未成年による少年犯罪とその被害者の父親の復讐がテーマ。
昨年、寺尾聰主演で映画化された作品ですね。
少年犯罪、警察、週刊誌、テレビ、世論、加害者の親…
そして、被害者の遺族の前に大きく立ちはだかる少年法。
冒頭で少年たちに蹂躪されてしまう少女は高校1年生。
その世代の娘を持つ親としては、当然のことながらその父親の立場で
場面場面の心理や行動を「自分だったら」と置き換えて読んでしまいます。
大切なひとり娘を酷い状態で殺された被害者の親が、
少年法である意味保護されている犯人を発見した時、
そのまま警察に通報し、つき出したとしても、
大した制裁も受けずに数年で出所するとしたら?
それならば自分の手で殺してやる、
って思う気持ちは、心情的によ~く理解できます。
『そんな人間に生きていく資格などない。更正する見込みもない。
だったらせめて遺族の怒りをぶつけたい。恨みを晴らしたい。
自分がどれほどの憎悪を受ける行為をしたか思い知らせてやりたい』
しかし、弁護士の立場からすると、
『少年法は子どもを裁くためのものじゃないんだ。
間違った道に進んでしまった子どもたちを助けて、
正しい道に導くために存在してるんです』
被害者の遺族は、
『だったら被害者の立場はどうなるんですか。
彼等の受けた苦痛は、どこにぶつければいいんですか。
加害者を助けることばかり考えるのが正しい道だというんですか』
捜査をする側の刑事も、復讐を果たせればいいと本音を漏らします。
『そういう気持ちになるのは当然だ。そのことに罪悪感なんて持たなくていい。
俺たちは道徳の教師じゃないし、牧師でもない。
ただの刑事なんだ。正義とは何かなんて考える必要はない。
この問題について議論する必要はないんだ。少なくとも刑事である限りはな』
物語の最後に警察を退職した元刑事がつぶやきます。
『警察というのは何だろうな。正義の味方か。違うな。
法律を犯した人間を捕まえているだけだ。
警察は市民を守っているわけじゃない。
警察が守ろうとするのは法律のほうだ。
法律が傷つけられるのを防ぐために必死になっている。
では、その法律は絶対に正しいものなのか。
絶対に正しいものなら、なぜ頻繁に改正が行われる?法律は完璧じゃない。
その完璧でないものを守るためなら、警察は何をしてもいいのか。
人間の心を踏みにじってもいいのか』
犯罪の低年齢化が進んできた現在においても、
未成年の犯罪者は少年法によって保護されていますが、
その反面、被害者側の心の傷はどうケアされるべきなのでしょう。
正義とは?正解のない重たい問いなのかもしれませんが、
自分の答えは長峰の答えとそれほど違わないような気がしました。
昨年、寺尾聰主演で映画化された作品ですね。
少年犯罪、警察、週刊誌、テレビ、世論、加害者の親…
そして、被害者の遺族の前に大きく立ちはだかる少年法。
冒頭で少年たちに蹂躪されてしまう少女は高校1年生。
その世代の娘を持つ親としては、当然のことながらその父親の立場で
場面場面の心理や行動を「自分だったら」と置き換えて読んでしまいます。
大切なひとり娘を酷い状態で殺された被害者の親が、
少年法である意味保護されている犯人を発見した時、
そのまま警察に通報し、つき出したとしても、
大した制裁も受けずに数年で出所するとしたら?
それならば自分の手で殺してやる、
って思う気持ちは、心情的によ~く理解できます。
『そんな人間に生きていく資格などない。更正する見込みもない。
だったらせめて遺族の怒りをぶつけたい。恨みを晴らしたい。
自分がどれほどの憎悪を受ける行為をしたか思い知らせてやりたい』
しかし、弁護士の立場からすると、
『少年法は子どもを裁くためのものじゃないんだ。
間違った道に進んでしまった子どもたちを助けて、
正しい道に導くために存在してるんです』
被害者の遺族は、
『だったら被害者の立場はどうなるんですか。
彼等の受けた苦痛は、どこにぶつければいいんですか。
加害者を助けることばかり考えるのが正しい道だというんですか』
捜査をする側の刑事も、復讐を果たせればいいと本音を漏らします。
『そういう気持ちになるのは当然だ。そのことに罪悪感なんて持たなくていい。
俺たちは道徳の教師じゃないし、牧師でもない。
ただの刑事なんだ。正義とは何かなんて考える必要はない。
この問題について議論する必要はないんだ。少なくとも刑事である限りはな』
物語の最後に警察を退職した元刑事がつぶやきます。
『警察というのは何だろうな。正義の味方か。違うな。
法律を犯した人間を捕まえているだけだ。
警察は市民を守っているわけじゃない。
警察が守ろうとするのは法律のほうだ。
法律が傷つけられるのを防ぐために必死になっている。
では、その法律は絶対に正しいものなのか。
絶対に正しいものなら、なぜ頻繁に改正が行われる?法律は完璧じゃない。
その完璧でないものを守るためなら、警察は何をしてもいいのか。
人間の心を踏みにじってもいいのか』
犯罪の低年齢化が進んできた現在においても、
未成年の犯罪者は少年法によって保護されていますが、
その反面、被害者側の心の傷はどうケアされるべきなのでしょう。
正義とは?正解のない重たい問いなのかもしれませんが、
自分の答えは長峰の答えとそれほど違わないような気がしました。