有志舎の日々

社長の永滝稔が、 日々の仕事や出版・学問などに関して思ったことを好き勝手に 書いていきます。

それにしても、呆れる・・・

2014-07-30 15:08:32 | 国際・政治

大学時代の後輩でアフリカ現代史研究者の高林敏之君のFACEBOOK書き込みより引用させていただきます。産経新聞と歴史修正主義者のバカさ加減に呆れます。

・・・(以下は引用です)・・・

国連自由権規約委員会での日本の人権状況審査の際、従軍慰安婦を「性奴隷」と表現した南アフリカのマジョディナ委員に対し、日本政府側は「『性奴隷』と呼ぶことは相応しくない」と強く反論。のみならず一部の日本人グループが一斉に拍手をしたうえ、審査終了後に同委員を取り囲み非難の言葉を浴びせかけたとのこと。
 (IWJ)http://iwj.co.jp/wj/open/archives/156845
 産経は恥ずかしげもなく、歴史修正主義の右翼女性団体「なでしこアクション」のメンバーがマジョディナ委員に詰め寄る写真までアップしている。
 黒人女性である当のマジョディナ委員は、アパルトヘイト体制に協力してきた「名誉白人」日本の有様を、すぐさま思い浮かべたことだろう。

 ちなみに産経はよほど腹立たしいのか、長文の記事で自由権規約委員会を猛批判している。しかし、かえって委員たちの極めてまっとうな人権感覚と、「狭義の強制性」だの「金の受け渡し」だのに固執する日本政府・歴史修正主義者の人権感覚欠如との落差を、浮き彫りにしてしまっている。
 産経から見ると、国連自体が日本叩きに恣意的に利用される反日的機関らしい。馬鹿馬鹿しい。国連の意思とは加盟諸国の意思の集成であって、国連にひとつの人格的意思があるのではない。そもそも、その国連で最も権限ある機関である安保理に、日本は―第2次大戦の「旧敵国」でありながら―常任理事国5か国に次いで最も長く席を占めてきた国である。安保理や総会でDPRKに対する制裁決議や非難決議を多数通過させるという政治的目的も達成してきた。国連の場を利用して憲法を空洞化する海外派兵等も実現し解釈改憲の布石も打ってきた。
 日本だって国連を恣意的に利用してきたのだ。それなのに都合が悪い決議や勧告を突きつけられると「反日」視する。これほど愚劣なことはない。
 (産経①)http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140726/plc14072609200010-n1.htm
 (産経②)http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140726/plc14072614180013-n1.htm


パレスチナと日本

2014-07-14 11:49:44 | 出版

報道にあるように、パレスチナのガザ地区がイスラエルの無差別攻撃を受けています。そのイスラエルと日本政府は、5月に防衛当局間の交流を深めることを決定しました。さらに、すでに昨年3月には武器輸出三原則の例外として日本産の部品を搭載したF-35戦闘機のアメリカにおける開発に日本が参加することになっていますから、当然、この戦闘機はイスラエルにも供与されるわけで、日本が開発に関わった戦闘機がパレスチナの子供たちを殺戮することになります。
これに関しては、以下の記事も参照下さい。http://bylines.news.yahoo.co.jp/shivarei/20130723-00026687/

もはや、日本の経済界は他人の生き血を吸ってでも肥え太りたいという戦争経済亡者に成り果てたと言っていいでしょう。
それにこの7月1日には集団的自衛権の行使容認です。
 
このような、今や世界最悪の「アパルトヘイト・テロ国家」となってしまったイスラエルと日本が関係強化をするということは、全世界のイスラム教徒やテロリストに「日本もイスラエルやアメリカと同じ、イスラムの敵である」と認識させてしまったということになるのではないでしょうか。

今後は、海外の日本NGOがイスラム・テロ組織に攻撃されることはもちろん、日本本土へのテロ攻撃の危険性も高まったといえるでしょう。安倍政権はアメリカ一辺倒の政策をとり、集団的自衛権行使まで確定させたことで、テロを日本に引き込む危険性を急激に増大させていると私は思います。
もし、これで日本にテロが起こったら、日本人自らが招いたことであるにも拘わらず、中東・パレスチナ情勢に無知な日本人は、なぜ自分たちが憎悪され、標的になったのかも分からないでしょう。もはや、日本人は中東・パレスチナの事を知らないでは済まされなくなったと言えますし、パレスチナは今や日本に直結する事態となったのです。
そういうなか、有志舎にも『イラン現代史』(吉村慎太郎著)という入門書があるのですが、それに続いては『中米現代史』(小澤卓也著)を準備中ですが、これに加えて、遅まきながら『パレスチナ現代史』の出版を考えなければと思っています。