旅する心-やまぼうし

やまぼうし(ヤマボウシ)→山法師→行雲流水。そんなことからの由無し語りです。

古書店の町(ブックタウンBook Town)なるものに

2008-10-29 23:14:10 | 地域魅力
先日、何気なくテレビを見ていたら、『ブックタウンBook Town』で成功した事例を紹介していた。イギリスのヘイ・オン・ワイ(Hay on Wye)、ベルギーのルデュ(Redu)というところだそうだ。

どちらも交通の便があまり良くない片田舎。古書販売の店が集積し、その地の歴史や風土との調和もとれて、多くの来訪者でにぎわっているらしい。

ヘイ・オン・ワイは、かなり変りものの方が始めた取組とのこと。「あわてず、あせらず、あなどらず、あきらめず、あやまたず、あてにせず」 をまさに地で行ったような方のようだ。特に、最後の「あてにせず」とは行政に対してのことだが、ここが肝心なところ。本人のパブリシティ Publicityの巧さがカバーしているらしい。

一方、我が国では、福島県只見町で『只見・本の街』(たもかく株式会社)の取組が進められている。こちらは、本やCDを定価の10%で評価、1750円につき只見の森1坪 と交換するシステムを採っている。また、交換券にしておけば、「たもかぶ本の店」で本の購入代金や提携旅館の宿泊料金に充てることもできるようになっている。


ちなみに、「ブックタウン」をキーワードにインターネットで検索してみると、ブックタウンと名付けた町の本屋さんがかなり出てくる。また、巷(ちまた)では、ブックオフなる日本最大級の古書販売のショップがあちこちにある。しかし、これらは先述のブックタウンとは、本質的に違っている。


ところで、わが郷里は町に本屋さんが一軒もない。かつて公民館図書室には陽に焼けた昔の本が並び、地元の方々は、「図書館が欲しい」と切に願っていた。市町村合併に伴う計画では、町の中心部(旧役場庁舎跡)に図書館と「道の駅」的な物販施設を整備することでまとまっていたはずだが、その後どうなったことやら。

今は合併で一つの市になったが、それでもこの地域(わが郷里の町)に配置された書物を眺めてみると、種類(分野)も数も少なくみすぼらしいままである。(そりゃ~、そうだろう。もともと図書購入費が少ない10の自治体が合併したのだから、層など厚くなるわけがない。で、その結果は、単純公平に量も質も薄くされた図書が巡回するだけ!?)

わが郷里は、民俗学関連に興味関心を持つ人が多く、地元研究にも熱心なところ。イギリスやベルギーの例に大いに刺激を受け、人も地域も元気になっていく道はないのだろうか。

NHK 2008年10月27日 (月) 視点・論点 「読書の秋、古書の町づくり」
   http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/13236.html#header

古書店の町「ヘイ・オン・ワイ」を訪ねて
   http://www.edogawa-u.ac.jp/~tsuzuki/chiiki.html
    江戸川大学 社会学部 ライフデザイン学科教授の鈴木輝隆さんのサイト)

小さな本の村、ルデュ(Redu)
http://world.ponopeople.com/belgium/photo2.html

只見・本の街
たかもく株式会社(福島県南会津郡只見町)
   http://www.tamokaku.com/2005/index.html

※トップ画像は、恩師の佐藤先輩からいただいた宮本常一全集など65冊。



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