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山村有佳里のミュージック+プラス

毎月第一火曜14時&23時FM79.7にて「山村有佳里のミュージック+プラス」放送中♩

Joonas Haavist Japan tour 2024

2024-12-10 19:19:48 | 演奏会訪問

「バッハはユニバーサルを感じる作曲家で
僕はジャズピアニストだからそれに
即興で自分の音楽をつける事は自然なことですが、
それは深いところまでjorney(旅)をしていながら表面に戻ってくるような、
そんなふうにいつも思います」

フィンランドのジャズピアニスト、ヨーナス・ハーヴィスト(Joonas Haavist)の演奏を聴きながら、かつて過ごした北欧・デンマークのあの日が暮れる直前の真っ青な空気になる時間、
窓外は寒くて
locked (閉じ込めらた)ような空間で数ヶ月だけ一緒の寮に暮らしていたヨナスというデンマーク人の男性と、ジャズピアニストを目指していた男子学生のピアノを弾く姿を
時空を超えて戻った様な感覚になって
涙目になって聴いていたら、
ヨーナスがステージでJorney(旅)という言葉を使い、次に弾く自作の曲が
「locked outside」というので、自分の北欧の記憶とちゃんとリンクしていた時間でした。


美しい音でした。


ステージの青い照明がさながら北欧の真っ暗になる前の午後15時前という感じ。

ヨーナスはとても気さくで素敵なピアニストでした。
お招きいただいた文化パルク城陽ありがとう。
ヨーナスの言う通り文化パルク城陽のスタッフはいつも温かいです。
自身のコンサートの時も温かい対応をしてくださる西田さんにも会えて良かった。
屋内は北欧の真冬でしたが、外に出ると
まだ冬というよりは秋の様な街並みが対照的に明るく、この季節の文化パルク城陽も素敵だなと思いながら帰りました。

シャルル リシャール アムラン

2024-09-19 11:38:24 | 演奏会訪問

積み上げた枝豆🫛を気にしちゃいけない。
2015年ショパン国際ピアノコンクール第二位のCharles R-Hamelinアムラン のリサイタルへ。
良いヤツはすごいヤツ、ではあるけれど、
ステージを降りれば同じ時代に生きた良い仲間、
に違いなくて。今日の大阪の最終リサイタル後、
シャルル、マネ、シャルルのカナダの友達と私で、シャルルのお気に入りお好み焼きを食べに来ました。

今回の大阪のリサイタルはベートーヴェン二曲に
ショパンのワルツ。
まるでアタッカのようにするする自然にいくつものワルツを弾くアムラン でしたが、自然だけどちゃんとロマンティックで、舞踏会が目に浮かぶ素晴らしい演奏でした。
アムラン のベートーヴェンは初めて聴きましたが
流麗だけどあたたかい素敵なベートーヴェンでした。

「私、ベートーヴェンだったら告別が好き。
いつか告別を聴きたい」
「告別!僕もあのソナタは好き。素晴らしい楽曲だと思う」
私/アムラン 「みんな、月光とか悲愴とか言うけどね」

10代の頃から好きなんですよね。
ベートーヴェンのピアノソナタ「告別」
アムラン に告別はよく似合う。

お好み焼きを食べながら。
次の再会を約束して。

 

#ピアノ
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ニューイヤーコンサート

2024-01-13 12:32:17 | 演奏会訪問


とりあえず耳から美しい音を入れればしつこい風邪も治るかと、出掛けた仲良しウィーンフィルのホルン奏者ロニが演奏するウィーンリングアンサンブルのニューイヤーコンサートへ。

 

ウィーン風、って日本人がどうやっても敵わない、そういう演奏スタイル、伝統だよね、とつくづく思わされる演奏でした。
ウィーンフィルのフルオーケストラとは違うけど9人の精鋭で、逆に上手さが際立って。
ああいう曲って一番難しいじゃないですか。

いずみホールのシャンデリアって確かドイツ製のクリスタルで出来ていると聞いているけれど、
ところどころ、カラーグラスが混じっていて、
それが、ベテランストリングスの中でキラッと光る管楽器、フルート 、ホルン、クラリネット2本の音みたいだなあ、照明と絶妙なバランスと繊細な音量と音色にうっとりしていました。

伝統と洗練と上品と。
奇を衒わないという一番難しい演奏を彼らの脈々と流れる独特のリズム感で。
またフルートのシュッツのピッコロの上手いこと。ヨーロッパに居たときに触れた上手いピッコロ奏者の吹き方。ピッコロに限らず全員が、
当たり前に自分達はこう演奏しますよ、
とぶれずに正しい音楽を演奏している。

ワルツやポルカの舞踏の音楽とシャンデリア。
9人の男性奏者のシルバーグレーのウェストコートとネクタイも素敵。やっぱりVienna スタイルだなあ、て。(ロニだけ正装させられたわんぱく少年みたいだったけど)
用意された席が私も正装の方が良かったのでは、と思うようなお席で。おぢさんみたいな声出してる場合じゃないわ…
アンコールはもちろんあの曲たちでみんなで手拍子して温かい気持ち。

 


ヴァンサン・デュボワ

2023-11-24 09:41:13 | 演奏会訪問

Vincent Debois organ recital 

バッハではなく、オールフレンチプログラムの
ヴァンサン・デュボアのパイプオルガンのリサイタル。ベルギーの大作曲家フランクで始まり、
2部はなかなか攻めたプログラム。
この世の裂け目から聴こえて来る音楽の様な。

ノートルダム大聖堂が火事になったニュースは
フランスにいた人だけでなく、私の様に住んだ国
以外では一番訪ねた国、パリのあの大聖堂にはやはり思い出は深く、デュボアはそのノートルダム大聖堂の要職で3人しかいないパイプオルガン奏者のひとり。ただ今回のプログラムはバッハの様な神様に捧げる荘厳な祈りのような音楽、というよりは、
気がついたらこの世はもう終わりです、
または終わったんですよ、と言われた感じ。
2部にコシュロー、フロレンツ、
そしてメシアンが来たのもあるかもしれない。
本人の即興の繰り広げ方がどこまでも飄々としている割には壮大で。
いずみホールのアルザス地方の重厚というよりは明るい音色のパイプオルガンで奏でられていて。

ヴィム・ベンダース監督の「ベルリン 天使の詩 」で、天使がスーツを着て人間のそばにいるじゃないですか。あんな感じ。
プログラムノートをみると、フロレンツは1947年生まれ(デイヴィッド・ボウイ、エルトン・ジョンも)でヴィム・ベンダースが45年生まれ。
なるほど。

そしてそのプログラムノートの解説が白沢達生さん。思わぬところで懐かしい友達に会った感じで、仲間の活躍は嬉しい。白沢さんらしい語り口で作曲家の門弟のつながりから背景がよくわかります。

ホールへ向かっている時、
「今度、いずみホールにお父さんとオペラ観に行くねん。優雅やろ」って笑いながら話していた人の事を大阪ビジネスパーク駅のあの長いエスカレーターを上がりながら不意に思い出して、
あれから何度もいずみホールには来ていて、そんな会話のやりとり自体を忘れていて思い出さなかったのに、急になんで、と思ったけど、
ああそうか、それを言ったのは今日もし良かったら是非一緒に聴きに来て下さい、と言われていた方の亡くなったお母様だったな、と。
エスカレーターから地上が見えて来るのはこの世の裂け目みたい。

家を出た時は京都は雪で、
ホールから出たら雪は降ってなかったけれど、
三日月が綺麗で凍てつく指で撮ってみる。
バッハはなかったのにずっとパイプオルガンの音でバッハを頭の中で感じながら。

 


狂言「花子」

2023-09-27 21:41:10 | 演奏会訪問

数日前からチェコのロマン派の音楽ばかり聴いていて、今から狂言を観に行くのに
脳がバグを起こさないかしら、と思いながら
能楽堂に着いたら能楽堂のまわりの木々の感じがヴルタヴァ(モルダウ川)沿いの木々みたいで不思議な既視感が。

茂山狂言会 秋
二世千之丞政次生誕百年祭

を拝見させていただきました。

生誕100年の作曲家といえば、
中田喜直、リゲティ。
2年前に100年を迎えたのが、
私もよく演奏するアストル・ピアソラ。
二世千之丞さんはなかなかとんがった作曲家と同世代のようで。

それぞれの世代の妙を感じられる演目で、
8月に共演させていただいた
三世千之丞さんの「花子」は素晴らしく、これから円熟期を迎えられて千之丞さんらしく益々進化される狂言師なのだなという思いで観ていました。

三世千之丞さんの「花子」
まったく男ってやつは…
と思いつつ、応援したくなるのは何故かしら、(女心としては、奥さん、きっと心配しているから様子見に行くんだろうに)
と引き込まれて、堪能いたしました。

さて、Czech Romantic Music.
一つ一つの狂言の演目もですが、
公演全体の構成も、なんというか、スメタナとかドヴォルザーク の音楽みたい、と。

この時代のチェコの音楽って、テーマにそった音楽が続いたと思いきや
途中から突如としてポルカとかワルツ(舞踊)
が始まって、
そして主題が短調から長調へ最後は転調して
なんだか明るい気持ちになってfine.というか。

でも作品は大真面目に作られていて、本人達も大真面目に演じたり奏でたりしているけど
大真面目に滑稽さを出している、だからこそ面白い、その感じが(というかチェコ人が素でこういう国民性…)
妙にこのところのチェコ ロマン派音楽と狂言がリンクして。

ブルタヴァ(モルダウ)川は鴨川に
共和国広場のスメタナホールは能楽堂に
変わったけど。

土曜日の昼下がりにみんなで能楽堂で狂言を観て笑う、て良いなと。
だって笑えるって本当に素晴らしいもの。

ありがとうございました。