中国で見つけた珍しい???

中国在住の管理人が、中国で見つけた珍しいものを紹介していきます。

中国で格闘技を習う ~其ノ參~

2011年09月23日 21時38分04秒 | 日記
 散打はほどほどに習い、そのまま日本に帰国しました。2年後、今度は北京に代わり、上海に留学する機会を得ました。郊外のキャンパスでしたので、やはり外国人向けの本格的なカンフー道場がなく、中国の児童向けのテコンドー道場に仕方なくお世話になりました。

 中国で最も流行っている格闘技は、なぜかテコンドーです。現代の中国は、実力よりも見かけにこだわるので、テコンドーの派手な技がありがたいのでしょう。本場の韓国ではどのように練習しているのか知りませんが、中国でのテコンドーはスパーよりも型・技・ストレッチ中心で、実際にはあまり強くなれそうにありません。成人が本格的に武術を練習したい場合は散打を選び、子供が運動程度に習いたい場合にはテコンドー、といった感じです。もちろん、子供が自らテコンドーを習いたいと思うわけがなく、大抵は親が無理やり通わせています。ろくに運動したこともない、体つきのぶよぶよした親が、分かりもしないくせに「そんな蹴りじゃだめだ!」と、わけの分からない指示を飛ばします。


時々、綺麗な女性も習っています。なんでも美容にいいとか……


 こんなしょうもない道場に通うのも気が重いのですが、丁度よい運動にはなるので、頑張って通い続けました。この道場も、北京の散打と同じく、スパーをほとんどやらず、アップばかりに時間をかけていました。またテコンドーなので、柔軟運動に時間をかけます。私は元々、かなり柔らかい体質だったのですが、必要以上に柔軟をやるので、痛くなりかえって体が硬くなりました。指導員には、「お前、来たばっかの時より、どんどん硬くなっているじゃないか!」と言われました。もっとも、この道場に通うのをやめ、日本で温泉につかったあと、ゆっくりストレッチをするようになったら、徐々に元の柔らかさを取り戻したのですが。

 さて、お約束のスパーリングです。この道場で、私と同じ年頃の会員は、私より一回り体が小さい黒帯だけでした。指導員は、「来週はブラックベルトが来るぞ!」と言い、私をけしかけました。そこでこの中国人テコンドー黒帯とスパーをすることになりました。胴体にやたら重たい防具をつけ、足にはやはり頼りないすね当てをつけました。手技はないので、グローブなしです。

 子供たちに囲まれ、スパーが始まりました。お調子者のガキが、抗日ドラマで覚えた「バカヤロウ」を言ってきます。変に雰囲気が和んできたのですが、慣れないテコンドールールに則って、ともかくスパーを進めました。私の方が足が長く、スパーリングに慣れているためか、相手がだんだんヘタってきました。私は汗ひとつかいていないのですが、相手はゼエゼエと息を荒らげています。テコンドーは、リーチが短い方がちょこまか動く必要があるので、これも仕方ありません。弱い黒帯に優勢を保ったまま、スパーは終了しました。手応えのない展開に、少々がっかりです。それは回りで見ていた子供たちも同じだったことでしょう。(続く)


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