旅する心-やまぼうし

やまぼうし(ヤマボウシ)→山法師→行雲流水。そんなことからの由無し語りです。

「ニッコウキスゲ」と「ヤマボウシ」が栗原市の花と木に

2008-08-21 23:43:13 | 地域魅力
今朝の河北新報に、「栗原市花木等選定委員会」(委員長・菅原亀悦岩手大名誉教授)が市のシンボル花木に「ニッコウキスゲ」と「ヤマボウシ」を選定し、市長に答申したと載っていた。


                         (ニッコウキスゲ)

                      (ヤマボウシ:一般的に野山で見られるのは白が多い。)

「あア~、良かったなア」 ジワッと安堵感が湧いてきた。

地元に深く根ざした花であり、木である。自分も幼いころから慣れ親しんできた。

華やかさにはやや欠けるにしても、目にする人の心に静かに入り込み、郷愁を植え付けていく、そんな花、そんな木である。

ニッコウキスゲの花ことばは、「日々新たに」だという。6月の地震被災からの復興に取り組んでいる住民の方々の思いにぴったり合致する。

この「日日新」について、『大学』伝二章には次のようにある。

その昔、商の国の湯王は、顔を洗う“たらい”の底にこれを刻み、国を治める者としての意識を新たにしていたという。

   湯の盤の銘に曰(いわ)く、苟(まこと)に日に新たに、日々に新たに、又日に新たなりと。
             苟日新
             日日新
             又日新     (『大学』伝二章)

「日日新」は、行政に通底するもの。さすれば、「日日新」の花ことばを持つニッコウキスゲは、まさに民間と行政の一層の協働を象徴するものと言えまいか。

「ヤマボウシ」・・・こちらに寄せるわが想いは、なお強い。
   ヤマボウシは心の木 ⇒ こちら

このヤマボウシについては、先日帰郷した際に叔父からまた教わった。

大工道具の鉋(カンナ)の台は、この木で作る。鍬(くわ)や鋤(すき)など農具の柄や揺るぎ止めのクサビも同じ木。桶や樽などの箍(タガ)を打ち締める際に用いられるクサビ状の道具にもこの木が使われる。生活に寄り添い、支えてきた素晴らしい木である、と。

電動カンナとか農機具の普及で、地元の民もすっかり忘れてしまっていたこの木が、ふたたび脚光を浴びることになったことはとてもうれしい。ヤマボウシが、時を超えて栗原の里をいっそう趣のあるものに変えていくのを夢みずにはいられない。



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