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のんびり ゆっくり まったりと~♪

雪下ろし kesenaikizu

2006年07月27日 | 我々をさらけ出せ
今年は雪が多い。
屋根の上一人。そう心の中で反芻する。
私が親友と認めた相手に乞われれば、
断る理由は、私の中には皆無だ。
先週も親友の実家の雪下ろしを手伝いに来た。
もちろん、あの莫迦共も一緒だ。
『腐れ縁』
そんなちんけな言葉が浮かび、すぐに振り払う。
喩えなんであれ、
その中でも一番の大莫迦に親友の娘は、助けられたのだ。
莫迦も捨てたものではない。
親友の娘は屋根から落ちた。
それから莫迦が受け止めた。
何事もなく過ぎてしまい、言葉にすれば簡単だが、
莫迦が気付き走らなかった場合、親友の娘はどうなっていたか分からない。
親友夫婦は何度も頭を下げた。
莫迦は普通に、無事でなにより~と云った。
親友の娘が家に引っ込むと、莫迦は云った。
「子どもの前で、親を叱ると言うのもなんなので~」
それから、数分説教が続いた。
「まぁ、私も気が付けなかったですし、私も悪いのですが、
 とにかく無事でなによりです~♪」
と、話を締めた。
思うにその時に体を痛めたのではないだろうか?
子どもといえど、落ちてきたその下敷きになれば、
何処か痛める事もあるだろう。
だが莫迦は別段普通に振舞っっていた。
人は普通、歩くときに両の腕を振る。
あの莫迦の右腕だけを振らない独特の歩き方は、
昔からあったものだったかどう・・・?


ぐらり


思考は強制的に中断され。
無意識に足を踏ん張る。
だが、傾斜の在る地面に積もった雪は、浮島のようで
ふらふらと足の下で震える。

支えきれない。

それを最後に思考は完全停止し、
目の前の景色がぐるりとゆっくり回るのを、確認した。

どずン

急激に思考は再起動し、意外と衝撃は少なかったなと思った。

「デジャビュですね~。先週もこんな光景見ましたよ」

地面から莫迦の声がする。
そこで一瞬、私の思考は再停止し、すぐに復旧した。
急加速で思考は巡り、頭ではもう理解できない。
「退け! 莫迦ッ!!」
私の思考は完全に往かれ、そう云った。

「上から物が落ちてきたら、なんだろう~?って、
 受け止めてみたくなるでしょう?」

莫迦は仰向けで完全に私の下敷きになっている。
私が退かなくてはいけない。
慌てた。
体は五体満足なのに、なかなか上手く動いてくれない。

「ま、死ななくて良かったですね。
 ・・・あと~、出来れば胸から降りて頂きたい。
 背中が冷たいから」

その言葉をきっかけに、バネ仕掛けのように起き上がり、
私は、すまないと小さく云った。
莫迦は笑いながら、インが珍しく謝ってますね~と云った。

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