完全に頭に血が上る。
オレが動く前に、誰かが先に動いた。
何か・・・真っ赤な丸い何かが放物線を描いて飛んでいく。
それはぐったりと椅子に座らされているうちの奴らに向かって・・・
ビシャーーーン!
水風船????
当たったそれはすぐに割れ、液体を撒き散らす。
オレは呆気に取られた。
それはむこうも同じだったようで、完全に呆けている。
続けて誰かが水風船を放る。
それらは全て、顔の腫れ上がった二人に命中した。
二人は水をかけられたからか、微かに身を捩る。
辺りに変な匂いが立ち込める。
これは・・・?まさかこの匂いは!?
「ヘッドは来ませんよ」
倉庫に声が響く。
いつの間にか馬鹿はサングラスを着けている。
よくとおる落ち着いた声。
全ての視線はこいつに注がれた。
その瞬間。
全てはこいつの世界に飲み込まれた。
「敵の手に落ちてしまうような弱い駒はうちには必要ありません。
動けないようにして頂けるとは、全く手間が省けました」
何を言ってるんだ?こいつは??
「わたくし達は・・・なんといいますか・・・
処理係です。・・・ゴミの始末に来ました。
社会のゴミは・・・燃やさないとね?」
むこうもこの異様な雰囲気に飲まれている。
匂いに気が付いたのか、こいつの意味に気が付いたのか、
むこうもざわめき始めた。
この揮発性の匂いは・・・!
「関係のない方は帰ったほうが良いですよ
危ないですから」
水風船を高く放りなげる。
かちゃん。
いつの間にか手にしていたジッポに火がともる。
水風船が落ちて・・・。
ジッポが低い放物線を描いて投げ込まれる。
水風船が落ちて、落ちて。地面に・・・。
そこに火が・・・。
ルゴァアオオオォォォォンンン!!!
火柱というものを始めて見た。
呆然とした。
頭が回らない。
紅が眼前を埋め尽くす。
気が付けば、ドクが水風船をむこうの奴らに投げつけている。
当たった奴は悲鳴を上げて逃げ回っている。
「さて、ダッシュで帰りますよ~ヽ(*○w○)ノ」
耳元で能天気な声がする。
「あ、??」
口が利けない。
紅い火柱を背にサングラスが立っている。
肩に担いでいるのは、捕まっていた一人なのか?
強引に腕を引っ張られる。
いつの間にか、ドクも一人担ぎ上げている。
オレ達は、すぐにその場をあとにした。
「あの火は迫力ありましたね~(*○w○)
ほんとに、あんなリュックサック一個で消えるんですか~?
確認したかったな~♪」
車中での会話は、そんな能天気なトーンで始まった。
「大丈夫だって!アレにはドライアイスの塊に硝酸メチ・・・」
「難しい話は結構です^^;
じゃ、火事にはなりませんね~」
周防と呼ばれている奴の言葉を強引にさえぎって、こいつは笑った。
「何にもないところだもん。火だって上には届く訳もないし、
燃えるもんは破壊神が投げたアレしかなかった訳だし」
周防はそう言って、それにしてもまるで別人だったよな~とオレに言った。
オレは今の言葉が気にかかり、
「ちょっと待て!?
爆発したのはあそこだけか??
皆殺しとかって!?
じゃぁ、
ドクがみんなにぶつけてたのは?」
「な~に言ってんの~!他のはみんな水!ちょっと匂いは入れたけどね♪
破壊神が投げたのだけがガソリンとおいらの特殊ブレンドで~・・・」
「私さえ注意していれば危険なことは何もなかったんです^^」
周防の言葉を再び強引にさえぎり、こいつは言った。
「戦いの場において、イニシアチブとることは重要です^^
さらに私の持論ですが、場を混乱させてしまえば、
どんな軍であっても烏合の衆です^^
実際火柱が上がったことにより、場が混乱し、
始めに投げた水を、ガソリンと認識したことで、
本当に殺しに来たと思わせることも出来ました。
あとは、敵さんがわ~わ~しているうちに勝手に連れて来ちゃいました」
絶句した。
こいつが投げた物が人に当たっていれば、確実に死んでいる。
「それならそれで、なんで最初に全部説明してくれなかったんですか!」
こいつはしばらくみんなと顔を見合わせた後、
こう言った。
「だって、貴一さん。
演技下手そうなんだもの^^;」
オレは激しい眩暈と頭痛に襲われた。
オレが動く前に、誰かが先に動いた。
何か・・・真っ赤な丸い何かが放物線を描いて飛んでいく。
それはぐったりと椅子に座らされているうちの奴らに向かって・・・
ビシャーーーン!
水風船????
当たったそれはすぐに割れ、液体を撒き散らす。
オレは呆気に取られた。
それはむこうも同じだったようで、完全に呆けている。
続けて誰かが水風船を放る。
それらは全て、顔の腫れ上がった二人に命中した。
二人は水をかけられたからか、微かに身を捩る。
辺りに変な匂いが立ち込める。
これは・・・?まさかこの匂いは!?
「ヘッドは来ませんよ」
倉庫に声が響く。
いつの間にか馬鹿はサングラスを着けている。
よくとおる落ち着いた声。
全ての視線はこいつに注がれた。
その瞬間。
全てはこいつの世界に飲み込まれた。
「敵の手に落ちてしまうような弱い駒はうちには必要ありません。
動けないようにして頂けるとは、全く手間が省けました」
何を言ってるんだ?こいつは??
「わたくし達は・・・なんといいますか・・・
処理係です。・・・ゴミの始末に来ました。
社会のゴミは・・・燃やさないとね?」
むこうもこの異様な雰囲気に飲まれている。
匂いに気が付いたのか、こいつの意味に気が付いたのか、
むこうもざわめき始めた。
この揮発性の匂いは・・・!
「関係のない方は帰ったほうが良いですよ
危ないですから」
水風船を高く放りなげる。
かちゃん。
いつの間にか手にしていたジッポに火がともる。
水風船が落ちて・・・。
ジッポが低い放物線を描いて投げ込まれる。
水風船が落ちて、落ちて。地面に・・・。
そこに火が・・・。
ルゴァアオオオォォォォンンン!!!
火柱というものを始めて見た。
呆然とした。
頭が回らない。
紅が眼前を埋め尽くす。
気が付けば、ドクが水風船をむこうの奴らに投げつけている。
当たった奴は悲鳴を上げて逃げ回っている。
「さて、ダッシュで帰りますよ~ヽ(*○w○)ノ」
耳元で能天気な声がする。
「あ、??」
口が利けない。
紅い火柱を背にサングラスが立っている。
肩に担いでいるのは、捕まっていた一人なのか?
強引に腕を引っ張られる。
いつの間にか、ドクも一人担ぎ上げている。
オレ達は、すぐにその場をあとにした。
「あの火は迫力ありましたね~(*○w○)
ほんとに、あんなリュックサック一個で消えるんですか~?
確認したかったな~♪」
車中での会話は、そんな能天気なトーンで始まった。
「大丈夫だって!アレにはドライアイスの塊に硝酸メチ・・・」
「難しい話は結構です^^;
じゃ、火事にはなりませんね~」
周防と呼ばれている奴の言葉を強引にさえぎって、こいつは笑った。
「何にもないところだもん。火だって上には届く訳もないし、
燃えるもんは破壊神が投げたアレしかなかった訳だし」
周防はそう言って、それにしてもまるで別人だったよな~とオレに言った。
オレは今の言葉が気にかかり、
「ちょっと待て!?
爆発したのはあそこだけか??
皆殺しとかって!?
じゃぁ、
ドクがみんなにぶつけてたのは?」
「な~に言ってんの~!他のはみんな水!ちょっと匂いは入れたけどね♪
破壊神が投げたのだけがガソリンとおいらの特殊ブレンドで~・・・」
「私さえ注意していれば危険なことは何もなかったんです^^」
周防の言葉を再び強引にさえぎり、こいつは言った。
「戦いの場において、イニシアチブとることは重要です^^
さらに私の持論ですが、場を混乱させてしまえば、
どんな軍であっても烏合の衆です^^
実際火柱が上がったことにより、場が混乱し、
始めに投げた水を、ガソリンと認識したことで、
本当に殺しに来たと思わせることも出来ました。
あとは、敵さんがわ~わ~しているうちに勝手に連れて来ちゃいました」
絶句した。
こいつが投げた物が人に当たっていれば、確実に死んでいる。
「それならそれで、なんで最初に全部説明してくれなかったんですか!」
こいつはしばらくみんなと顔を見合わせた後、
こう言った。
「だって、貴一さん。
演技下手そうなんだもの^^;」
オレは激しい眩暈と頭痛に襲われた。