サムライ左近法務事務所の事件帳

本業の法律事件の他、考古学、歴史学、戦国山城等を、その実証から紹介します。

物言わぬ悪代官

2011-02-04 17:10:07 | Weblog



引負いの罪人には代官が多いと言われる。

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「引負い」を広辞苑から拾い出すと

①商店の手代が請売りして
 その損金が主人に対して負債になること

②使い込むこと

③売買・取引を他人に代わって行い、そのために
 生じた損失が自己の負担になること

と書かれている。


江戸時代、幕府の財政が逼迫した時期に多く
元禄4年には四人の代官が切腹、
一人が遠島に処せられている。

松平定信が老中をつとめていた天明期には
さらに多数の代官が罰せられた。

その中で
飛騨の代官であった大原亀五郎は
八丈島に流されている。

大原亀五郎は大原彦四朗の嫡男で
(父の彦四朗は
明和騒動・安永騒動を制し、郡代まで
昇進している。)
跡目を継いで第13代飛騨郡代になった。

亀五郎は私利私欲に走り、
過納金(米一俵につき30〜50文を過納し、
納め終わると、百姓に返す金)を返さず、
また村々から618両を借り、さらに幕府が
天明の大飢饉対策としての農民に対する年貢の
免除分を取り上げ、自分のものとしてしまったと
言われている。

しかし一方では、父彦四朗が多額の負債を残したため
亀五郎が必死で赤字財政の立て直しをはかったが
おりからの大凶作と大火にたたられて
天明騒動にまで発展したため
「引負いの科」で八丈送りとされた
とも言われている。

本当は何が真実であったのか・・・・。


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