旅する心-やまぼうし

やまぼうし(ヤマボウシ)→山法師→行雲流水。そんなことからの由無し語りです。

岩手県花巻市の大沢温泉に行く

2006-08-22 22:54:15 | 地域魅力




8月19日(土)に花巻の大沢温泉に出かけた。あの宮澤賢治もしばしば訪れていたという温泉である。

ご一行様は総勢10名。けっこうな人数である。内訳は、わが仙台2名、東京3名(うち一人は生後4ヶ月の幼児)、花巻5名。

仙台組がJR東北新幹線新花巻で東京組を出迎え、花巻組は2家族それぞれが車に分乗。大沢温泉で合流となった。


話には聞いていたが、この宿は確かに良い。洗練された落ち着いた雰囲気の山水閣。昔の面影を色濃く留める木造の菊水館。それに湯治客用の自炊部がある。(自炊用に設備は整っているが、煮炊きをしているのは一人しか見かけなかった。いろいろなメニューを掲げた食堂も整備されているからだろう。)

案内された二間続きのその部屋は、五人が寝ても十分な広さ。当然、バス、トイレ付き。早速、歓迎の差し入れが届けられた。この宿で働いているという親類が気を使ってくれたのだという。写真は、そのフルーツの盛り合わせ。
  (注)写真は、全て東京組が撮ったものをこっそり拝借。






感心したのはこれからである。

温泉につかろうと思い、浴衣に着替えることにした。押入れの下の引き出しを空けようとして、「さすが!!」となった。何cm~何cmまでの方にといったように、身長の大きさごとにきちんと用意されていたのである。これなら、丈が短くツンツルテンになったり、長すぎて裾を引きずって歩くことが無くて済む。心憎い配慮。


次はいよいよ混浴(男女)露天風呂の楽しみ!?これまた話に聞いていたので、入らない手はない。(わたしはこれまで混浴には入ったことがない。)義弟を誘い、長い廊下を下って『大沢の湯』に行った。

豊沢川を見下ろすその露天風呂は、川向の風呂に行く橋がすぐ脇にある。行き交う老若男女がこちらを眺め、何やら談笑。そんな光景の混浴。

先客は3人。いずれも年配の男性ばかり。若い女性がいるなどとは期待はしていなかったが、これでこちらも気兼ねなくお湯につかることができるというもの。

泉質は、無色透明アルカリ性単純泉。効能は、神経痛、リュウマチ、胃腸病、うちみ、くじき、婦人病等。膚にしっとりとくる。う~ン、とてもいい。

しかし困った。しつこくまとわりついてくるアブ。刺されると痛い。首までお湯につかり、頭の周りをブンブン飛び回るアブを追い払いながらのけっこう緊迫した状態。とても、身を乗り出して下の清流や山の深緑を楽しむことなどできない。

ここにきてハタと気がついた。湯から上がり、身体を拭くときはどうなるのだろうと。その心配は的中した。

とても身体を拭く間もとれない。上半身、下半身問わず、すぐにアブが寄ってくる。素っ裸の状態のままタオルを振り回し、追い払うのが精一杯。橋の上を行き交う人は、この光景をどのように思って眺めていたのだろうか。・・・・想像することは止めておく。

濡れたまま浴衣を着て、そうそうに立ち去ることにした。

(ここで、バスタオルを巻いた若い女性が入ってきた。“浴槽にはバスタオルを入れるな”と注意書きがある。彼女はどうするのだろう?アブとの格闘はどうなるのだろう?そんな思いを巡らしながら退散となった。残念!!)

~この時期の露天風呂に、アブが出現しないほうが異常。それは十分承知。それにしても、いいお湯だった。~


いよいよ、夕食懇談会。お品書きを見て、またまた感心。いや考えさせられてしまった。小鉢、前菜、吸い物、造り、・・・。何とこれらに使われている食材の数は62品。さらに追加でフカヒレのそれこそ大姿煮が出てきた。これだけの数を集め、調理していることのすごさ。

わたしは、お造りと称される刺身の盛り合わせは苦手で、山菜があれば良しとする手合いだから、「旅館業とはなんと大変な世界か。こんなに種類を多くしないとお客さんに喜んでもらえないのか?」とつい思ってしまった。料理はどれも逸品ぞろい。一同、とても満足していたが、こちらは少々複雑な気持ちになったのである。

翌朝は建物内の大浴場に入り、しばし周囲の景色を堪能。朝食はバイキング方式。昨夜はあれだけ飲み食いしたのに、またまた大食いとなってしまった。


とても満ち足りた気分で、従業員の方に見送られ宿を後にし、花巻の親戚の家に立ち寄って墓参りを済ませ、東京組を新幹線駅まで送り、仙台に帰ってきた。


今度はアブの来ない紅葉の季節に、ぜひ行きたいものである。お忍びで・・・?






みちのく花巻 大沢温泉公式ウエブサイト ⇒ こちら
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