旅する心-やまぼうし

やまぼうし(ヤマボウシ)→山法師→行雲流水。そんなことからの由無し語りです。

三つ指をついて迎えてくれる麗人を想像すると

2006-06-04 00:49:41 | 日々雑感




 疲れた身体を引きずるように我が家に帰ると、「おかえりなさい!!」と明るい声で迎えてくれる。そんな家族が欲しいと長年思ってきた。

 社会に出てすぐ結婚。以来、今も共働きの日々を送っている。それこそ若いころは、共に仕事が忙しく、毎日残業に追われていたので、相手の帰宅をゆったりと出迎えてあげるようなゆとりが無かった。

 その実、身勝手なもので、いつか“三つ指をついて迎えてくれる”そんな場面に会いたいものと思っていた。


 我が家にとても礼儀正しい寡黙な客人が居候していることは、すでにご紹介した。その客人は、家族に成り代わり、この季節から秋の終わりにかけて、わたしたちの夜の帰宅にはシッカリと出迎えてくれるのである。

 きちんと玄関先に正座をし、それこそ三つ指をついての出迎えとなる。「おかえりなさい!!」の元気な声は無いけれども・・・。

 姿、かたちはイマイチだが、やはり心こそが大事。家族の忙しさを知ってか知らずにか、黙して行うその心には、素直に感謝すべきだろう。

 グリム童話に『カエルの王さま』というのがある。話の内容は、マリを池に落としたお姫様と魔法をかけられたカエルとの出会いから始まるもの。お姫様が約束を守るとカエルは王子様に変身。ふたりは結ばれ、ハッピーエンド!!

 一方、仏教では輪廻転生を教えているそうな。さすれば、目の前の出迎え者は、前世で何かがあったからガマガエルの姿になり、いま修行を積んでいるともとれる。ひょっとすると、それこそ麗人であったのかもしれない。

 いつか“見目麗しい”姿に変身してくれることを想像し、静かな出迎えにこれからは「ただいま!!」と声をかけようと思う。

   ※写真は、散歩の途中で見つけた花。

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