が発生することに触れ「選手や観客に、より良い東京湾を提供するためにも大事な事業。海に生息する生物を使えば環境への負荷が少ない」と説明する。
二枚貝は水中のプランクトンを食べるため水質浄化が期待されているが、海で十分な実証試験が行われたわけではない。効果が確かめられても本格導入は一八年度からで、河野氏は「五輪までに、アサリでどれだけ東京湾がきれいになるのか」と疑問視する。
レビューでは、本紙が以前報じた、五輪で来日する外国人に日本の花の魅力を伝える農林水産省の事業や、五輪に向け「文化芸術立国」をアピールする文部科学省の事業も点検する。
本紙の調べではレビューの対象以外でも、農水省は有機農産物を栽培する農家を育成する関連費などとして一六年度予算編成で一億円を新規要求。説明資料で「五輪では『持続可能で環境に優しい食料の使用』が目標となる」とした。
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