旅する心-やまぼうし

やまぼうし(ヤマボウシ)→山法師→行雲流水。そんなことからの由無し語りです。

感動!!林隆三さん、宮澤賢治生誕110年祭で朗読

2007-08-04 22:38:04 | 映画・芸術・芸能




8月1日(火)、今年最初の夏季休暇をとって花巻の宮澤賢治童話村に出かけた。

今年は、明治29年(1896年)8月27日に宮澤賢治が生まれて110年目の年に当たる。また花巻市、東和町、石鳥谷町、大迫町との合併によって新花巻市がスタートした年でもあることから、賢治の誕生日までの約1ヶ月間、いろいろなイベントが開催されることになっている。

8月1日はそのオープニングの日であり、わが敬愛する林隆三さんが賢治作品を朗読することを知っていたからである。


花巻は、前日までのどんよりとした梅雨空はなく、暑くもなくとてもさわやかな天候であった。

林隆三さんの朗読会(コンサートといった方がより適切かもしれない)には、これまでも何度か出かけたが、この日は特別。何といっても賢治の故郷、それも賢治記念館のすぐ脇の童話村でのものである。

朗読は『鹿踊(ししおどり)のはじまり』の一作品のみ。しかし、いつにも増して熱の入ったものだった。広い芝生広場を取り囲む赤松の木々の向こうに、それこそ緑風に溶け込むように林さんの朗々とした声が、そして花巻弁が広がっていく。まさに、花巻の風土と一体化した感さえした。

林さんの朗読に続き、花巻農業高校の男子生徒による鹿踊が披露された。これまたすごい。シッカリとした足の運びに支えられた躍動、力強く打ち鳴らされる太鼓。演舞の解説付きであったから、内容理解が進むのでなおさら感じいってしまった。

林さんは、いまから4年ほど前に花巻農業高校を訪れた際に、高校生による鹿踊を見てとても感激したそうである。そのときは女子生徒が踊ったとのことであるが。

ステージが全て終わってすぐに、林さんと挨拶をかわすことができた。「始まりのときから来ているのはわかっていたよ。」と言いながら手を差し伸べてくださったので、朗読にも鹿踊にも感動していたこちらは遂に舞い上がってしまった。

握手をしながら、「とても素晴らしい!!・・・」のほかに言葉が浮かんでこない。何とも情けない状態になってしまった。

「農業高校の敷地の隣に『花巻農学校精神歌』の碑があります。その詩はとてもすごい。賢治祭のフィナーレには参加者が全員で歌うんだそうです。今日の高校生の鹿踊も、その精神歌が生きているんでしょうね。」口から出たのはこういったもの。林さんの朗読への感想ではなく、鹿踊の感想になってしまった。

でも、宮澤賢治⇒林隆三さん⇒精神歌⇒農業高校生⇒宮澤賢治といった連関関係をうまく表現できなかったのだということは、林さんには解っていただけたと思う。



8月27日は仙台で、林さんと仙台フィルハーモニーのジョイントコンサートが開催される。その日は、奇しくも賢治生誕の日。そこでの再開を約束し、とても言い表すことなどできそうもない感動を持って仙台に帰ってきた。

※花巻市公式ウェブサイト『賢治生誕110年祭』 http://www.city.hanamaki.iwate.jp/kankou/kankou_1/kankou_2/contents_1/kenjiseitan_110maturi.php

※『花巻農学校精神歌』については、2006/04/24 作成の『心に沁みる~「下ノ畑ニ居リマス」と「こんにちは!」』を参照。

曲そのものはこちらから
・宮澤賢治の詩の世界
     ⇒ 歌曲の部屋  http://www.ihatov.cc/song/index.html
     ⇒ トップページ http://www.ihatov.cc/index.html



▲童話村


▲童話村への沿道のアジサイ~大きな花アブがとまっている

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