あらすじ
1985年8月12日、群馬県御巣鷹山にJAL123便が墜落、
死者520人の大惨事が起こった。前橋にある北関東新聞社
では、白河社長の鶴の一声により、一匹狼の遊軍記者・
悠木和雅が全権デスクに任命される。そして未曽有の
大事故を報道する紙面作り―闘いの日々が幕を開けた。
さっそく悠木は県警キャップの佐山らを事故現場へ向かわせる。
そんな時、販売部の同僚で無二の親友・安西がクモ膜下
出血で倒れたとの知らせが届く…。
【出演】
堤真一
堺雅人
尾野真千子
高嶋政宏
山崎努
感想 ※ネタバレ注意
「‥ジャンボが消えた!?」
1985年8月12日、群馬県御巣鷹山に日航123便が墜落した。
乗客乗員524名。うち生存者4名、死亡者数520名。
日本国内のみならず全世界に衝撃を与えた未曾有の悲劇。
事故を報じる記者たちは何を思い、どう行動していたのか
歴史的な大事故を横糸に、新聞社という組織の生々しい
人間関係を浮き彫りにしていく。
事故当時、地元紙の社会部記者として取材に奔走した経験を
持つ作家・横山秀夫が、17年の時をかけて書き上げた同名
小説を映画化。
御巣鷹山日航機事故の全権デスクに報道人としての使命感で
任務を遂行していく主人公を堤真一をはじめ、その他、脇を
固める俳優たち報道人っぷりの演技は見ごたえ十分!
やはり堤真一さんの演技は最高でした!それに堺雅人さん!
この人の演技もすごい!完全に2人とも一流記者でした。
事故現場の特定、事故原因の究明に混乱する現場。
そこからくる記者たちの苛立ちや思いが加熱する報道合戦。
映像からその当時の凄まじさが伝わってきました。
ラストの抜きによる「チェック、ダブルチェック!」
そこへ至るまでの、現場内でのかけひきは名シーンと呼ぶに
相応しいと思いました。
佐山が現場から帰ってきて書き上げた1文がすごい
印象的でした。
そこは地獄と言っても過言ではない惨劇の中で自衛官が
子供を抱きかかえているシーンが流れる。
若い自衛官は仁王立ちしていた。
両手でしっかりと小さな少女を抱きかかえていた。
赤いトンボの髪飾り 青い水玉のワンピース
小麦色の細い右手はダラリと垂れ下がっていた。
自衛官は天を仰いだ。
空はあんなに青いというのに
雲がぽっかり浮かんでいるのに
風は悠々と尾根を渡っていくのに
自衛官は地獄に目を落とした。
そのどこかにあるはずの
女の子の左手を探してあげねばならなかった‥。
その様子が本当に心に響いた一文。
気付いたら涙が出てしまっていた。
こういう映画を観てしまうと、何か今の自分がちっぽけに
見えて、こういう状況の中で生きられなかった人たちの
為にも自分たちは精一杯生きなくちゃと思ってしまう。
そんな思いにさせる文章や言葉の持つ力。
言葉を伝えることの難しさ。
それを人に伝えようとする思いも含め、改めてそういう
物事を伝える職業に就いている人たちのプロ魂に敬意を
表したい。
自分自身もブログやレビューを書いている人間として
もっと勉強して、いろんな言葉たちが人に伝わることの
大切さを学んでいきたいです。
【評価】
(5点/5点満点中)
クライマーズ・ハイ HP