中国で見つけた珍しい???

中国在住の管理人が、中国で見つけた珍しいものを紹介していきます。

中国四川省のお祭り「火龍節」(1)

2013年02月27日 08時28分30秒 | 日記
 2月24日(日)は旧暦の1月15日で、元宵節でした。元宵節は春節を締めくくる日であり、各地で盛大なイベントが開かれます。四川省滞在中の私は、車を運転して山奥の「東興郷」という田舎町に行き、「火龍節」というお祭りを見てきました。

 東興郷の火龍節は、中国中央テレビ(CCTV)の国内旅行番組で伝えられたことがあり、地元ではかなり有名なお祭りです。火龍自体には長い歴史がありますが、東興村で元宵節に大々的なお祭りが開かれるようになったのは、4、5年前からのことです。

 例年ですと、日中から「舞龍」などの催し物があるそうですが、今年は規模が大幅に縮小されました。なぜかというと、このお祭りは地元住民による寄付で成り立っており、今年は寄付金が7万元(100万円強)しか集まらなかったためです。例年ですと、地元のお金持ち(炭鉱経営者など)から寄付金がたくさん集まり、花火だけでも30数万元を使えるそうです。

 前回の記事で書いた知り合いの家で昼食を食べてから、車を十数分運転し、東興郷に入りました。義父はここの中学校の教頭先生です。





 コンビニどころか、スーパーらしいスーパーもない田舎町です。コーラを飲みながら散歩しようとしましたが、本物のコーラよりも偽物のコーラの方が先に見つかるような場所です。日本の田舎町は車さえあればそれほど不便はしませんが、中国の田舎町では車があっても一番近い大型スーパーまで一時間なんてことも珍しくありません。

 今年の火龍節は6時より開始されました。まずは鼓笛隊の行進、龍の登場です。





 例年より龍の数が少なく、付近住民や遠くから足を運んだ人は、「今年は小規模だな」と残念がっていました。次の記事では、夜の部についてご紹介します。

中国の農村を訪ねて

2013年02月25日 08時43分42秒 | 日記
 2月24日(日)は、旧正月の1月15日に当たる元宵節でした。元宵節は春節最後の日であり、学校の冬休みもこの日までです。元宵節には各地でさまざまなイベント・お祭りが開催されます。

 私は現在、四川省の達州に滞在中です。24日は義父の実家である東興という田舎町で、「火龍節」が開かれるということなので、朝から四川省の山道を運転させられました。知り合いの交通局のお偉いさんから借りてきた公用車と聞いていたので、BMWとかすごい車が来るのかと思いきや、ヒュンダイのエラントラでした。

 さて山道を進むこと一時間弱で、最初の目的地(知り合いの家)に到着しました。時間は十一時過ぎで、家の人は昼食の準備をしている最中です。



 未だにかまどが使用されているのが驚きです。準備にまだ時間がかかりそうですので、外で写真を撮ってきました。







 パッと見た感じ、田舎らしい風景のようですが、川辺に行くと……



 こんな具合に汚れています。妻の話によると、日本の田舎とは違い、山奥の田舎までゴミ収集車が来ることはないため、焼却できないゴミなどは川辺に捨てるしかないそうです。昔は処理できないゴミなどなかったので川もきれいでしたが、今はプラスチックやビニールなどのゴミが増えたため、環境が急速に悪化しています。

中国の子育てについて(3)【中国の捨て子】

2013年02月20日 08時22分03秒 | 日記
 さっきヤフーニュースで、こんな記事を読みました。

 内容をざっと要約すると、

 ・中国の捨て子は年間10万人に達する。

 ・一人っ子政策のため、障害のある子供を育てたくない、もしくは経済的に育てる余裕がない。

 といった内容です。

 私は中国人妻と上海で子供を育てています。出産したのも上海です。

 個人的な印象としては、中国人は確かに極端に奇形児を恐れる傾向があります。例えば子作りする前に、夫は一定期間の禁酒を強いられます。春節中に作られた子供は、障害を持って生まれることが多いといいます。ただしよっぽどの酒飲みや、ひどく酔っ払っている時(白酒を一気飲みした後など)に子作りをしなければ、そんなに影響はないと思うのですが。

 中国でも、障害者に対する差別があります。比較するならば、中国の場合は大っぴらな差別、日本の場合は陰湿な差別といったところでしょうか。障害があると、健常者となかなか結婚できません。普通の人と同じように働けるとしても、見栄えが悪い、縁起が悪い、子孫に障害が残されるのが嫌といった理由があります。

 私は昔、日系企業の工場に勤めていましたが、その工場では障害者(ろう者)を受け入れてました。会社の宣伝資料・パンフレットを見ると、必ず彼らのことが紹介されています。「うちは障害者を受け入れている、社会的責任を果たす優良企業なんだ!」ということをおもいっきり主張するわけです。

 別の記事でも書きましたが、日本では差別用語になるような言葉が、中国語には現在も残されています。一昔前の武侠ドラマを見れば、「この死瞎子!」なんて言葉を聞くことができます。余談ですが、武侠ものには数多くの障害者が登場し、障害により研ぎ澄まされた能力を使い活躍します。日本の座頭市みたいなものです。

 子育ての方に話を戻します。妻が上海の病院で出産した当時、同じ病室に数人の妊婦さん(もしくは出産済み)が入院していました。私の妻より先に出産したある女性は、自分の産んだ女の子を見向きもせず、スマホばかりをいじっています。赤ちゃんが必死に泣いているのに、病院のおばさん(看護婦の他に、妊婦さんのお手伝いをする人)に任せっきりです。あんまり様子がおかしいので、同じ病室のいろんな人が、彼女に話を聞いていました。それによると、彼女(二十歳前後)はある既婚男性と恋愛関係になり、子供まで出来てしまいました。男性は妻と離婚し、彼女と一緒になると約束していたそうです。しかし男性が離婚することはなく、彼女を捨ててしまいました。子供が生まれても、その父親は姿を見せませんでした。

 女性は農村からの出稼ぎ労働者ですので、経済力を持ちません。子育てをしたくても出来ないのです。女性は心を鬼にして(もしくは本当に愛情がないのか)生まれた子供を無視し、引き取り手が現れるのをじっと待っていました。赤ちゃんは自分が捨てられるのを知っているのか、普通の泣き方ではなく、ひどく悲しそうに泣いていました。

 中国では子供が欲しい人がたくさんいますので、やがて彼女の子供の引き取り手が現れました。彼らは彼女の入院費を立て替えてやり、さらに彼女に数万元支払い、子供を引き取っていきました。

 障害者以外にも、中国の子供が捨てられるケースを紹介しました。

中国の宴会で白酒を飲む

2013年02月17日 09時04分18秒 | 日記
 白酒とは中国の蒸留酒のことで、度数は45度、48度、52度、58度などさまざまです。度数が高く、匂いも強烈なものが多いためか、日本人の多くから敬遠されています。日本人にとっては、個人的に楽しむお酒というよりも、宴会の時に無理矢理飲まされるお酒です。だから余計に嫌いになるのでしょう。

 かく言う私は、白酒がけっこう好きです。安く酔っ払うことを目的に、普段は7-8元(120円前後)の白酒を購入しています。まずい白酒を飲み慣れているためか、宴会などで用意されるちょっと高級な白酒が、とても美味しく感じられます。白酒の美味しさとは、そもそも何なのでしょうか。

 一番は香りです。良い白酒は鼻をスッと抜けるような、それでいてツンとこないような香りをしています。とろりとしたまろやかな舌触り、心地良い甘み、そして当然ながら悪酔いしないものが良い白酒です。ただ上述した通り、基本的に度数が高く刺激的な酒のため、この違いを理解する日本人は多くありません。というより、私のように安い白酒から入らないと、違いが分かりにくいのでしょう。

 白酒は宴会用として人気の高いお酒です。若い人の集まり、社内の飲み会などでは、紹興酒・ワイン・ビールが主流です。日本人が白酒を飲むのは、取引先との接待といったつまらない場においてであり、美味しいと感じる心の余裕さえありません。

 宴会ではまず、主賓がその場に合った挨拶の言葉を述べ、お猪口サイズの小さな杯に注いだ白酒を、みんなで一気に飲み干します。その後の飲み方は、非常にランダムです。前回の記事に書いた通り、マナーとして誰かに「敬酒」をする必要があり、また誰かから「敬酒」をされることもあります。ただし、いつも「乾杯」する必要はありません。中国人も実際に本格的に飲める人は少なく、あの手この手を使って酒の量を減らそうとします。自宅での飲み会であれば、他の人よりも小さなグラスを選ぶことが可能です。取引先の接待でも、「おれは高血圧だから」、「糖尿病だから」、「医者に止められている」、「胃が悪い」などを理由に、飲み干すことを拒めます。「おれはさっきあんたに敬酒したときに飲み干した」、「おれはもう五杯目だから無理だ」、「おれの代わりにこいつが飲む」など、みんなで大騒ぎしているうちに、宴会があっという間に終了してしまいます。終わった頃には、実は誰も余り酔っ払っていないなんてこともあります。

 白酒は料理を選ぶお酒です。そもそも上海・浙江省・江蘇省(江南地方)の一帯では、白酒よりも黄酒が好まれます。江南地方の、醤油ベースの甘ったるくてしつこい味付けの料理には、黄酒やワインがよく合うのです。上海で働いている日本人の多くは、上海料理を食べながら全然合わない白酒を飲んでいることになります。だからいっそう白酒が嫌いになるのです。

 白酒は辛い料理がベストです。野菜よりも、肉類(特に蝋肉などの燻製肉)とよく合います。春節は毎年嫁の実家で過ごしていますが、四川省の蝋肉で白酒を一杯やるのが楽しく、ついつい飲み過ぎてしまいます。

やっぱりつまらない春節

2013年02月13日 19時56分05秒 | 日記
 中国に滞在する外国人の多くは、春節期間に帰国を選択します。駐在員だったら本国で仕事がありますし、中国人の友達のいない学生だったらやることもありません。春節中は多くの店が営業を停止し、中国に残っていても面白いことなど何一つありません。しかも周りの中国人ばかりが浮かれ騒いでいるのです。この雰囲気は、外国人にとってはやりきれません。

 私は春節中に、帰国したことは一度もありません。学生の頃は帰国するお金がなく、卒業してからは嫁の実家で春節を過ごしているからです。

 春節は要するに、食っちゃ寝の繰り返しです。昼に酒をくらい、午後に時間を潰し、夜にまた酒を飲み、テレビを見て葉を磨いて寝るといった具合です。日本の正月と同様に、親戚の家を回ります。四川省ですと、出る酒は白酒ばかり、料理は肉ばかりで、数日続くと嫌気が差します。それに酒を飲む時は、自分のペースで飲めません。いちいち新年のあいさつをしたり、誰かに「敬酒」をしなければなりません。私が日本人だと知ると、「国の関係は悪いけど、おれたちは親戚だ!」みたいなことを言ってくれます。親戚じゃなければ、やはり憎いのでしょう。それは相手が日本人の場合に限ったことではないでしょうが。

 人間嫌いの私にとって、春節ほど憂鬱な休日はありません。一人になってブログを書く時間すら、あまりありません。よく知らない人に親しげに声をかけ、飲みたくもない酒を無理に飲み、勧められるままに脂っこい料理を食べる。とても引きこもりの為せる技ではありません。

 テレビは日本以上につまらなく、少しも見る気を掻き立てられません。お昼には三十分間のニュースが流れますが、各地の春節の様子、東シナ海・南シナ海の巡航の模様、船員たちの春節、新型武装ヘリ武直-10(WZ-10)の特集などを、毎日繰り返すばかりです。新年くらい戦争の話は避けるべきだと思うのですが、常に戦いの準備をしている姿勢を(領導に)示す必要がありますから、仕方がありません。

 中国人にとっては、一家団欒が重要です。遠くに出稼ぎに行っている人も、春節ばかりは帰省し、実家に預けていた子供と一年ぶりに再会します。中国人の春節に対する意気込みは、日本人の正月に対するそれの比ではありません。その熱気が、外国人には時に息苦しく感じられます。

 ブログを読んで下さっている皆さん(中国に滞在している方、海外に滞在している中国人の方)、良いお年をお過ごしください。