有志舎の日々

社長の永滝稔が、 日々の仕事や出版・学問などに関して思ったことを好き勝手に 書いていきます。

戦後70年と有志舎創業10周年

2015-08-09 16:40:12 | 有志舎について
今年も8月15日が近づいてきました。
有志舎は、創業以来その出版図書目録の冒頭に書いているように、「知の力で地球上から戦争をなくす」ために出版活動をしています。しかし、だからといって直接に反戦を訴えかけるような本を出版しているわではありません。戦争を批判する精神を背後に持つ学問・研究の成果を世の中に広げていくこと、それが有志舎の使命であり、そういう地を這うような地道な出版活動によって世界の平和を実現すること、それが有志舎の創業理念です。
そうすることが、かつて満鉄や中華航空などに勤務し中国大陸侵略と台湾の植民地支配に末端で荷担した祖父をもつ私が、一生を掛けて目指すべきことだと思っているからです。このように言う事は大げさかもしれませんが、祖父や父から中国・台湾と戦争の話を子供の頃から聞かされてきた私は、中学生の頃から「なぜ日本は中国大陸を侵略したのか」という疑問を持ち、あれだけ「もう戦争はゴメンだ」と思った日本人が、「戦力を保持しない」と書かれた日本国憲法を持ちながら、なぜ自衛隊という軍隊を保持しているのか、自衛隊は憲法違反ではないのか、という疑問持って生きてきました。
その疑問は今もクリアできていません。それどころか、現在は再びその銃口を世界の人々に向けようとする法案が国会に提示されています。
戦後70年の今年、有志舎は創業10年目となりました。決して、それを意図して会社を立ち上げたわけではありませんが、どうも私と有志舎はあの戦争と縁を切ることは出来ないようです。
私はもちろん「戦争法案」にも安倍政権の在り方にも反対ですが、現状の反戦争法案デモやそれを主催している団体の在り方には色々と納得できないことがあるので、もう国会前に行くつもりはありませんが、学術書出版という現場で学問を通して反戦と非戦を訴え続けていこうと思っています。
まあ、国会前に行くことだけが唯一の反対行動の在り方ではありませんし、昨日今日からこの事を考え始めたわけではありませんから(というプライドはあります)。
そういうことで、この夏はいつもにも増して「戦争と平和」「民主主義」について読書に沈潜して考え、これからの出版に生かしていこうと思います。

ちなみに、有志舎の夏季休暇は8月19日(水)から23日(日)までとなります。お盆前後は会議や仕事が立て込んでしまって休めないので、例年より一週間遅い夏季休暇となります。
よろしくお願いします。

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