病院に「飼い猫に引っ掻かれてしまったので診て欲しい」という患者さんが来た。
整形外科と外科、どちらにかかったら良いですか?と聞かれ
まぁ、骨とか筋や神経に障ってなければ外科でもいいか~、というのと
なんとなく親近感が湧いたので
私の一存で「外科で受けますよ~」と答えてきた。
せいぜい軟膏でも付けて、アクリノールで湿布して
抗生物質の点滴かな~、なんて思いながら診察につくと
あに図らんや、両手ガッツリ引っ掻かれて
一部分皮膚が裂けて脂肪組織まで損傷している。
診察した医師は「う~ん、これはちょっと縫った方がよさそうだね~」
ちなみに、本来猫に引っ掻かれた傷は不潔なことが多く
感染を起こす可能性が高いため基本的に縫わないのだが
ここまでヒドいとさすがに縫合した方がよさそうだ。
ただ、化膿するかもしれないので敢えて大きめに縫っておきますね、とそれぞれ3針ずつ縫合。
これは、化膿した時に膿の出口がないと傷が悪化してしまうため
わざと縫い目を大きめにして膿や浸出液が出てこれるようにするもの。
処置中、患者さん(若干年上の女性)に
どうしてこんなに引っ掻かれちゃったんですか?と聞くと
外に野良ちゃんが来て、それに興奮して網戸を破って出て行ってしまったんだそう。
慌てて探しに行くと、すぐそばの植え込みにしゃがみ込んでいたので抱っこしたところ
思いっきり引っ掻かれてしまったとのこと。
「あ~、きっと怖かったんでしょうねぇ」
「怯えて動けなくなってたんでしょうねぇ」
「どんな猫ちゃんなんですか~?」
「うちも猫飼ってるんですよ~」
「うちのはハチワレとキジ猫なんですよ~」
先生がせっせと傷口を縫合している間、
ひたすら猫談義に興じる患者さんと看護師…😅
「これは医療費はニャンコに請求しないとね(笑)」
「でも、すまなそうにしてたんで(笑)」
「あ~わかる、わかる!『やっちまった…
!』みたいな顔しますよね~www」
「看護師さんが猫好きで良かったです~」
と言い残し、患者さんは帰って行ったが
猫の本気を見せつけられた傷痕であった。
うちの銀太とミクたんなど「仲が悪い」とは言うものの
はしゃぐミクたんを銀太が威嚇しているだけで
決してケガをさせるようなことはしない。
やはり猫とはいえ本来は肉食獣で
あの爪や牙は獲物を仕留める為の武器なんだなぁと
ちょっとうちのノンキな奴らを見直してしまったのであった。
ノンキ・その1
ノンキ・その2
同じアングルにて撮影(笑)