ゆりぢるのお勝手ブログ

心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書き付けてゆきます。

歯医者ちゃん

2020-07-13 10:38:00 | 日記
さてさて、歯医者さんの予約の日がやって来た。
前回の担当医にさんざん「如何に私の抜歯の難易度が高いか」ということを説明され
「この歯はとっておいても悪にしかならない」ぐらいのことを言われてしまったゆりぢる。
すっかり抜歯への気持ちを固めていた。

前回の先生は、大学病院から非常勤で来ている先生らしく
「じゃあ、抜く時はぜひあの先生宛に紹介状を書いてもらおう」
「あの先生の初診受付の日(既にリサーチ済み)はたまたま休みを取ってたから、そこで行くとして」
「入院になる、って言ってたから、手術は10月ぐらいにしてもらおう。その頃確か姉は毎年連休を取っていたはず」
お得意の妄想はとどまるところを知らず
姉まで巻き添えにする始末。

「上の1本は簡単に抜ける、って言ってたな」
「勢い付いて『もう今日抜いちゃいましょう!』なんて言われたらどうしよう??」
「明日は用事があるので抜かないで下さい、って断ろうかな」
などと、「まだ誘われもしないデートを断るシミュレーションをするイタイ女」的な妄想まで行き着いたところで歯医者に到着。

しばらく待って診察室に通され、本日の担当医登場。
(ここの歯科医院は、院長の他にもう一人日替わりで別の歯科医がいる。
ので、私は毎回違う歯科医に治療されていた)

なんと初めての女医さんである。
こう言ってはなんだが、地味~な感じの、おとなしい~感じの先生が
「今日担当させて頂きます…」と消え入りそうな声で挨拶してきた。

今まで、若い男の先生で、やたらと楽しそうにグイグイ治療してくるタイプばかりだったので
若干怯むゆりぢる。

コックピットに座り、いざ治療開始。
この先 歯「」のセリフは弱々しく読んで下さい。
歯「前回処置したところを消毒して下さい、という指示があるので、診させて頂きます」
クッソ丁寧~!
まずは、いつも通り歯に空気を当てる。
…弱っっ!
今までは「シュッッ!」「シュシュシュッッ!」という感じで当てていたのが
この先生、「プシュゥ…」と弱々しい。
その勢いで大丈夫なの?ちゃんと何やらトバせてるの?

一通りの処置を済ませ、
歯「特に問題ないようなのですが、右上の奥が少し虫歯になっているようです
歯「今、削って詰める治療も出来ますが、もし前回処置したばかりでまだちょっと、という感じなら次回にも出来ますが」
これまた消極的~⤵️
この伝え方、さては出来ればやりたくないな?
ならば、やっていただきましょう!
私「いや、前回処置してもらった所はもうなんともないので、今やっちゃって下さい」
歯「あ、では私が治療させて頂きます」
またまたクッソ丁寧~!逆にコワイ~!

椅子を倒し、治療モードへ。
「アノ」嫌な音をさせながら削っていく。
ゆりぢるは久しぶりに石像へ憑依。
だが、なんだろう?いろんなことに気をとられ過ぎて、うまいこと石像化できない。

①あれ?なんで先生一人で処置してんの?
普通、歯科衛生士さんが隣に付いてバキュームしたり、空気を当てたりしますよね?
この先生、一人で削って、一旦中断して自分でバキュームしてるんですよ。
途中で気付いた衛生士さんが来て介助してたけど
そういえばいつもは先生が処置に入る時に
「ちょっとすみませーん」とか「お願いしまーす」とかって衛生士さんを召還してたんですよね。
この先生、引っ込み思案か!
②なんかメッチャ優し~
ちょっと削っては確認し、またちょっと削ってバキュームし、さらに削って…
長いわっ!!
男の先生の1/3のパワーでやってくれるので
時間が3倍かかるんです。
③女の先生だと、指が細いのでその点は楽~

詰めた後の微調整も、チマチマ、チマチマ…
ようやく終わると、なぜかボス(院長)登場。
一緒に私の口の中をチェック。

長「ほら、ここにまだ汚れがあるじゃない。こういうの、ちゃんとキレイにしてあげないと!磨いて仕上げてあげて」
オゥ…!
歯「何度もスミマセン…もう一度診せて頂きます」
もう何度でも気の済むまでやってくれい!

そしてようやく処置がすべて終わり、
再度ボス登場。
長「あ~、この親知らずね~。まるっきり埋まっちゃってるんだなぁ。癒着もしてるしねぇ、抜くとなったら大変だ」
長「とりあえず様子見で頑張る、ってことですね?しっかり歯磨きして下さいね~」
長「じゃ、また何かあったら来て下さい」

…アレ?
抜く方向じゃなかったの?

しかし、私もこの間の先生の勢いに圧されて
抜く気になってたようなところもあり
この状況で「いや!抜いてほしいんです!紹介状書いて下さい!」とお願いする勇気もやる気も既になく…

私「はい。歯磨き頑張ります!」
と宣言して今回の歯医者通いは終了となった。

前回の歯科医は、本来口腔外科の医師であることが大学病院のホームページで判明し
しかもそこそこのポストにいた。

どうやら、難易度の高いクエスト(私の親知らず)を攻略したくなっただけの勇者であったようだ。

この話を職場でしたら
「あぁ~!わかるよねぇ!難しい処置に挑みたくなる気持ち!」
「もうさ~、頭の中で攻略のシミュレーションが始まってたんだろうね」
「こ、この親知らずはっっ!俺が完璧に抜いてやるゼ!みたいなwww」
「ま、1週間も休まれたら困るからとりあえずよかったよ🎵」
みんな言いたい放題である。

この後の歯医者ネタのブログが続かないのは残念だが
もうこうなったら頑固な親知らずは墓場まで一緒に持ってくつもりで
大切に埋めておこうと思う。