中国で見つけた珍しい???

中国在住の管理人が、中国で見つけた珍しいものを紹介していきます。

中国は火鍋の国?

2013年03月12日 09時04分04秒 | 日記
 中国人も外国人も、中国やいわゆる中華民族を、食べ物の火鍋によく例えます。いろんな民族が一つの鍋の中で和気あいあいとし、美味しい絶妙のハーモニーを奏でているというわけです。

 私も中国という国は火鍋で例えることができると思いますが、上述したような通説とは考え方がだいぶ違っています。

 火鍋とは、肉・魚・野菜・豆製品など様々な食材を一つの鍋(鴛鴦鍋のように、ベースが二つに分けられているものもあり)に入れ、後は煮ながら食べるという簡単かつ美味しい料理です。日本の鍋のように長時間ぐつぐつ煮込むことはなく、強い火で茹でる感覚です。火鍋は大勢で食べるほうが、色々な食材を選べるので便利です。また辛い火鍋は体がほてり、酒もすすむので、親睦を深めることができます。

 それではなぜ一つの鍋に、味がまったく異なる様々な食材をごちゃ混ぜにしても、美味しい火鍋になるのでしょうか。日本のように醤油ダシをベースにした鍋ならば、これは不可能なことです。そう、秘密は例の辛いスープにあります。

 実際に食べたことがある方ならばご存知でしょうが、本場の火鍋のスープは日本語の激辛なんてレベルではありません。唐辛子や舌を麻痺させる山椒、それから私たちの知らないようなスパイスを大量に使います。出来上がったスープは、もちろんそのまま飲めるような代物ではありません。この刺激的かつ強い味は、すべての食材の味を凌駕し、力技で統一させることができます。その鍋に入れられた食材はその種類を問わず、紅色に変わらざるを得ません。

 ここでは食材を各民族に、超激辛の紅色のスープを党に例えています。火鍋は、中国の現体制の縮図です。

 ところが、中には紅色のスープよりも、スパイスの入っていない「清湯」の方が美味しく食べられる食材もあります。これらの食材のためには、別に一区画割いてやった方が効果的です。いわゆる「一国両制」というやつです。

 紅色のスープの中でも、自分の味を出したいと主張する声があります。それを実現するためには、紅色のスープを取っ払うか、鉄の壁を飛び越え別の場所に移るしかありません。仮に紅色のスープをやっつけた場合、力技の統一感がたちまち失われ、各自がそれぞれの主張をする混乱期を迎えるでしょう。これは現体制の維持、もしくは人々が自らの主張を避けるための拠り所になっています。

 中国は大陸ですので、海により国境を隔てることはできません。「鴛鴦鍋」のような鉄の壁がないわけです。人々が紅色のスープと鉄の壁を必要としなくなった時代に、平和が訪れるのかもしれません。


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